NANATAS GALLERYの久野彩子さん個展「Rebirth」。
ロストワックス精密鋳造技法という技法で、非常に繊細な鋳造作品を制作される久野彩子さん。
これまでにも、とても小さなパーツが増殖して巨大な構造体を作り出していくような、なんだか空から都市を俯瞰しているような気分になる作品が魅力的でした。
(影の重なりも美しいです。)
今回の個展「Rebirth」では、金属を緻密に成型する技術はそのままに、素材の金属の種類が増えていたり、モルタルや樹脂といった異素材との組み合わせで、新しい世界が広がっていて素敵でした。
(今回の展覧会の中で特に気になった作品2つ。全く質感の違う素材の組み合わせながら、まるでその中から生まれてきたように融合していて不思議な魅力がありました。)
絵の具のチューブや電池のような具体的なモノのイメージや、都市というよりも天体を想像してしまうようながさがさとしたテクスチャの球体のイメージの作品が増えていたのも印象的です。
久野彩子さんの作品は、廃墟的な朽ちたイメージと、そこから再構築されていくようなイメージが同居しているけど、今回は展覧会タイトルの「Rebirth」のとおり、朽ちた・空っぽになったものから、新しい芽がぐんぐんと伸びてくるイメージでいっぱいの生き生きとしたイメージがとても強くて面白かったです。
7月9日(日) までです。
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■DATA
久野 彩子 / Rebirth @NANATAS GALLERY
会期:2017年6月10日(土)~7月9日(日)
開廊時間:12:00~19:00
休廊日:月曜日・火曜日
久野彩子は、ロストワックス精密鋳造技法を用いて原型をシルバーや真鍮などの金属に置き換え、形を作り出している。金属でつくられた小さなパーツが集合し、大きな形を作る様は、私たちが住む都市をさまざまな視点からとらえたものである。
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