山形建築研究所-BLOG-休憩室

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山形建築研究所-BLOG-休憩室にお越しいただきありがとうございます。 私たちは、首都圏北部の中核と言われる宇都宮市に事務所を置き、栃木県全域をはじめ、関東近県を設計業務範囲の核として、住宅設計を主として行っている建築設計事務所です。 このブログは山形建築研究所の休憩室です。 イベント情報や現在進行中の建築現場のレポートをはじめ、住まい、建築にまつわる諸々の話、事務所や我が家での出来事等、日々感じた事などを趣味の写真を交えながら気の向くまま、勝手気ままに綴っていきます。 よろしくお付き合い下さい。

ヨロイ張り

2022年07月27日 | 堀込のすまい
6月の記事<納まり>でお伝えしていた<堀込のすまい>では大工職による内部造作工事が進んでいます。

現場には下小屋で加工されて搬入されたラワン合板の下見板が積まれています。 GRⅢ ポジフィルム調 ノートリミング

下見板張りは、上方の板の下端を下方の板の上端に羽重ねにして張る方法で、各段の板の長手方向の木口が下側に見えるので下見板張りと呼ばれています。
また、鎧(ヨロイ)の錣(シコロ)に似ていることから、鎧(ヨロイ)張りなどとよばれることもあります。

6月の記事の時点では、「階段蹴上げ寸法に合わせて下見板を割り付けて・・・」とボンヤリとにごしていた壁仕上が決定!

今回は風合いとコストから「ラワン合板」を採用。もちろん初めてのことです。(^^
1,820㎜×910㎜のラワン合板、7枚から126枚の小幅板をとって、しゃくり加工をしてもらうと云う、手間の掛かる作業をお願いしました。
内壁に張ることから羽重ね部分の寸法を抑えるように合板にしゃくり加工をして、というさらに手間の掛かる提案は大工職からのものです。(^^;)
この現場では、最初から「ヨロイ張り」と呼ばれていて、そこからさらに「ラワンベニヤのヨロイ張り」と呼ばれるようになっていました。(^^

階段詳細図から鉄工所で施工図をおこし、製作されて取り付けられた段板を支えるスチールの下地 

前回の図面と比較すると、手摺支柱の取付位置が変更になっていますが・・・これは現場打合せの上変更されたものです。
間違い探しみたいなことになっていて、描いている本人しか解らないかもしれませんが、見比べてみてください。(^^;)

スチール段板下地とヨロイ張りとの取り合い部分。この下地の上に段板が取り付けられます。

階段の蹴上げ1段に対して、ヨロイ張りが2段で割り付けられている様子が分ると思います。
この割付はヨロイ張りでないと、上手くいかないところなんです。(^^

張り上がってきたところをマクロで・・・

羽重ねの寸法は合板の厚みの約半分、6㎜・・・これが12㎜になると大きく印象が変わるでしょうねェ。

うちの事務所では、何かを揃えるというようなことが、いつの間にか仕上の決まりみたいになっています。
モノを揃えようとするために、職方に無理を言って手間を増やしていますが、モノを揃えると云うことは、チョット大袈裟かもしれませんが、つくり手の意志表現だと思います。
キチッとした納まりは不自然なもの、それをどうしても揃えたいという意思に打たれて、職方は一生懸命仕事をしてくれて
すまい手は設計者、施工者の存在を感じてもらえるのだと思いたい。そのためにモノを揃えた図面が描かれているんです。

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納まり

2022年06月09日 | 堀込のすまい
昨日は4月の記事<建ちました>でお伝えしていた「堀込のすまい」の現場へと

大屋根切妻の屋根を見上げて GRⅢ ノートリミング モノクロ

住まいの階をつなぐ階段詳細の打ち合わせです。
今回の階段は細い線で美しく処理したい、かつ丈夫に造ろうと・・・鉄の力を借りることになりました。

金属を直接、意匠の表舞台に登場させた先人は、吉田五十八(よしだいそや)、村野藤吾(むらのとうご)かと・・・
先人のように僕も鉄を見せて使いたいと考えているのですが、これはなかなか難しい。(^^;)
今回、鉄を表舞台でなく隠して、または見えてはいるが出しゃばらないように処理してみようと。
軽やかに見せるために下地をスチールで組んだ階段を!とデザインしてみました。



図面はどのようにでも描くことはできるが、新しいことを考えれば考えるほど、分からないことが増し、納まりが難しくなる。
スケッチを見てもらって、職人さんにこちらの気持ちを伝えることにより、つくる側の言葉を聞き出すことができ、納まりが分かってくる。
納まりは細かい寸法の積み重ねなのだと思ったのでした。(^^

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建ちました

2022年04月13日 | 堀込のすまい
3月の記事<温度補正>でチラッとお伝えしていた住まいの計画。その後工事は順調に進んで
昨日、鉄骨製品検査に出掛けている間にめでたく上棟を迎えました。(^^ すまい手のIさん、あらためましておめでとうございます。

今日の現場の様子・・・一日で野地板張りまで終わって大屋根のシルエットが確認できるとこまで。 GRⅢx 適宜トリミング。
屋根の上には、気になる明日からの天候を気遣って防水紙張りを進める大工職。

