もともと天体写真に関するテクニックのメモを残すのを目的として始めたブログなので、天体写真を始めて知った写真に関するテクニックを残そうと思う。
最初はコンポジット。
星の光は昼間は見えない。それは星の光がとても微弱な光なので「昼間の明るさ」に埋もれてしまうからである。夜は「昼間の明るさ」が無いために見ることができるが、星の光が微弱で有ることには変わりがない。
その「微弱な光」を写真で撮るには、
- 感度を上げる
- 長く露光時間をかけて光を貯める
のどちらか、もしくはその両方が必要となる。
しかし、感度を上げるとノイズが増える。ノイズが多い写真はザラザラと下感じになるし、更に淡い星雲等の光はそのノイズに埋もれてしまう。
ノイズを軽減することを可能にする技術が加算平均をとる、という技術である。沢山の写真を加算合成して、それを平均することでこのノイズを減らすことができる。
ノイズは、ランダムに発生する。素子上にランダムに発生するため、合成して平均を撮るとノイズは軽減されるのである。逆に星の光は通常必ず同じ位置にある。よって、合成によって微弱なひかりも明確になり、結果的にSN比があがるという理屈になる。
この効果は実際に見てみると明らかである。
まず、1枚の写真から、オリオン星雲の写真の一部を切り出したものである。
かなりザラザラした感じなのがわかる。
これに対して、写真を約100枚加算し平均をとったものが以下である。
ノイズがグンと減り、星雲のコントラストもはっきりしている。
このようにコンポジットはノイズを減らし、コントラストを明確にして、グラデーションを美しくする、天体写真では非常に一派的な手法である。
重要な話題として、ISOと露光時間の調整の話があるが、
大まかには、
もとの写真のISOがI、露光時間が L、合成枚数がN ならば、
- iso Iを増やすとノイズが増える
- iso Iを倍にして、露光時間 Rを半分にしたものを、倍の枚数(2N枚)合成したものはもとの写真とほぼ同程度の画質がえられる。
- 画質はRxNが同じならほぼ同じと考えても良さそう。つまり画質は総露光時間でほぼ決定するようだ。