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見れば見るほど「驚」がいっぱい! ー「アルチンボルド展」@国立西洋美術館

2017年07月02日 | アート●オススメ展覧会●
国立西洋美術館で開催中のアルチンボルド展に行ってきました。
 
 
アルチンボルドといえば、有名なのが野菜や植物を使って肖像画を描く「寄せ絵」。今回は、その中でも「四季」「四大元素」がすべて公開されるという注目の展示ですが、実際に展覧会を見てみると、まさに「驚!」でいっぱいの展示でした!
 
 
まず「四季」「四大元素」を見て、「こんな美しい絵だったのか!」という驚き。これまではだまし絵のような”面白い絵”のイメージが強くて、知っているようでいて、あまりちゃんと見ていなかったんだなぁ…と実感しました…(汗)
 
例えば、「春」の中に描きこまれた80種類の植物は全部種類が判別可能なんだとか。
 
 
 
「水」の中に登場する魚は約60種類とのこと。植物とはまた違った、ぬめっとしたグロテスクな雰囲気が現れています。
 
 
 
「大地」には多くの哺乳類が描きこまれていますが、アルチンボルドのつかえた皇帝マクシミリアン二世は動物園や植物園を所有し、その中でアルチンボルドは自由に写生をすることができたのだとか。
 
 
(ライオンは皇帝の象徴、羊は”金羊毛騎士団”の意味も含んでいたり…と、皇帝を賛美するモチーフもうまく取り入れていたんですね。)
 
 
そんなアルチンボルドのスケッチは博物学的にも重要だったそうで、遠い土地の博物学者に贈られることもあったそうです。
 
 
様々な動植物を含んだ寄せ絵には、博物学が重要な時代背景もあったんですね。後半には当時の”自然描写”に注目した章もあり、図鑑のような美しい絵や、本物の動物から型をとった(?!)彫刻までありました。
 
 
 
この「四季」「四大元素」は対になっているんですね。会場の壁4面で、すべて肖像画が対面するような形で展示されているのが良かったです。
 
 
 
あともうひとつ驚いたのは、「上下絵」というジャンルの作品です。そのまま見ると"寄せ絵の肖像画"、ひっくり返すとまた別の絵に見えるというものです。「よくこんな面白いことが思いつくなぁ〜」という発想に加え、そもそも「静物画」というジャンルが確立される前の時代だったというのもまた驚きでした。
 
 
(「庭師/野菜」/1950年ごろ/ジュゼッペ・アルチンボルド
こちらはチラシに載っていたものですが、展示されてたもうひとつの上下絵もすごかったです…)
 
 
大変ユニークな発想でいっぱいのアルチンボルドの作品でしたが、当時はこういった絵画ばかりでなく、国の行事の企画や演出、衣装のデザインなどもこなしていたそうです。人気のプロデューサーといった感じだったんでしょうか。幅広い活躍からは、当時の皇帝から気に入られていた様子が伺えますね。
 
 
この展覧会に関する記事で、辛酸なめ子さんの「セレブに愛されたアルチンボルドの処世絵画#20」という記事の中に”アルチンボルド…世渡り上手です”と書かれていて、なんだかとても納得してしまいました。こんな部分もちょっと意外でした。
 
見れば見るほど「驚!」の発見がたくさんのアルチンボルド展は、2017年9月24日までです。
 
 
 
ちなみに、会場入り口付近では、額の前に立つと、アルチンボルド風の自画像を自動で作成してくれる記念撮影コーナー「アルチンボルドメーカー」もあります。
 
 
ものの数秒で果物が組み上がって自画像になっちゃうので楽しいです!
 
 
(似てるかな?)
 
目線が下のままだと認識精度が下がるので、コツは”キメ顔で前を向く”ことなのだとか。こちらもぜひ。
 
 
**************
 
■DATA■
 
 
 
会期:2017年6月20日(火)~2017年9月24日(日)
時間:午前9時30分~午後5時30分
毎週金・土曜日:午前9時30分~午後9時
(ただし6月23日、24日は午前9時30分~午後8時)
休館日:月曜日(ただし、7月17日、8月14日、9月18日は開館)、7月18日(火)
料金:一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円
本展は、世界各地の主要美術館が所蔵するアルチンボルドの油彩約10点や素描を中心に、およそ100点の出品作品により、この画家のイメージ世界の生成の秘密に迫り、同時代の文脈の中に彼の芸術を位置づけ直す試みです。 

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