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「なんだ、これは?!」
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紅葉の生田緑地の中を歩いていると、突然、映画「宇宙人東京に現る」で岡本太郎さんがデザインした宇宙人”パイラ人”が現れます。
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(しかも、動いてる…!)
「岡本太郎」と「メディアアート」って、はじめはあまりピンとこなかったのですが…
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(普段は撮影禁止の岡本太郎美術館ですが、今回の展示ではすべて撮影OKとなっていました!)
今回の展示は、日本のメディアアートの先駆者・山口勝弘さんが岡本太郎さんへのオマージュとして制作された作品「黒い太陽ー岡本太郎に捧ぐ」が岡本太郎美術館に寄贈されたことをきっかけに開催されるはこびとなったそうです。
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(「黒い太陽ー岡本太郎に捧ぐ」 / 山口勝弘)
そして、山口勝弘さんにつづく10名のメディアアーティストの作品が、過去の作品から新作まで、岡本太郎作品や美術館の空間とコラボレーションしながら展示されていきます。
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展示を見ながら気づいたのが、メディアアートの過去の作品って実際に目の前で見られる機会って意外に少ないんだなぁ…ということ。メディアアートの本を読んで「へぇ、こんな作品があるんだな」と知るのと、実際に目の前で作品を観るのとでは、驚きや身体へ入ってくる感じが違いました。先駆的なメディアアート作品を実際に見ると、その当時の雰囲気に少し触れられた気がします。
例えば、森脇裕之さんの「レイヨ=グラフィー」は、自分の像が鏡に映るようにLEDで光る作品なのですが、これが制作されたのは1990年。今では珍しくないLEDですが、当時は高価で、これだけのLEDを作品に使うのは大変だったそうです。
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(「レイヨ=グラフィー」/ 森脇裕之
30年ほど前の作品ですが、LEDは当時のままなんだそうです。)
さらに、今ではインタラクティブな作品も多く目にしますが、当時は”作品自体は何も伝えていない、こんなものはアートではない”という言われ方もされたりして、理解してもらうのには苦労されたのだそうです。
最も衝撃的だったのは、岩井俊雄さんの「時間層II」。
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(「時間層Ⅱ」 / 岩井俊雄)
ゾートロープの作品だけど、ストロボの代わりにブラウン管に映像を明滅させていて、その映像を鏡に写したものがディスプレイにもなっていて、スピーカーまで一体化したデバイスもシンプルで美しくて。これが1985年の作品でしかも学生時代の作品?!ってとにかくショックでした。
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面白かったのが、明和電機の作品「芸術はマスプロだ!」。マスプロダクトを並べた展示は、はじめはピンとこなくてうーん?と考えてしまいましたが…
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(「芸術はマスプロだ!」 / 明和電機
岡本太郎さんが明和電機に入社?!)
岡本太郎さんが明和電機に入社?!)
明和電機は”オタマトーン”のようなマスプロダクトを販売してオリジナルは売らないそうですが、そういえば岡本太郎さんもパブリックアートや書籍でお金を得てオリジナルはほとんど売らなかったんですよね。(そして、それがこの美術館で岡本太郎さんのまとまった作品群を見られるのにもつながっているわけで。)それと同じ構造だったんだ!というのはとても意外な繋がり方でした。
そして、会場の最後の彫刻ゾーンに現れるのは、P.I.C.S. TECHの「樹人を再生する試み」。
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(「樹人を再生する試み」 / P.I.C.S. TECH)
岡本太郎の真白い彫刻「樹人」へのプロジェクションマッピング作品です。あんな複雑な形の彫刻の上で、3台のプロジェクターからの映像が滑らかに繋がっているのにまずびっくり!だったんですが、次々とテクスチャを変えていって、新しい彫刻作品が生まれてくるみたいなのもとても印象的でした。
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こうして見ていくと、例えば、岡本太郎さんの”座ることを拒否する椅子”や”歓喜の鐘”のような双方向性のある作品は意外に”メディアアート”だったりするのかも?!なんて思えてしまいます。
さまざまな時代のメディアアートの作品が集合するのも、岡本太郎さんの作品とのコラボレーションが見られるのもなかなかない機会なのではないかなと思いますし、なにより見ていてわくわくしたり、楽しめる作品も多くて素敵な展覧会でした。
ちなみに、現在ギャラリースペースには岡本太郎彫刻・立体作品大集合していて、しかも無料で見られます!
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(椅子に座って写真も撮れます!)
生田緑地にお散歩ついでに覗くのも良いですね。
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「岡本太郎とメディアアート 山口勝弘-受け継がれるもの」は、1月28日(日)までです。
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■「岡本太郎とメディアアート 山口勝弘 ー受け継がれるもの」 @川崎市岡本太郎美術館
会期:2017年11月3日〜2018年1月28日
時間:9:30〜17:00
料金:一般 900円 / 高校生・大学生・65歳以上 700円 / 中学生以下 無料
休館日:月曜日(1月8日を除く)、11月24日、12月29~1月3日、1月9日
本展では、岡本太郎と山口勝弘、そして彼らの活動の先に開花したメディア・アートを担う現代のアーティスト10組の作品を紹介する。
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