今日の出来事

一生懸命に毎日を生きる子どもの姿。そして、そんな子ども達に寄り添う、先生たちの思いを綴ります。

わたしの大切な鬼さん

2022年02月01日 | 今日の出来事
節分の行事に向けて、保育園では製作をします。
自分たちで作ったものは、しばらく保育室の掲示板に飾られます。
飾られると、なんだか良い気持ち。
先生にもママにも自慢したいなぁ。
じょうずでしょ?って。

0歳時クラスの掲示板にも、鬼のお面が飾ってあります。
「おに!」
見つけるたびに言っちゃうもん。
お面を被っても「おに!」
ほら、先生だって上手ねって言ってくれるの。

お面のゴムが切れてしまったのは、そんな、とても楽しい時でした。

あ!
時間にして数秒ですが、とても長く感じる沈黙。
その子は切れたゴムを視界に入れたまま、唇をキッと結んでます。

小さな心が”自分のしたこと”を感じてるのが分かって、声をかけるのが少し遅れました。
「直そうか」
刹那、張り詰めたものが爆ぜるように泣き出しました。
「ゴムもらってくるね?」「一緒に行く?」話しかけるたびに「うん!」と泣きながら大きく頷きます。
1年ちょっとしか生きていない子どもが「なんとかしなくちゃ」と必死です。

直している間、ずっと手元を見てる。
手慰みにセロテープをちぎって「はいどうぞ」
「ん?まだ貼らないよ。もうちょっと待ってね」
「あと少し、ね?いいよって言うから、そしたら、ね?」

「はいどうぞ、ここね。そうそう」
「ほらできた」

とっても大切だったんだね。
鬼のお面を被って「鬼はそとー!」って、やるんだもんね。

先生達も言うぞー!福はうちー!こっちこっちー!って。