さてさて工事はこれからが本番というのは云うまでもありませんが、無事に上棟を終えひと段落と云った感の現場です。(^^


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温度補正

2022年03月15日 | 堀込のすまい
昨日は地盤調査が始まる現場へと。調査方法はボーリングによる標準貫入試験です。
ボーリングと云っても球を転がしてピンを倒す「ボウリング」ではなく「ボーリング」です。

まずは、トラックからヤグラをおろして・・・

手順はヤグラを組んでロッドをセットして、先端にサンプラーを取り付けたロッドの上の重りを自然落下させて打撃します。
サンプラーを地面に30cm、めり込ませるのに要する打撃数を「N値」といい、このN値によって地耐力が判る・・・と云った試験です。
と云っても、よくわかりませんよね・・・。(^^;)
まあ、地面に刺した棒状のものを既定の深さ貫入させるのに、どれくらい打撃するのか?と云った試験です。

昨日は穏やかなと云うか、暑い!といった陽気で、その日のニュースでは夏日を記録したところもあるとのことでした。

ボーリング調査が始まった現場の片隅で見つけた「オオイヌノフグリ」 GRⅢ 適宜トリミング。



午後には基礎工事が進む現場で配筋検査。

大きな指摘事項もなく本日(3月15日)に打設するコンクリートの話になって
夏日になるような陽気のため「温度補正はどうしましょうか?」・・・と。回答は設計図に記載されてる通り補正は「+6」で打設を指示。

この「温度補正」って、ということで、ここからはチョット固めの話で・・・
建築基準法のなかに「構造物の強度は設計基準強度を確保する」と書かれています。
でも、コンクリートは工場で製造された後に型枠内で強度を増していくため、鉄筋や鋼などの工業製品と違い均一な強度を確保する事が難しい製品です。
外気温が低いと硬化速度が遅く、高ければ硬化の進行は早まります。
そのため、コンクリートは外気温に応じて打設強度を変えて、28日後の強度が設計基準強度になるように調整します。
まあ、設計基準強度に「かさ上げ」をするといったところです。これが「温度補正」です。

2015年以前の温度補正は寒い冬の温度対策が中心で、外気温が3℃~8℃の冬季には、設計強度に6(N/㎜2)を加えたものが
そのときに打設するコンクリート強度としていました。
たとえば、設計基準強度を21(N/㎜2)としている場合は、打設強度は21に6を加えて、27(N/㎜2)のコンクリートを打設します。
そして、外気温が16℃以上になると、特に補正(かさ上げ)は必要ありませんでしたが、温暖化が進んだ現在は夏の暑さ対策が必要になってきています。
これは、暑さのためにコンクリートの硬化が止まってしまうということが判ってきたためです。
現在では、冬も夏も温度補正が必要だと云うことになっています。
以前は「温度補正」と云っていましたが、今は「構造体強度補正」と云うことになっています。
と、チョット固めの話題でした・・・コンクリートだけに・・・御後がよろしいようで (^^;) 

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ボルト

2021年06月25日 | 堀込のすまい
昨日午前中は基礎工事が進む現場へ・・・
アンカーボルト設置状況の確認です。うちの事務所の仕様としてはアンカーボルトのピッチは1.7m以下、1.8mを超えないということにしています。
先週の記事<配筋検査は晴天!>でお伝えしたとおり週明けにはアンカーボルトを据付けてコンクリート打設となりました。

据え付けられたホールダウン金物用のアンカーボルト 写真はGRⅢ ノートリミング ハードモノトーン EV-1.3

午後は現在基本設計が進行中の現場へと・・・まだ設計中で工事が始まっていませんから現場ではなくて現地調査かなぁ?
設計を進めている時、なんども現地へ行きます。最初に現地へ行ったのは4月の初めの頃、昨日で3度目です。
調べることが必要になったりしたときはもちろんですが、設計を進めていて迷ったりしたときには、まず現地へと
近所を歩いてみたり、遠くから敷地を眺めてみたり、晴れた日だけじゃなく雨の日や、違う季節にも←なかなかそんな悠長なことは云っていられませんが。(^^;)
近くに高台があったりすれば登ってみたり・・・そこで気になるのは電信柱←許可なく上ってはいけませんが。(^^;)
と云うか、元々高いところは苦手なほうなので上ることなんでできませんけどねェ、やっぱり気になる。


現地の前に立っている電柱を見上げて・・・GRⅢ ノートリミング カメラ内現像 ポジフィルム調

電柱に取り付けられているボルトのようなもの・・・
調べてみると「足場釘」と呼ばれている(た)そうです。以前は木製の電柱だったので「釘」だったのでしょうが
現在のコンクリート電柱になってからは「足場ボルト」と呼ばれているそうです。
足場になるボルト、住宅などへの不法侵入を防ぐために地上1.8m以下には取り付けないことになっています。

・・・とボルトつながりの今日の話題でした。(^^

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<いまいすみのすまい>完成見学会 ご参加ありがとうございました

<いまいすみのすまい>完成見学会を開催し無事終えることができました。 お越しいただきました皆様、まことにありがとうございました。 詳しくはこちらから… -山形建築研究所-ウエブサイト