かりんとう日記

禁煙支援専門医の私的生活

おばさんたち

2008年06月19日 | 今日こんなことが
10代、20代の頃は、オバサンという人種が嫌いだった。
そのあつかましさ、ずうずうしさ、オンナを忘れた態度に腹が立った。
腹を立てていたのは、電車に乗り合わせたり、街で見かける他人のオバサンばかりではない。
ちょうどそんな年代の母の、所作すべてが若いワタシには気に障り、年はとってもこんなオバサンには決してなるまいと心に誓っていた。

それがいつのころからだろうか?
最近、50-60代のオバサンたちに、以前にはなかった好意を抱いていることに気づいた。

今日はスーパーで、一生懸命こちらとアイコンタクトをしようとしているレジ係のおばさんがいた。

ファミレスやコンビニでもそうだけれど、学生アルバイトや若い店員だと、みな仏帳面のまま、こちらの目も見ずに、同じセリフをはいているだけ(時にはあんたはバスガイドかエレベーターガールかっ!と言いたくなるような調子をつけて)のことが多い。

ところが、今日のレジおばさんは違った。
最初の「いらっしゃいませ」から、お金のやり取り、最後のエコバッグポイントカードに判を押して返すときの「ご協力ありがとうございます」まで、毎回ワタシの顔をのぞきこむようにしてアイ(eye)キャッチ。
こちらは疲れていたので、今日はおばさんのアイ(愛)に充分答えられなかったけれど、気分がよければお愛想のひとつでも言っていたはずだ。

今日はもうひとり、街の小さな美術館で好ましいおばさんに遭遇。
美術館の監視員なんかをやっているオネエサンたちは、よくぞ耐えられるねっていうくらい身動きせずにじっと無言・無表情で(たいていひざ掛けして)座っているけれど、今日行った美術館の監視員のおばさんは違った。

プロの監視員ではなくて、館内の監視員募集のポスターを見ると、どうも近所のボランティアの方らしい。
客がアタシだけだったからか、椅子に鎮座しておらず、おばさんも館内をうろうろ。
アタシが行くと「いらっしゃいませ」なんておっしゃる。

今日の展示はとても心躍る内容だったので、順路を戻ってもうひとまわり見たくなった。
その旨おばさんに訊ねると、「どうぞ、どうぞ。ゆっくり見てくださいね」と、解説しながらついてこられそうな勢いだった。

自分がおばさんと言われる世代に近くなってきたからなのか、隣人たちともっと近い関係でありたいと願うような生活をしているからなのか、明らかに、世の中のおばさんたちに、ある種の期待を寄せるようになっている。







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