「9月2日(水)」
「自転車屋の生き物歳時記」
「ヤマカガシ」
先日の蓬山渓の沢歩きで
逃走する
ヤマカガシを目撃しました。
ヤマカガシ(Rhabdophis tigrinus)は、
有鱗目ナミヘビ科ヤマカガシ属に分類されるヘビ。
有毒。
特定動物。
日本(本州、四国、九州、佐渡島、隠岐島、
壱岐島、五島列島、屋久島、種子島に分布し、
南西諸島、小笠原諸島および
北海道には分布しない固有種
模式標本の産地
(基準産地・タイプ産地・模式産地)は長崎。
全長60~120センチメートル。
頭胴長は55~120cm。
丹沢山地では1972年8月、
全長142センチメートルで
太さが牛乳瓶ほどの個体が捕まったことがある。
体色は地域変異があり、
関東地方の個体群は体側面に
赤色と黒色の斑紋が交互に入る。
関西地方の個体群は体側面の斑紋が不明瞭。
近畿地方西部から中国地方の個体群では
青色型もみられる。
頸部背面には黄色の帯があり、
幼体でより鮮やかで、成長するにつれてくすんでくる。
この黄色の帯も個体によっては表れない。
胴中央付近の背面の体鱗数は19列。
鱗には強いキールがある。
毒は
頸腺毒とデュベルノワ腺(Duvernoy)毒の2種類を有する。
1932年に
咬傷時に出血傾向が見られるなどの
数例の咬傷時の報告例はあったが、
以前は無毒種であると考えられていた。
咬傷時の症状が
ブームスラングと一致すること・死亡例などから、
1974年に有毒種と報告された。
毒牙は上顎の奥歯にあり、
0.2センチメートル以下と短い。
毒腺(デュベルノワ腺)を圧迫する筋肉が無いため、
一瞬噛まれただけでは毒が注入されないこともある。
毒性は強い血液凝固作用で、
血管内で微小な血栓形成を引き起こす。
咬傷直後には
局所的な激しい痛みや腫れはあまり起こらない。
毒が患部から血液に入ると、
血液凝固作用により
フィブリノーゲンが大量に消費される。
フィブリノーゲン、
続けて血小板が血栓の形成に伴い減少することで
全身の血液が止血作用を失う。
並行して血栓を溶かす作用(線溶血性)が亢進し、
毛細血管が多い鼻粘膜・歯茎・消化器官・肺からの出血、
全身の皮下出血を引き起こす。
出血あるいは血栓が原因と考えられている
一過性の頭痛が起こることがあり、
頭痛が発生した場合は
毒量が多いと考えられ重症化する例が多い。
赤血球が血栓で狭窄した血管を通る際に損傷し、
赤血球内のヘモグロビンが血中あるいは
尿に溶出するため褐色尿も見られる。
重症例では
脳出血・急性腎不全・播種性血管内凝固症候群
などを引き起こす。
頸部皮下にも毒腺(頸腺)があり、
頸部を圧迫すると毒が飛び散る。
目に入った場合の症例として
刺激痛や結膜炎・充血・角膜混濁・デスメ膜の線状混濁
・角膜知覚麻痺・瞳孔反応の遅鈍
・縮瞳・散瞳・虹彩炎などがある。
この頸腺の毒は、
餌であるニホンヒキガエルの持つ毒(ブフォトキシン)を
貯蓄して使用していることが明らかになった。
ヒキガエルが生息しない
金華山に生息するヤマカガシは
この頸腺の毒を持たないが、
このヤマカガシがヒキガエルを捕食すると、
この毒を分泌するようになった。
20グラムのマウスに対する
半数致死量(LD50/20g mouse)は
静脈注射で5.3マイクログラム、
(日本産の他種では
セグロウミヘビ1.7 - 2.2マイクログラム、
ニホンマムシ19.5 - 23.7マイクログラム、
ハブ沖縄島個体34.8マイクログラム
・奄美大島個体47.8マイクログラムなど)。
カガシとは日本の古語で「蛇」を意味し、
ヤマカガシは、「山の蛇」となる。
しかし実際には
平地や、山地でも標高の低い場所に生息し、
特に水辺や水田地帯、湿地周辺などに多い。
危険が迫るとコブラのように頭を持ち上げ、
