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Retro-gaming and so on

天才王子の赤字国家再生術 第1話

さて、カテゴリ的には現実主義勇者の王国再建記と被る本作、果たして如何に?と言うカンジなんだが・・・・・・。
ストーリー的には原作第一巻の途中から始まったようなカンジだ。
またしてもビミョーに薫る、ダイジェスト感・・・・・・。
最近のソフトバンク・クリエイティブ絡みのアニメはこれと言って「成功作」と言えるモノがない。
一体どうなっているのか。


会社として好き嫌いはあるけど、ソフトバンクはとにかく「利に聡い」印象がある。
ラノベの版元としての実績も長いし、またラノベ原作のアニメの作り手としての実績も長いが。
2018年辺りを境目にしてソフトバンク主導の深夜アニメはドル箱(だとソフトバンクが考えている)「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」以外は縮小傾向にあるように見える。
いや、枠数が減ったわけではない。ただし、アニメの作り方が「ダイジェスト傾向が強まった」と言う事だ。
これは理由はハッキリしている。深夜アニメはその性質上、「人気作をアニメ化」してるわけではない。そうじゃなくって「人気作として売りたい」作品をアニメ化しているのである。
結局深夜アニメにされる作品はキャバクラ情報誌に於けるキャバ嬢みたいなモンだ。そこに載ってる女の子はその店のNo.1ではない。「もっと売りたい」女の子を載せてるわけだ。
ところが、漫画に比べると「ラノベのアニメ化」と言うのは宣伝効果を考えると費用対効果が思ったより良くない、って事をソフトバンクは気づいてきたんだな。
当然だ。漫画なら「掲載雑誌」を宣伝すれば効果が見込めるが、あいにく「ラノベを掲載してる雑誌」なんかは無い。従って「今アニメ化されている」その作品以外の宣伝のしようがないわけだ。
そうすると、如何にアニメを丁寧に作ろうと、他の作品の宣伝まで波及効果がない・・・・・・そこにソフトバンクは気づいたんだと思う。
結局、だとすると、枠内でダイジェスト的に作品を作って、下手にアニメの人気を出して続編を要求されるよりは、単発でダイジェスト的に宣伝していった方が効率が良い、って事になる。
当然なんだよな。出版社側としては本を売りたいわけで、別にアニメを作るのが本業ではないのだ。



と言うわけで、ソフトバンク絡みのアニメはアニメとして見たらクオリティがダダ下がりの昨今なんだけれども。このアニメ「天才王子の赤字国家再生術」は、「失格紋の最強賢者」とは違ってギリギリのクオリティは辛うじて保持した模様である。



さて、先にも書いた通り、「天才王子の赤字国家再生術」の中心となるネタは「現実主義勇者の王国再建記」と全く同じで、「小説家になろう」でも流行ってる「領地経営モノ」、しかも「弱小領地経営モノ」と言われるジャンルの一種である。
この場合の「領地」と言うのは、通常一地方領主の領地を指す場合が大半だが、ネタ的には国家も含まれる「形式」だと考えて良いだろう。
ただし、「現実主義勇者の王国再建記」と明らかに違うトコもある。
現実主義勇者の王国再建記」は、啓蒙を試みていて、平たく言うとマキャヴェリズムの紹介、と言う側面がある。あくまでマキャヴェリズム、と言うか「君主論」の考え方の紹介、と言うのを礎としてる、ってのが特徴だ。
反面、こっちの「天才王子の赤字国家再生術」と言うのはコメディを基本としてる・・・・・・うん、啓蒙するモノが特に何かあるわけではない。
主人公であるナトラ王国・王太子、ウェイン・サレマ・アルバレストはあだち充のタッチで言うと上杉達也である。要するに天才だけどやる気は無い男だ。
「詰んでる」貧乏国であるナトラ王国をどっちかっつーと大国に売っぱらって悠々自適の隠居生活を送りたい男なのだ。


そして「天才王子」ではあるが、どっちかと言うとその「天才性」は外交術と記憶力に激フリされている。
一方、全般的には「読み」自体の天才性はまるでない。むしろ、事態は彼の予想を裏切り斜め上の展開ばかり見せる。そしてそれが為、不本意に彼の周りからの彼の評価を押し上げていくのである・・・・・・。
うん、そういう意味では「現実主義勇者の王国再建記」と違ってシリアスではない。国家を巻き込んだコメディ、ってのがこっちの作品の本懐ではあるだろう。



つまり、クソマジメな話ではない以上、コメディの構造がどの程度「ダイジェスト」に耐えられるのか、ってのが今後の展開上キモになるだろう・・・・・・。
どうしても構造論になっちまうが、コメディである以上、ある程度笑えれば役目は果たすわけで、そういう意味だとどっちにせよ「失格紋の最強賢者」よりは最初っからマシな結果が保証されてはいるのではないか。
まぁ、分からんけどね。
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