妻の会

その昔、私がまだペーペー医局員だった頃、教室には教授夫人を会長とした「奥様会」というのがありまして、年に何度かお茶会を催していたそうでございます。
お茶会はきまって平日昼下がり。
想像しただけで背筋がぞおーっの有閑マダム倶楽部（古い）でございますね。

ところが今日は、こんな妻の会だったら楽しいなと思いつきました。
それは、
「喫煙夫を禁煙させる妻の会」

どうです？
うちの病院なんて、すぐメンバーが集まりそうです。

「先生、うちの旦那まだタバコやめないんですよお！どうしたらいいですかねえ」

最近こんなふうによく女性職員に声をかけられます。
今日も職場結婚したＭナースと廊下で立ち話をしました。
旦那さんのほうは放射線技師さんです。

「敷地内禁煙になってから、朝出勤前に吸うタバコの本数が増えてるみたいです。タバコ吸うと気持ち悪くなるんだよなあとか言いながら、相変わらず吸ってるんですよー！」

『肺気腫体型だから、年齢的にそろそろヤバイよね』

「ですよねー！先生のところに行けばって毎日のように言ってるんです」

『私も時々声かけてるのよ。あきらめないでがんばりましょっ』

また、旦那さんのお父さんの主治医になったという縁のあるＯナースの場合。
数年来の願いかなって、やっとこさ今、旦那さんが禁煙外来に通ってきてくれています。

『旦那さん、がんばってるじゃない。おうちで誉めてあげてる？』

「えーっ、そんなことできませんよー！」

『旦那だと思うからダメなのよ。患者さんだと思えば優しい声かけてあげられるでしょ？今夜はがんばるのよ』

禁煙して欲しい旦那を持つ妻は、時に女優にならなければね。