頸部を平たくし、頭を揺すったりし、
この頸腺を目立たせることで威嚇する。
また、それでも相手が怯まない場合、
仰向けになり擬死行動を行う。
それでも相手が怯まない場合は噛みついたり、
相手に毒腺のある頸部をすりつける。
性質は一般に大人しいとされているが、
中には非常に攻撃的な個体もいるため、
注意が必要である。
主にカエルを食べるが、
有尾類、ニホンカナヘビ、ドジョウ類なども食べる。
飼育下の幼蛇の観察例では
魚類は死んでから食べることもあり
頭から飲み込むことが多いが、
カエルは生きたまま捕食し
最初に噛みついた場所から
飲み込むことが多かったという報告例もある。
水田の土中に頭を入れて、
土に潜ったトノサマガエルなども捕食する。
他の蛇からは嫌われる
有毒のヒキガエルも食べてしまう。
飼育下では、ドジョウや金魚の捕食例もある。
捕食者は
シマヘビ、イヌワシ、クマタカ、サシバ、
ノスリ、モズなどが挙げられる。
幼蛇の死骸が
ガムシの幼虫・タガメに食べられた報告例もあり、
このうちタガメの例では
タガメの摂食跡の他に目立った外傷もなかったこと
・タガメは主に獲物を待ち伏せ捕食すること
・タガメ科の別属他種では
ヘビ類も襲う報告例があることから捕食された
可能性もあると考えられている。
繁殖様式は卵生。
秋期に交尾を行う。
7月に1回に2~43個の卵を産む。
卵は30~50日で孵化する。
@サイクルプラザ・イレブン@
●当店ホームページ
https://cycle-plaza-eleven.com
●サイクルプラザ・イレブン・Amazonマーケットプレイス店
http://www.amazon.co.jp
●チャーリー自転車・モバオク!店
https://www.mbok.jp/
●ブログ
自転車屋男2
http://blog.goo.ne.jp/charinko_2008/
よろしくお願いします。
「自転車屋の生き物歳時記」
「ヤマカガシ」
先日の蓬山渓の沢歩きで
逃走する
ヤマカガシを目撃しました。
ヤマカガシ(Rhabdophis tigrinus)は、
有鱗目ナミヘビ科ヤマカガシ属に分類されるヘビ。
有毒。
特定動物。
日本(本州、四国、九州、佐渡島、隠岐島、
壱岐島、五島列島、屋久島、種子島に分布し、
南西諸島、小笠原諸島および
北海道には分布しない固有種
模式標本の産地
(基準産地・タイプ産地・模式産地)は長崎。
全長60~120センチメートル。
頭胴長は55~120cm。
丹沢山地では1972年8月、
全長142センチメートルで
太さが牛乳瓶ほどの個体が捕まったことがある。
体色は地域変異があり、
関東地方の個体群は体側面に
赤色と黒色の斑紋が交互に入る。
関西地方の個体群は体側面の斑紋が不明瞭。
近畿地方西部から中国地方の個体群では
青色型もみられる。
頸部背面には黄色の帯があり、
幼体でより鮮やかで、成長するにつれてくすんでくる。
この黄色の帯も個体によっては表れない。
胴中央付近の背面の体鱗数は19列。
鱗には強いキールがある。
毒は
頸腺毒とデュベルノワ腺(Duvernoy)毒の2種類を有する。
1932年に
咬傷時に出血傾向が見られるなどの
数例の咬傷時の報告例はあったが、
以前は無毒種であると考えられていた。
咬傷時の症状が
ブームスラングと一致すること・死亡例などから、
1974年に有毒種と報告された。
毒牙は上顎の奥歯にあり、
0.2センチメートル以下と短い。
毒腺(デュベルノワ腺)を圧迫する筋肉が無いため、
一瞬噛まれただけでは毒が注入されないこともある。
毒性は強い血液凝固作用で、
血管内で微小な血栓形成を引き起こす。
咬傷直後には
局所的な激しい痛みや腫れはあまり起こらない。
毒が患部から血液に入ると、
血液凝固作用により
