10月11日の大安吉日に解体工事から始まった<境町のすまい>では、既存間仕切りや造作家具を解体が完了して、大工工事が進行中です。
天井下地を組み、新しい間仕切りが造られてきています。今日は現場の確認と打合せのために現場へ行ってきました。
既存壁を解体してみると、外壁回りにグラスウール(10kg/㎥)100㎜の断熱材、まあ、当時はしっかり施工してあるという仕様だったようです。
床部分はもとの設計図に記載のあった50㎜の断熱材を確認した上で既存のフローリングを下地とし、今回の床仕上げをすることにしました。
話が少しそれますが、建築の現場には、一般的にはあまりなじみの無い言葉かも知れませんが、『野帳場』と『町場』という・・・もともと職方の言葉があります。
『野帳場』とは工事を総合的に請け負う元請工事業者(ゼネコン)が、様々な専門の下請業者を調達して工事を行う現場。元請けと下請けはタテの関係。
高層ビルや公共施設など大規模な現場。
一方、『町場』は大工職などの職人や職人を雇用する比較的小規模な業者がヨコの繋がりの分業で工事を行う現場。
また、ひと昔前には『旦那場』というものがありました。大工職等の職方と、大きな商家などの旦那さんが一緒になって造りあげていたようです。
建築に精通して増改築が趣味?と云うような人が建築主である発注者のことを敬って「旦那」と・・・上得意の建築主の現場を旦那場と云ったりしていたようです。
お金持ちの家道楽・・・と云ってしまえばオシマイですが、その時代の文化や芸術に貢献したとも言えそうです。
そして今回の住みながらのリフォーム工事はひと昔前の『旦那場』といった感。(^^)
すまい手・設計者・施工者は<ヨコ>の関係で、「どうしましょうか?」「どうしたらいい?」なんていった感じで現場の打合せが進んでいきます。
そして、この現場は10時・3時の休憩のときに、美味しいコーヒーが味わえるうれしい現場です。(^^)
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