天体写真メモ

天体写真を撮る上でわかったこと、気がついたことをメモしていけたらいいかな?

コンポジット

2019-03-23 19:14:38 | 天体写真

もともと天体写真に関するテクニックのメモを残すのを目的として始めたブログなので、天体写真を始めて知った写真に関するテクニックを残そうと思う。

最初はコンポジット。

星の光は昼間は見えない。それは星の光がとても微弱な光なので「昼間の明るさ」に埋もれてしまうからである。夜は「昼間の明るさ」が無いために見ることができるが、星の光が微弱で有ることには変わりがない。

その「微弱な光」を写真で撮るには、

  • 感度を上げる
  • 長く露光時間をかけて光を貯める

のどちらか、もしくはその両方が必要となる。

しかし、感度を上げるとノイズが増える。ノイズが多い写真はザラザラと下感じになるし、更に淡い星雲等の光はそのノイズに埋もれてしまう。

ノイズを軽減することを可能にする技術が加算平均をとる、という技術である。沢山の写真を加算合成して、それを平均することでこのノイズを減らすことができる。

ノイズは、ランダムに発生する。素子上にランダムに発生するため、合成して平均を撮るとノイズは軽減されるのである。逆に星の光は通常必ず同じ位置にある。よって、合成によって微弱なひかりも明確になり、結果的にSN比があがるという理屈になる。

この効果は実際に見てみると明らかである。

まず、1枚の写真から、オリオン星雲の写真の一部を切り出したものである。

かなりザラザラした感じなのがわかる。

これに対して、写真を約100枚加算し平均をとったものが以下である。

ノイズがグンと減り、星雲のコントラストもはっきりしている。

このようにコンポジットはノイズを減らし、コントラストを明確にして、グラデーションを美しくする、天体写真では非常に一派的な手法である。

重要な話題として、ISOと露光時間の調整の話があるが、

大まかには、

 もとの写真のISOがI、露光時間が L、合成枚数がN ならば、

  • iso Iを増やすとノイズが増える
  • iso Iを倍にして、露光時間 Rを半分にしたものを、倍の枚数(2N枚)合成したものはもとの写真とほぼ同程度の画質がえられる。
  • 画質はRxNが同じならほぼ同じと考えても良さそう。つまり画質は総露光時間でほぼ決定するようだ。

 


実践 星を撮る実験 その3

2019-03-02 14:43:34 | 天体写真

先週に引き続きガイドの実験です。

まず、わかったこと。

0. SynScan App Pro での赤道儀認識がうまくいっても、ステラショットからAscomを介して SynScanの接続がうまくいかないことがあったが、これはPCの再起動とかでは治らない。AZ-Gtiのスイッチを切って入れ直すと嘘のように繋がる。

1.  キャリブレーションは「オートガイダーからのパルス送信に対して赤道儀が動いていない、または動きが緩慢になっています。」というエラーで、ほぼ100%失敗する。

2. キャリブレーションの結果を無視して、「ガイド開始ボタン」を押してスタートさせると、

  i) 修正パルスらしきものは出ているが、ゆっくりとズレが広がっていく。

   ii) 10ピクセルぐらいまで広がりズレの広がりが止まる。

  iii) それからゆっくりと今度はズレが減っていく

  iv)  ズレ0~1ピクセルあたりで定常状態になる。その後はズレ幅は振動するが
   ほぼ1.5ピクセルほどの範囲に収まる(ここまで5分程度)

 つまり、5分程度でガイドが安定する(以下ガイドが安定した状況の写真)

 また、その時の設定はこんな感じです。

 

安定したあとはSE2でのガイドと遜色がない範囲に収まるようになるので理屈ではオートガイドは成功・・・ということだけど、実際にはそうならない。

SE2での実績から使用しているガイドカメラで、2ピクセルに収めた場合には、20cm(焦点距離800mm 120秒)でも結構みれる・・例えばD5300 ビット等倍表示は、以下のような感じ。

一応、星は丸になっているし、私にとっては十分という感じ。

これから考えるとD5300で200mm望遠 300秒なら充分点になると予想できるが、実際に写真を撮ってみると、

という感じで何故かかなり流れたり、揺れたりして写る。 う~ん? どうしてだろう? 

82mmで写した場合でも、

こんな感じで、ガイドはうまくいっても星が流れて写る。

20cmの写りから考えると不思議なことこの上ない。

ここで、ふとガイドカメラと写真用カメラの揺れに差があるんではないか?という疑問が湧く。もしそうなら、例えばカメラを取り付けているもの・・・・・ ん? そう言えば、取り付けるところに兄がゴムを挟んだでたな。 まさかとは思うけどこのゴムを外してみるたら?? で撮った写真がこれ。

あれ?? (4枚とっても皆)小さくなった。 もしかして挟んでたゴムが原因??

この時点でもう空は薄明がどんどん進んでいて時間切れ。

撤収の際に、三脚のたわみや、雲台部分のガタとか気になることが結構あったので、次回は揺れやタワミを徹底的にチェックしてみよう。三脚も変えてみよう(実はビクセンの三脚を購入したある・・)・・・