佐藤オオキさんの主宰するデザインオフィスnendoの3回シリーズの展覧会の1回目、
に行ってきました。
今回の展示では、日本各地の伝統工芸から着想した製品16点が展示されています。(2015年ミラノ国際博覧会の“クールジャパン・デザインギャラリー”で催された『colorful shadows』の巡回展なのだそうです。)
”黒”を基調としたシックなデザインには”伝統工芸”のイメージや高級感が残されていますが、近づいてよく見てみると遊び心のあるデザインに思わず笑顔になってしまい、特別な日だけでなく普段から使いたいなぁと思う製品でいっぱいでした。
(”手で柄を楽しむ”伊万里・有田焼。見た目は真っ黒ですが、触覚でその柄を楽しむ事ができる湯のみです。)
(こちらは使わない時には”巻き付いて”1本になるお箸。なんだか可愛らしくて思わず笑顔になってしまいます。)
(1面だけをアクリルに置き換えた升は、断面の美しさとともに、お酒を視覚で楽しみながらも飲めそうです。)
特に印象的だったのは、割れたり欠けたりした焼きものを漆で接着して修復する”金継ぎ”の手法をそのままデザインに活かした食器でした。”修復する”ための手法を、新品の製品のちょっと変わったデザインにしてしまう発想が面白かったです。
(美濃焼きをベースに、カットした食器を金継ぎしてつくられたお皿。黒漆までで止めているそうです。)
会場は全体が流線型の細い机でつながれ、その流線型の展示台に沿ってゆっくりと製品を楽しみながら進んで行く構成になっていて、それぞれ別々の地域で作られている製品がゆるやかにつながっているような雰囲気でした。
(会場の様子。)
それぞれの製品には、そのコンセプトを柔らかい雰囲気で示す佐藤オオキさんのイラストが描かれていて、製品を見ながらその先にある発想に想いを巡らせることができるのも良かったです。
(上の金継ぎした美濃焼きを説明するイラスト。)
なお、会場のGYREの地下では、今年の秋からイトーヨーカドー、西武・そごう、ロフトで展開されるというnendoのオリジナルブランド「by | n」のポップアップショップがオープンしていました。こちらも、会場とは違った製品が並んでいて面白かったです。
会場の隣はMoMAデザインストアなので、デザイン好きな方はこちらも一緒に楽しめますね。
nendo 1/3は10月4日(日)まで。その後、nendo 2/3, 3/3 と新しい展示が続くので、こちらも楽しみです。
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■DATA■
nendo 3/3 @EYE OF GYRE/GYRE 3F(渋谷)
会期:2015年9月11日(金)〜11月22日(日) (3部構成)
・nendo 1/3: 9月11日(金)〜10月4日(日)
・nendo 2/3:10月6日(火)〜10月28日(水) ※10月5日(月)閉場
・nendo 3/3:10月30日(金)〜11月22日(日) ※10月29日(木)閉場
佐藤オオキが代表を務めるデザインオフィス「nendo」の展覧会。
3つの展覧会を3週間ずつ立て続けに行う。いずれも「モノとその周辺との関係性」から生まれたデザインをテーマにしているが、それぞれ「作品」「空間」「時間」という3つの要素を意識。
1週目は、2015年ミラノ万博で開催された「colourful shadows」の巡回展。
2週目は空間の「キワ」から派生した小さなテーブルのコレクション「edge tables」の初披露。
そして3週目は、2015年のロンドン・デザイン・フェスティバルで発表した、モノのスキマに別のモノを隠してしまう「nest shelf」を中心に展示。
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