21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」に行ってきました。
「そこまでやるか?!」と驚く、ユニークな建築や巨大な構造物の展示。パネルや映像だけじゃなくて、実際に壮大さが”体験”できるような展示になっていて楽しかったです。
(今回の展示の「そこまでやるか」度合いが数値で表されています。)
まず目に入るのは、ジョルジュ・ルース(Georges Rousse)「トウキョウ 2017」。
白い木材を組み合わせた美しい建築物ですが、特定の場所に立つと…
緻密に計算された、美しい円が!
3次元空間で、ごく限られた場所から見たときだけに浮かび上がる2次元の幾何学模様の世界、とても美しいです。
そして、展示室に入って気になるのは、ギャラリー2を占有するように浮かぶ巨大な、半透明の不思議な物体。
ヌーメン/フォー・ユース(Numen/For Use)「テープ・トウキョウ 02」。16,200mのOPPテープで作った構造物!(チラシには21.120mと書かれていますが、今回の展示は16,200mとのことです。)
ギャラリーの柱に支えられていてなんだか昆虫の卵のようですね。
なんとこの作品は、大人でも中に入ることができました!(一度に2名まで。写真のように、構造物の下から踏み台を使ってのぼります。)普段荷造りにつかうようなテープに支えられて歩くなんて、なんだか変な感覚です。 中は柔らかい光に包まれて、でも足元はとても不安定で、落ち着くような落ち着かないような…不思議な気分になる作品です。
ギャラリーの壁一面には、浅井裕介さんの巨大な泥絵「土の旅」も!
ヴァンジで描いた壁画を再構成・加筆したものだそうで、パッチワークのような継ぎ目と、継ぎ目をまたいだ新しい大きな絵と、さらにギャラリーの壁にまで広がっていく絵とで、いつまでも見飽きないです。
カンバス上だけでなく、ギャラリーの壁にまで絵は広がっていきます。
(美術館の壁にまで広がる作品。この会期中にしか見られない作品ですね。)
全国の土の色のバリエーションには驚きます。21_21 DESIGN SIGHTで採取した土もありました。
新しくできたギャラリー3は、なぜかホテルのような佇まいに…?
西野達さんの「カプセルホテル 21」です。
遠くから見ると、ホワイトキューブに似合う白いシックな部屋ですが、金属パイプを骨組みに、壁は発泡スチロール、固定は発泡ウレタンと、意外に簡素な素材でできているんですね。でも、iPadとコンセントが1つあれば、泊まるには十分かも。
(給湯室内にシャワールームも?!)
会期中には、実際にこの”カプセルホテル”に宿泊することができるイベントも開催されるそうです。(西野 達インスタレーション夜間特別イベント)
こちらのギャラリー3は、入場無料なので、ふらっと立ち寄れますね。
今回の展示は、作品1つ1つはとても面白かったのですが、「壮大なプロジェクト」というタイトルにはちょっと違和感を感じてしまいました。壮大=構造物の大きさ みたいなものが多かったのと、どうしてそれをつくったのかな?っていうところまで展示からうまく想像がふくらませられなくて、見た目の”壮大さ”ばかりが見えてしまったからかなぁ…と思います。
見た目はミニマムでも壮大な思考の作品や、形としては残らなくても壮大なアクション・プロジェクトの作品など、違った切り口の”壮大さ”も感じられるともっと面白かったなぁと感じました。
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■DATA■
会期:2017年6月23日〜10月1日
開館時間:10:00〜19:00
休館日:火
料金:一般 1100円 / 大学生 800円 / 高校生 500円 / 中学生以下無料
つくることの喜びとともに、「壮大なプロジェクト」に向かって歩みを進める表現者たち。本展では、既存の表現方法の垣根を超えた大胆な発想を実現するクリエイターたちによる「壮大なプロジェクト」を紹介します。
参加作家:クリストとジャンヌ=クロード、淺井裕介、ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ、 ヌーメン/フォー・ユース、ダニ・カラヴァン、石上純也、ジョルジュ・ルース、西野 達
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