真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

『アメリカはなぜイスラエルを偏愛するのか―超大国に力を振るうユダヤ・ロビー』 (佐藤唯行さん)

2011-04-06 | 読書-歴史
アメリカはなぜイスラエルを偏愛するのか―超大国に力を振るうユダヤ・ロビー
佐藤 唯行【著】
ダイヤモンド社 (2006/11/30 出版)

タイトルに「ユダヤ」が入っている本の中には、怪しい系も少なくないのだが、本書はまとも。
民族的出自がどうのということばかり出てくるのはどうなの?という向きもあるかもしれないが、あえてそこに拘ってみました、というのが本書のミソ。

プロローグ ユダヤ系高官とイラク戦争
第1章 最強のユダヤ・ロビー
第2章 ユダヤを思いやる米国議会
第3章 イスラエル=キリスト教右派同盟の誕生
第4章 ユダヤ人議員の実力
第5章 ユダヤ・マネーの仕組み
第6章 大統領とユダヤ人社会1―F.D.ルーズベルトからジョンソン
第7章 大統領とユダヤ人社会2―ニクソンからブッシュ

巻末に注がしっかり示されているのは良心的で結構なのだが、本文の人物の名前がカタカナだけなのが、さらなる興味にかられた読者にはつらいかも。

カフェ・ムジーク♪
とは言え、読んでいるともう驚愕の実態

映画で学ぶエスニック・アメリカ
これも面白そうで、従来であれば早速予約を入れるところなのだが、我慢我慢…。

ユダヤ人富豪層の募金晩餐会の紹介が興味深かった。
1985年に出版された本に記載されていた、1970年代初めの話であるらしいのだが。

「姓名読み上げ方式」と「玉転がし」がある由。
1.姓名読み上げ方式
・献金額水準別の3会場
・食事と講演の後、勧進元が参加者各人の姓名と前回献金額を大声で読み上げる
・順番は降順(金額トップが最初)
・名前を呼ばれた人物は立って、今回の献金額を公表
・見栄と、同業者や取引先に商売が順調であることを強調する必要性から、献金額が伸びる
・勧進元の人望・影響力が重要

2.玉転がし
・少人数の場合に適用
・司会役がまず自分の多額の献金額を公表し、テーブル順に一人ずつ金額を尋ねていく
・「君の今の羽振りのよさならもっと出せるだろう」などとつりあげたりも
・出席者の懐具合を熟知している人物が司会役を務めるのが重要

いずれも、世話役の人望と影響力が成果を左右する訳だが、人間心理のへの深い洞察にたけたユダヤ人ならでは、だな。
翻って、カイシャなどの営業の現場では、上司が部下に「今月いくらできる?」なんぞと皆の前で訊ねていき、「え?よく聞こえなかったぞ。幾らだって?」とか、「きみの実力でそんな成果では満足できないだろう。当然上乗せできるんだろう」とか何とかいうシーンがあったりする?

ちょっとそんなことを思い出したりも。
ただ、それは目標の設定であり、ポンと出す金額を宣言するのとは違うわな。

宗教系とかではどうなのだろ。
勧進帳の作成過程は如何に?

アメリカ・ビジネス界のユダヤ人の実態

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