「5月8日(水)」
「自転車屋の生き物歳時記」
「植物編」
「クサノオウ」
先日のトレッキングで
黄色い可愛い花を見つけました。
調べてみると
ヨーロッパ原産の
和名クサノオウと言う花でした。
クサノオウ
(広義の学名: Chelidonium majus)は、
ケシ科クサノオウ属に属する
一年生(越年草)の草本植物である。
本種の和名クサノオウについては
以下の3つの命名由来説がある。
植物体を傷つけると
黄色から橙色の乳汁を滲出するので
草の黄であるという説。
皮膚疾患に有効な薬草という意味で
瘡(くさ)の王だという説。
皮膚疾患以外にも
鎮痛剤として内臓病に用いられたことから、
薬草の王様という意味で草の王である。という説。
また
イボクサ(疣草)、タムシグサ(田虫草)、
ヒゼングサ(皮癬草)、チドメグサ(血止草)
などの地方名があるが、
いずれも皮膚病の薬として用いたことに由来する。
チドメグサの名は
まったく別種の草本の標準和名でもある。
(⇒チドメグサ)
属の学名 Chelidonium は、
ギリシャ語のツバメに由来する。
これは母燕が本種の乳汁で
ヒナの眼を洗って視力を強めるという
伝承にもとづいている。
薬効もあるが、
有毒成分も多く含んでいるため、
目を洗うのは避けるべきである。
種としてのクサノオウ Chelidonium majus は
ユーラシア大陸一帯とその周辺に広く分布する植物で、
ヨーロッパから北アメリカへも移植され
同地にも広く分布している。
日本には北海道から九州まで分布している。
日本を含めた東アジアの温帯域に分布するものは
ヨーロッパ産種の1変種として扱われ
var. asiaticum の変種名が付与されている。
ただ、The Plant List(英語版)では
C. majus var. asiaticum H.Hara は
C. asiaticum (Hara) Krahulc. のシノニム扱いとされている。
草地、林縁、道端などに自生する。
越年草。
前年の秋に散布された種子は
すぐに発芽して根出葉から成るロゼットを形成し
越冬する。
春になると中空の茎を直立させ、
草丈40 - 80センチメートル (cm) 程度までに育つ。
葉は長い柄をもって互生し、
1 - 2回程度で深裂した羽状複葉となって
30 cmまでに伸びるが、複雑な形とも評される。
花期は初夏(5 - 7月)。
枝の先に数個の花を咲かせ、
花は直径2 cm程度の鮮やかで美しい黄色の4弁花で、
稀に八重咲きの株がある。
花姿や色は、大きさに違いはあるが、
近縁のヤマブキソウ(ケシ科)によく似ている。
花蕾を包んでいた毛の生えた2枚の萼片は、
開花と同時に散り落ちる。
長さ3 - 4 cmの莢が上を向いて実る。
莢中にある半球形の種子は黒く、
同じケシ科の植物タケニグサ、
ケナシチャンパギクと同じように
種子枕(エライオソーム)が付着しており、
これに誘引された蟻が餌として持ち帰り、
種子枕を収穫した後は種子部分は廃棄することにより
散布、播種される。
茎葉を傷つけると、
多種にわたる有毒アルカロイド成分を含む、
橙黄色の乳汁を滲出させる。
この乳汁は皮膚に触れると炎症を起すことが多くある。
皮膚の弱い人は植物体も触れると
炎症を発生させる場合があるという。
古くから主に民間療法において
薬草として使用されてきた歴史がある。
漢方ではつぼみの頃に刈り取った
地上部を乾燥させたものを白屈菜と称し、
特にいぼ取りや、水虫、いんきんたむしといった
皮膚疾患、外傷の手当てに対して使用された。
また煎じて服用すると
消炎性鎮痛剤として作用し胃病など
内臓疾患に対して効果がある、ともされている。
しかし胃などの痛み止めとして用いる際には
嘔吐や神経麻痺といった副作用も現れる。
湿疹、疥癬、たむし、いぼといった
皮膚疾患の外用薬としても有効だが、
有毒植物であるために内服用も外用も、
素人が処方なしで用いるのは危険である。
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