フィブリノーゲンが大量に消費される。
フィブリノーゲン、
続けて血小板が血栓の形成に伴い減少することで
全身の血液が止血作用を失う。
並行して血栓を溶かす作用(線溶血性)が亢進し、
毛細血管が多い鼻粘膜・歯茎・消化器官・肺からの出血、
全身の皮下出血を引き起こす。
出血あるいは血栓が原因と考えられている
一過性の頭痛が起こることがあり、
頭痛が発生した場合は
毒量が多いと考えられ重症化する例が多い。
赤血球が血栓で狭窄した血管を通る際に損傷し、
赤血球内のヘモグロビンが血中あるいは
尿に溶出するため褐色尿も見られる。
重症例では
脳出血・急性腎不全・播種性血管内凝固症候群
などを引き起こす。
頸部皮下にも毒腺(頸腺)があり、
頸部を圧迫すると毒が飛び散る。
目に入った場合の症例として
刺激痛や結膜炎・充血・角膜混濁・デスメ膜の線状混濁
・角膜知覚麻痺・瞳孔反応の遅鈍
・縮瞳・散瞳・虹彩炎などがある。
この頸腺の毒は、
餌であるニホンヒキガエルの持つ毒(ブフォトキシン)を
貯蓄して使用していることが明らかになった。
ヒキガエルが生息しない
金華山に生息するヤマカガシは
この頸腺の毒を持たないが、
このヤマカガシがヒキガエルを捕食すると、
この毒を分泌するようになった。
20グラムのマウスに対する
半数致死量(LD50/20g mouse)は
静脈注射で5.3マイクログラム、
(日本産の他種では
セグロウミヘビ1.7 - 2.2マイクログラム、
ニホンマムシ19.5 - 23.7マイクログラム、
ハブ沖縄島個体34.8マイクログラム
・奄美大島個体47.8マイクログラムなど)。
カガシとは日本の古語で「蛇」を意味し、
ヤマカガシは、「山の蛇」となる。
しかし実際には
平地や、山地でも標高の低い場所に生息し、
特に水辺や水田地帯、湿地周辺などに多い。
危険が迫るとコブラのように頭を持ち上げ、
頸部を平たくし、頭を揺すったりし、
この頸腺を目立たせることで威嚇する。
また、それでも相手が怯まない場合、
仰向けになり擬死行動を行う。
それでも相手が怯まない場合は噛みついたり、
相手に毒腺のある頸部をすりつける。
性質は一般に大人しいとされているが、
中には非常に攻撃的な個体もいるため、
注意が必要である。
主にカエルを食べるが、
有尾類、ニホンカナヘビ、ドジョウ類なども食べる。
飼育下の幼蛇の観察例では
魚類は死んでから食べることもあり
頭から飲み込むことが多いが、
カエルは生きたまま捕食し
最初に噛みついた場所から
飲み込むことが多かったという報告例もある。
水田の土中に頭を入れて、
土に潜ったトノサマガエルなども捕食する。
他の蛇からは嫌われる
有毒のヒキガエルも食べてしまう。
飼育下では、ドジョウや金魚の捕食例もある。
捕食者は
シマヘビ、イヌワシ、クマタカ、サシバ、
ノスリ、モズなどが挙げられる。
幼蛇の死骸が
ガムシの幼虫・タガメに食べられた報告例もあり、
このうちタガメの例では
タガメの摂食跡の他に目立った外傷もなかったこと
・タガメは主に獲物を待ち伏せ捕食すること
・タガメ科の別属他種では
ヘビ類も襲う報告例があることから捕食された
可能性もあると考えられている。
繁殖様式は卵生。
秋期に交尾を行う。
7月に1回に2~43個の卵を産む。
卵は30~50日で孵化する。
@サイクルプラザ・イレブン@
●当店ホームページ
https://cycle-plaza-eleven.com
●サイクルプラザ・イレブン・Amazonマーケットプレイス店
http://www.amazon.co.jp
●チャーリー自転車・モバオク!店
https://www.mbok.jp/
●ブログ
自転車屋男2
http://blog.goo.ne.jp/charinko_2008/
よろしくお願いします。