臨床倫理コンサルテーションの仕事でのこと。
先日相談のあった患者さんのカルテを見ていて、心に引っかかった言葉があった。
「こんな体に生まれついたことが悲しい」
かなり進行した肺がんで、そろそろ緩和医療のみへの移行時期段階にきている60代男性がつぶやいた言葉。
一人暮らしで、友人たちに助けられながら抗がん剤治療を受けていたけれど、病気が進行してきたうえに、抗がん剤による副作用が体力を消耗し、精神的にうつ傾向。
こんな体に・・・という言葉の中には、これまでの人生のあらゆることへの後悔などが含まれているのかもしれない。
でも、先天的な理由で肺がんになったのではない。
タバコを吸ってきたから、がんになったのだ。
そのことを知ったからといって、彼にとっての現実は変わらないし、むしろ後悔の種が増えるだけであるのだけれど、なんだかやりきれない気持ちになった。
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