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Retro-gaming and so on

シムアース

コンピュータ雑誌は提灯記事ばっか載せたりする。
かつてMacWorldと言うApple Macintoshユーザー向けの雑誌があって(今もあるんか?)、当時、盛んに発売前だったシムアースをベタベタに褒めてMacユーザーを盛り上げていた。
曰く

「シムアースこそがMacらしい新しい革新的なゲームとなるだろう」

と。
いや、もうこの時点で嘘まみれなんだけど(笑)。ゴメン、当時は気づかなかったわ。
実際問題、前にも書いた通り、シムシティは元々はCommodore 64向けに企画されたゲームだし、シムアースは実はIBM-PC/AT向け、つまりMS-DOS向けに開発されたゲームだ。シムシリーズをリリースしてた(当時は)MAXISと言うメーカーは、企画があがった時、もっとも数が売れてるプラットフォームをターゲットに考えてたのだ。まぁ商売としては当然だよなぁ。
従って、MacフリークがMaxisのゲームを応援してくれる事は単純に喜んでたろうが、かと言って「Mac専用で考えてました」とか嘘言われても困るだけだったんじゃないか。
もっと酷い「マスコミの嘘」と言うのは、ぶっちゃけ、シムアースと言うゲームの面白さに付いて、だ。確かに前作「シムシティ」は面白かった。しかし冷静に考えると「それより規模を大きくして、地球規模になったシミュレータ」が面白いかどうかは別問題なんだよなぁ。
もちろん、MacWorldとかは別にゲーム雑誌ではないんで、ゲームの記事に対する本気度をどのようにして測ればいいのか、ってのはぶっちゃけ、分からん。が、ホンマ、このテのMac系雑誌では、シムアース発売前の状態では、エンタメだとシムアース一色だったんだよな。「間もなく発売!」と。

んで、実はSFC版シムアースって日本では、PC版シムアースと殆ど変わらない時期に発売された記憶がある(3ヶ月違いくらい?)。だから発売されてから割にすぐスーファミ版を手に入れたのだ。んで遊んでみた。


結論。クッソつまんねぇゲームだった(笑)。クソ、Mac系の雑誌の連中煽りやがって。本当にプレイしたのか、お前ら(怒)。
このゲームはシムシティと違ってある種のゴールがある。つまり、「地球に存在する生物を超知的生命体に育て上げれば」取り敢えずゴールなんだよ。
ところが、えーと確か、「モノリス」ってコマンドがあって(ゴメン、遥か記憶の彼方なんでうろ覚え)、こいつ使えば確率的かつ強制的に生物を進化させられるんだよな。
んで、「モノリス」成功しちまったんだよ。アッサリクリア。ぶっちゃけ「何だこりゃ」って感想にしかならんかった・・・・・・。
だってさ、例えばシムシティで、何かのコマンド走らせれば確率的に一千万都市になります、とかなればそりゃクソゲーでしょ。だってゲームの根幹がひっくり返るんだもの。シムアースってそういう「自らの存在意義」を否定するようなコマンドが存在してて、なおかつ、結論から言うと、

「"進化"と言う科学的にキチンと解明されていないモノをエンターテイメント(ゲーム)に組み込むのは土台無理だった」

って事なんだよな。じゃないと「モノリス」なんてチートコマンド搭載するわけねぇじゃん。進化の過程が良く分からんから「確率的」なコマンド搭載する必要があったわけ。

いずれにせよ、前評判・・・っつーかMac系雑誌の提灯記事は結果酷かったね。こんなつまらんゲームだとは夢にも思いませんでした。かつ、シムシリーズって結局この二作目で早くも失速するんだよ(笑)。Maxisって事実上シムシティ「だけ」の一発屋なんだよね。この後暫くしてからシムシティの第二弾とか出すんだけど、複雑さが増しただけでゲーム性はむしろ下がってる気がするし。初代ほど夢中になって遊べるゲームじゃなくなってたんだよなぁ。

いずれにせよ、シムシリーズの失速によって個人的に学んだ事がある。
それは

「ゲームに於いて、規模を拡大すれば面白くなるってモンじゃない」

って事を。
そして、意外とゲームメーカーはその事実を知らず、

「前作より規模を大きくすればより面白くなって売れる筈だ!」

と勘違いしている事を。

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