日米秘密情報機関―「影の軍隊」ムサシ機関長の告白
平城 弘通【著】
講談社
(2010/09/17 出版)
内容は以下の通りで、著者(1920年生)が来し方を回顧するもの。
広島高師付属中学では阿川弘之氏と同級だった由。
作文などでは著者のほうが出来が良いと評価され、しばしば先生に作品を読み上げられた(阿川は読まれたことがない)だとか、後年同窓会で講演させた際に大遅刻してきて怪しからんだとか、同期生の会に文藝春秋の編集者とカメラマンを連れてきたのだが(「同級生交歓」欄だね)、その編集者が変な奴だったし同期生も有名人の阿川にすり寄ったのが面白くないだとか、忌憚のないご意見の数々(笑)。
はじめに―日米秘密情報機関は生きている
陸軍士官学校と臨死体験きて
悪夢の支那戦線
日本軍と情報
空襲と敗戦
荒涼たる警察予備隊
自衛隊の頭脳「陸幕二部」
戦車大隊長
ムサシ機関長
痛恨の第二三連隊長
治安出動計画と三島由紀夫事件
四六統合図上演習-禁止された研究の再考
宮永元陸将補スパイ事件
あとがき―情報マンとして生きた九十年の結論
在日米軍と自衛隊の合同の情報機関が云々という部分が出版社としてはフィーチャー(フューチャーではないっ!)したいところのようで、「戦後最大の闇」なのだそうだが、べつに・・・という受け止めの南面堂がヘン?
「そりゃあ、そのくらいのことはやっていたでしょう」と思うんだけどさ。
版元の時代感覚が、冷戦下で社会党が広く支持されて健在だった当時の感覚なのではないのかな?
玄人筋の評価を確認してみんと、
取材を断られてしまったヒト
国際情報誌『ワールド・インテリジェンス』(軍事研究別冊)元編集長・黒井文太郎のブログ
本書『日米秘密情報機関 「影の軍隊」ムサシ機関長の告白』(平城弘通/著、講談社/刊)では、自衛隊で数々の役職を経験されてきた平城さんがかつて所属していた自衛隊の「ある部隊」の全貌を、史上初めて明らかにしたドキュメンタリーです。
『自衛隊秘密諜報機関―青桐の戦士と呼ばれて』
阿尾 博政【著】
講談社 (2009/06/05 出版)
これについても評価を加えている。
ご自身が承知されている範囲と、時期的に転任後のことなので事実関係が確認できない部分をきっちり区別しておられるところが信頼感を感じさせる。
「それは阿尾が話を膨らませすぎているんでないか」と感じておられるとしても、自分が転出した後のことなので何ともいえない、という記述。
閑話休題:
自衛隊では自分の出世に汲々とする輩が多かった旨の記述が目立つ印象なのだが、ご自身に関しても結局は相当強い拘りがあったことが分かる。
内局(文官=背広組)の怒りにふれたことなどから、「昇進・待遇では冷遇された」というのが本書に一貫して通じている強いメッセージといえる。
組織において、それぞれの働きを正当に認めてあげることが如何に大切か、改めて痛感。
とはいえ、全体としての枠の制約のようなものはどんな組織にもあるのだろうから、勢いの強い部門がよい点数を優先して確保して順調に栄進するが、割を食う部門が…というような事が何処でもあるのだなあ。
ばっさばっさと批判している人物なども少なくないのだが(実名の嵐)、著者は今年で90歳ということで、その歳にもなればもう何を言っても許される=ご長寿の特権、かもね。
ご長寿勝ち残り戦の勝者!
人物名・階級や細かい事実関係なども詳細に記載されていて驚くのだが、オーラルヒストリーとしての研究者(院生)によるインタビューを、編集者が再構成したものらしい。
インタビューワーがきっちり確認作業を行ったものか。
貴重な記録というべきものだね。
命あってのものだね。
なんのこっちゃ。
平城 弘通【著】
講談社
(2010/09/17 出版)
内容は以下の通りで、著者(1920年生)が来し方を回顧するもの。
広島高師付属中学では阿川弘之氏と同級だった由。
作文などでは著者のほうが出来が良いと評価され、しばしば先生に作品を読み上げられた(阿川は読まれたことがない)だとか、後年同窓会で講演させた際に大遅刻してきて怪しからんだとか、同期生の会に文藝春秋の編集者とカメラマンを連れてきたのだが(「同級生交歓」欄だね)、その編集者が変な奴だったし同期生も有名人の阿川にすり寄ったのが面白くないだとか、忌憚のないご意見の数々(笑)。
はじめに―日米秘密情報機関は生きている
陸軍士官学校と臨死体験きて
悪夢の支那戦線
日本軍と情報
空襲と敗戦
荒涼たる警察予備隊
自衛隊の頭脳「陸幕二部」
戦車大隊長
ムサシ機関長
痛恨の第二三連隊長
治安出動計画と三島由紀夫事件
四六統合図上演習-禁止された研究の再考
宮永元陸将補スパイ事件
あとがき―情報マンとして生きた九十年の結論
在日米軍と自衛隊の合同の情報機関が云々という部分が出版社としてはフィーチャー(フューチャーではないっ!)したいところのようで、「戦後最大の闇」なのだそうだが、べつに・・・という受け止めの南面堂がヘン?
「そりゃあ、そのくらいのことはやっていたでしょう」と思うんだけどさ。
版元の時代感覚が、冷戦下で社会党が広く支持されて健在だった当時の感覚なのではないのかな?
玄人筋の評価を確認してみんと、
取材を断られてしまったヒト
国際情報誌『ワールド・インテリジェンス』(軍事研究別冊)元編集長・黒井文太郎のブログ
本書『日米秘密情報機関 「影の軍隊」ムサシ機関長の告白』(平城弘通/著、講談社/刊)では、自衛隊で数々の役職を経験されてきた平城さんがかつて所属していた自衛隊の「ある部隊」の全貌を、史上初めて明らかにしたドキュメンタリーです。
『自衛隊秘密諜報機関―青桐の戦士と呼ばれて』
阿尾 博政【著】
講談社 (2009/06/05 出版)
これについても評価を加えている。
ご自身が承知されている範囲と、時期的に転任後のことなので事実関係が確認できない部分をきっちり区別しておられるところが信頼感を感じさせる。
「それは阿尾が話を膨らませすぎているんでないか」と感じておられるとしても、自分が転出した後のことなので何ともいえない、という記述。
閑話休題:
自衛隊では自分の出世に汲々とする輩が多かった旨の記述が目立つ印象なのだが、ご自身に関しても結局は相当強い拘りがあったことが分かる。
内局(文官=背広組)の怒りにふれたことなどから、「昇進・待遇では冷遇された」というのが本書に一貫して通じている強いメッセージといえる。
組織において、それぞれの働きを正当に認めてあげることが如何に大切か、改めて痛感。
とはいえ、全体としての枠の制約のようなものはどんな組織にもあるのだろうから、勢いの強い部門がよい点数を優先して確保して順調に栄進するが、割を食う部門が…というような事が何処でもあるのだなあ。
ばっさばっさと批判している人物なども少なくないのだが(実名の嵐)、著者は今年で90歳ということで、その歳にもなればもう何を言っても許される=ご長寿の特権、かもね。
ご長寿勝ち残り戦の勝者!
人物名・階級や細かい事実関係なども詳細に記載されていて驚くのだが、オーラルヒストリーとしての研究者(院生)によるインタビューを、編集者が再構成したものらしい。
インタビューワーがきっちり確認作業を行ったものか。
貴重な記録というべきものだね。
命あってのものだね。
なんのこっちゃ。