かりんとう日記

禁煙支援専門医の私的生活

まだ間に合う!

2006年08月16日 | 昼下がりの外来で
あらゆる薬を試したけれど、なかなか咳がおさまらないのでなんとかしてくれと、かかりつけの先生から呼吸器内科外来を紹介されて受診したKさん。
難しい病気じゃいやだなあと思って話を聞いてみたら、なんのことはない、タバコを吸っていました。

『まずはタバコをやめないとね』

「肺がんって言われても、ぜったいタバコをやめるもんかって思ってたんだけど」

『気管支の粘膜はタバコの毒ガスでまっかっかですよ。咳が出て当たり前です。レントゲンでは肺気腫の兆候がみられているし』

「毒ガスですか肺気腫は苦しいんですってね。他の先生には嫌味タップリに、今頃禁煙したって手遅れかもねって言われたんですよ

『今からでも決して手遅れではないですよ。咳や痰も減るし、酸素の取り込みや血液の流れもよくなって、体調がよくなりますよ』

「とにかく咳がつらいんで、タバコやめます」

禁煙年齢に上限はありません。
病気になってからでも遅くありません。
もちろん、病気になる前にやめたほうがいいんですけどね。
それから「ヘビースモーカー=禁煙困難」とは限りませんのよ。

一日1本だって、あるいはお酒飲んだときだけスモーカーだって、立派なニコチン依存症。
そういう人のほうが、依存症という認識が薄いぶん、やっかいなこともありますの。


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