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リッチレイ・カメラの新事実

2022年12月05日 | カメラ・写真
私が子供の頃に愛用していた玩具のカメラについて「思い出のリッチレイ・カメラ」と題して2年前に投稿ました。
そのカメラがリッチレイ商会のものであることは分かったのですが、参考書やネットで調べてみても完全に一致するタイプのものが見当たりませんでした。トイカメラの一種で、戦後間もなく少年たちの間で流行したカメラの流れであることははっきりしたのですが、その中のどこに位置づけられるのかが分からないのでした。

ところが、今年の6月にノブ様という方からコメントが寄せられました。その方も、私と同じカメラを所有しておられ、しかも、保存がよく、なんとオリジナルの箱も残されているというのです。
突然の朗報に驚き、かつ、期待がふくらみました。何度かやり取りをさせていただき、その画像をいただくことができました(下)。そして、その箱に驚くべきことが記されていることが分かりました。




送られてきた箱に入ったカメラの画像は私のリッチレイ・カメラとそっくりでした。
箱は当時を彷彿させるもので、高級感を醸し出したものでしょう。左右の白いリング状のものには、恐らくフィルムかフィルムスプールがセットされていたと思われますが、不明です。

残念なことに、カメラの向かって右側の巻き上げノブ上面のシールは剥がれていますが、本来は、私のカメラ同様にシールが貼られていたとのことです。しかも、カメラには、MIOJ(Made In Occupied Japan)の刻印があるのです(「思い出のリッチレイ・カメラ」参照)。私のカメラの同型機に間違いありません。
そして、注目すべきは上蓋の内側の文章(下)でした。




その短い文章には、このカメラが自転車メーカーの景品として漏れなく贈呈されることが書かれてありました。月産2万台突破の記念に、お子様の科学教育に役立てて、という趣旨が印刷されています。日付がないのが何とも残念なのですが、カメラが自転車の販売促進のために使われたことは間違いありません。

そして、そこに描かれる自転車メーカー(山口自転車)のものと思われるマークを見た途端、はっとしました。私のカメラの巻き上げノブにあるマーク(下の写真参照)と同じなのです。マーク(シール)については、長い間、何を示すのか全く分からない謎でしたが、たちどころに氷解しました。カメラの上部は左側にスポンサーである山口自転車の商標、右側にカメラのリッチレイ商会のマークというレイアウトだったのです。


前回記事のカメラ上部の写真。左側がフィルム巻き上げノブ、右側がメーカー(RICH-RAY)の刻印。

   
左が実際のカメラのノブのマーク(シール)、右が山口自転車のマーク。
線の太さなど微妙に異なる点もありますが、同一であることは明らかです。
(大きなYは、自転車のクランクか、山口自転車のYか、中央の図案文字は右が「山」を、左側が「口」をデザイン化したものか、あるいは「山口」を合体した図案か、と推定していますが不明です。)


私が父親からもらったトイカメラは、思いもよらないことに自転車の景品でした。しかし、我が家に山口の自転車があったかどうかは記憶にありません。自転車が無かったわけではありませんが、子どもはメーカーのことまで気にしません。あるいは、親戚が持っていたかも知れません。家で買った時のオマケだったのか、親戚から回ってきたものなのかは依然として謎です。貰った時期にしても、箱に日付がありませんし、1963年にメーカーが倒産した以降に譲ってもらった可能性も無きにしも非ずです。まったく別のルートということも否定できません。

謎はまだ多く残されています。証言者となるべき人もいなくなってしまっているのですが、ともかく、長年の謎だったカメラの出自がはっきりしたのは大きな進捗です。
記事に書いてよかったと思っています。貴重な情報を頂けたことに感謝し、さらに調べてみようと考えています。


(ご参考まで)
山口自転車(ウィキペディア)


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