「紅茶とお菓子の甘い日々」

初めての英国紅茶修行

初めての紅茶修行

世界で一二を争う紅茶大国イギリス。
幼いころから、その国への憧れは果てしないものでした。
単身でイギリスへ渡り、25歳で日本紅茶協会ティーインストラクターの資格を取得した私は、
本場イギリスの料理とお菓子を習得し、紅茶を取り巻く生活を体験したいと考えるようになりました。


そのころ仕事が忙しかった主人は家族と過ごす時間がほとんどなく、二歳になる息子は主人の顔を見ると泣きだすほどでした。
そこで主人は思い切って仕事を辞めて、私の夢についてきてくれることになったのです。

私たちはロンドンにマンスリーのアパートメントを借り、私の紅茶修行が始まりました。
私が料理教室やお菓子教室で勉強している間は、主人が息子の面倒をみてくれ、時には三人でホテルのアフタヌーンティーに正装して出かけました。


スコッドランドからウェールズまで、アフタヌーンティーの有名なホテルを訪ねて旅を重ねました。
ある時はクロテッドクリームの有名なデヴォン地方へ。
シェイクスピアの生まれ故郷ストラトフォードへ。
ピーターラビットで知られる湖水地方のティールーム。
オックスフォード、ふしぎの国のアリスのティールーム。
老舗ティールームバースのBetty‘sでは、
中世から変わらぬ味を守り続けている紅茶とホットクロスバンズを体験しました。


ウエッジウッドを始め焼き物の街で有名なストークオントレントを訪ね、職人の技に感激し、たくさんのティーセットを買い込みました。

はちみつ色の田舎町コッツウォルズでは家族総出で泊まり込みでのお茶修行。
スコーンやショートブレッドに始まるお菓子やお料理を習得しました。
鳥のさえずりで目覚め、庭のブルーベリーを摘むことから始まるイギリスの田舎暮らしが、
本当の心の豊さを教えてくれました。

老舗のホテルでも修行させていただきました。
前もって「イギリスのアフタヌーンティーを勉強している、ぜひあなたのホテルでレシピを教えていただきたいと」と伝えていくと、
彼らは喜んでキッチンに招き入れ、シェフ自らがレシピを教えてくださいました。

スコーンのレシピは、日本の家庭のお味噌汁の味が違うように、ホテルや家庭によってみな違います。ショートブレッドやスコーン、ベリートライフル、ルバーブパイ、りんごのクランブルケーキ、キャロットケーキ、ビクトリアンケーキ。
イギリスに古くから伝わるお菓子は、みな例外なく紅茶に、特にミルクティーに絶妙に合うことを実感しました。
双方が双方を必要とし、どちらが欠けてもだめなのです。
ティータイムはお菓子とミルクティーとがあって、はじめて成立するのです。


太陽が恋しいイギリスでは、お天気の良い日はよく家族でピクニックに出かけました。
白鳥のいる湖の周りを散歩したり、芝生にブランケットを敷いて、サンドイッチを作り、
小さな野生のりすを追いかけました。


家族で過ごした英国での紅茶とお菓子の日々。

そして英国の人たちのホスピタリティーの気持ちが私のティーパーティーのベースになっています。



21年前、イギリスでの紅茶修行のお話です。

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