前回の「見込み違い」の記事に書いたのですが、ニコンのCOOLPIX P330が性能的に限界になったので、俄かに脚光を浴び始めたLUMIX LX9。しかし、筐体が金属で質感はよいけれど滑りやすく、実際、何度か落としています。性能はよいのですが、カメラは手に馴染むことも性能の一つと考えている私にとっては、これも見込み違いのひとつです。
そこで、COOLPIX P330にも施したカメラ張り革の術を一年半振りに行うことに決心しました。
なぜ、施術を躊躇っていたかというと、LUMIX LX9専用の張り革が絶版で、汎用のシートから自作する他なかったからです。
買ってみたものの工作意欲が湧かず、片付けたまま長らく行方不明でした。昨日、そのライカタイプⅡというシートがやっと発見されたので、意を決して施工してみました。
まずはカメラの寸法採り。
どこにどのように貼るかを考え、簡単にデッサンして、その寸法の型紙を作りました。NHK2チャンネルの『ソーイングビー』の型紙の課題を思い出しますが、型紙から自分で作るのですから、さらに大変。小さいし。
貼る位置は、上が吊環の取付部がある下端から、下から5ミリの位置までにしました。サイドは中央の切れ目まで貼ることにしました。いずれも、工作のしやすさを優先し、剥がれにくくするためです。
サイドは曲面なので合わせるのが大変ですが、手っ取り早くメジャーで測り、さらに型紙を実際に巻き付けて修正していきました。今回は向かって左側が下から5ミリ、右側はLの刻印があるので9ミリ空けることにしました。
最初が肝心なのですが、かなり艱難辛苦の道でした(笑)。採寸は間違えるわ、型紙の寸法のミスに気付かず裁断するわで時間を浪費しました。
結局、張り革シートを裁断し、貼り付けて完成するまでに半日を要してしまいました。
予め、張り革シート裏面に付属の両面シートを貼り、型紙(上)を、マスキングテープで張り革シートに固定し、スチールの定規を当ててカッターで切ります(下)。曲線も同様にグイグイ行きました。度胸が必要です。
いよいよ、メインイベントの張り革シートを貼る作業です。予め貼る部分の汚れを取っておきます。一度付いたら修正不能ですので緊張します。曲がらないように、密着するように貼って行きます。
うまくいったので気をよくし、背面の親指がかかる部分に、端切れからカットした小片を貼りました。完璧です。( 後方に見える治具、工具は使う必要がありませんでした。)
今回は、前回のCOOLPIX P330よりはうまく行ったようです。カメラの地肌が、金属製だけにうまく密着してくれたようです。COOLPIX P330はプラスチックで表面加工がしてあったので翌日見事に剥がれました。今回は大丈夫でした。ツルツルな表面を補完するために工作をしなければならなかったのですが、滑らか過ぎる表面が貼付けには好都合だったのです。皮肉と言えば皮肉ですね。∎
張り革シート(左)と施工後の右側面(右)。張り革と端子カバーの取り合いも絶妙に。
全体的にうまく行きました。申し分ありません。もうどこから見ても往年の独逸製カメラです(笑)。
Panasonic/LUMIX LX9, Nikon/COOLPIX P330
独逸つながりで…
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を小編成の弦楽合奏で演奏している動画です。大曲もこのような編成で聴くとまた面白いものです。
ソロは、アリーナ・ポゴストキーナ(1983- 、露→独)で大変なテクニックを持ち、ストラデヴァリウスから美しい音色を響かせています。
Alina Pogostkina Beethoven Violin Concerto Op. 61 Rechtman Nonet arrangement