どんなときでもユーモアは必須、であるらしい。
絶対絶命のピンチでもユーモアを忘れないというのがいいな、というか凄いな(小説中の話だが)。
印象に残ったシーン、その1:
船団護衛航海中に主軸の軸受けの給油パイプが詰まって潤滑油がいかなくなり、機関停止して修理しなければならないという大ピンチに陥る(なんせ1軸だもんで)。
他の護衛艦は船団の面倒を見なければないので行ってしまい、故障艦はひとり取り残される。
Uボートに見つかれば即アウトという状況(どうぞ狙ってください状態)。
12時間以上かけた機関室スタッフの懸命の修理の間、皆生きた心地がしない。
音を立てないように息を潜めて不安な時を過ごす。
夜中過ぎに艦底からハンマーで金属をがんがん打つ音が響いてきて、一同ぎょっとする。
「あんな音を立てたら見つかってしまうじゃないか!静かにさせろ」と艦長に命じられた士官が様子を見に行く。
機関室に降りて行った士官は、修理作業が大詰めであってその音もどうしても必要なことだと(艦長同様)分かっているが、命令なので注意せざるを得ない。
そこで何と言うか。
「そこらじゅうから潜水艦が顔を出して、うるさいからやめてくれといっている始末なんだ」
…機関科員がどれだけ大変な思いで必死に作業しているのか等々、すべて分かったうえで、役目上言わなければならないことを言う戦士の紳士だわね。
で、無事に修理が済んで船団を追いかけると、船団の後方から忍び寄っているつもりのUボートを見つける。
Uボートは後ろから忍び寄るコルベットに全く気付かない。
まんまと攻撃して仕留めてしまう、という塞翁が馬ものがたり、なのですね。
ま、小説ですから。
その2:
ドイツが降伏して「Uボートは黒旗を掲げて浮上して連合軍艦船の指示に従うように」との命令が出る。
主人公らの駆逐艦(最初のコルベットは沈められて、次に乗り組んだもう少し大きい艦で終戦を迎える)も2隻のUボートの降伏を受理する。
指定海面で浮上した敵艦に近づいた時、「何と言ってやったらいいんだ?」と今までにない余裕の心境の艦長から尋ねられた副長が
「‘リビングストン博士ではありませんか’でもないでしょうねえ」と答える。
原文は、Dr. Livingstone, I presume? という有名な(スタンレーが艱難辛苦の末、ついに目指すリビングストンにめぐり合った際に言った・・ということになっている)言葉。
で、慣用句になっているのですって。
名場面!
Henry Morton Stanley
Uボートの洋上降伏について(英海軍掃海艇の通信兵だった人の手記、でしょうか):
http://www.bbc.co.uk/ww2peopleswar/stories/23/a4029923.shtml
なかには、命令に背いてアルゼンチンまで突っ走りましたという例もあるそうだが、それはまた別の話。
こんな感じ
U-boat surrenders in May 1945(命令に従って黒旗を掲げて連合軍に降伏するU516)
http://www.uboat.net/gallery/index.html?gallery=U516
その3:
これはユーモアでなくて、「やはりシェークスピアが…」という場面。
主人公がめちゃめちゃ美人の女性の司令部要員ジュリー某と恋に落ち、結婚を決意する状況に進む。
が、かわいそうなことに女性(お腹には子が・・・)は事故で溺死してしまう、という悲劇。
艦の改装のためニューヨークに滞在中の主人公は、その知らせを友人からの手紙で知り「オフェリア」を思う。
主人公が愛した美女が溺死!といえば、これなんですねえ:
Ophelia
1851–2, Sir John Everett Millais
まだつづく
絶対絶命のピンチでもユーモアを忘れないというのがいいな、というか凄いな(小説中の話だが)。
印象に残ったシーン、その1:
船団護衛航海中に主軸の軸受けの給油パイプが詰まって潤滑油がいかなくなり、機関停止して修理しなければならないという大ピンチに陥る(なんせ1軸だもんで)。
他の護衛艦は船団の面倒を見なければないので行ってしまい、故障艦はひとり取り残される。
Uボートに見つかれば即アウトという状況(どうぞ狙ってください状態)。
12時間以上かけた機関室スタッフの懸命の修理の間、皆生きた心地がしない。
音を立てないように息を潜めて不安な時を過ごす。
夜中過ぎに艦底からハンマーで金属をがんがん打つ音が響いてきて、一同ぎょっとする。
「あんな音を立てたら見つかってしまうじゃないか!静かにさせろ」と艦長に命じられた士官が様子を見に行く。
機関室に降りて行った士官は、修理作業が大詰めであってその音もどうしても必要なことだと(艦長同様)分かっているが、命令なので注意せざるを得ない。
そこで何と言うか。
「そこらじゅうから潜水艦が顔を出して、うるさいからやめてくれといっている始末なんだ」
…機関科員がどれだけ大変な思いで必死に作業しているのか等々、すべて分かったうえで、役目上言わなければならないことを言う戦士の紳士だわね。
で、無事に修理が済んで船団を追いかけると、船団の後方から忍び寄っているつもりのUボートを見つける。
Uボートは後ろから忍び寄るコルベットに全く気付かない。
まんまと攻撃して仕留めてしまう、という塞翁が馬ものがたり、なのですね。
ま、小説ですから。
その2:
ドイツが降伏して「Uボートは黒旗を掲げて浮上して連合軍艦船の指示に従うように」との命令が出る。
主人公らの駆逐艦(最初のコルベットは沈められて、次に乗り組んだもう少し大きい艦で終戦を迎える)も2隻のUボートの降伏を受理する。
指定海面で浮上した敵艦に近づいた時、「何と言ってやったらいいんだ?」と今までにない余裕の心境の艦長から尋ねられた副長が
「‘リビングストン博士ではありませんか’でもないでしょうねえ」と答える。
原文は、Dr. Livingstone, I presume? という有名な(スタンレーが艱難辛苦の末、ついに目指すリビングストンにめぐり合った際に言った・・ということになっている)言葉。
で、慣用句になっているのですって。
名場面!
Henry Morton Stanley
Uボートの洋上降伏について(英海軍掃海艇の通信兵だった人の手記、でしょうか):
http://www.bbc.co.uk/ww2peopleswar/stories/23/a4029923.shtml
なかには、命令に背いてアルゼンチンまで突っ走りましたという例もあるそうだが、それはまた別の話。
こんな感じ
U-boat surrenders in May 1945(命令に従って黒旗を掲げて連合軍に降伏するU516)
http://www.uboat.net/gallery/index.html?gallery=U516
その3:
これはユーモアでなくて、「やはりシェークスピアが…」という場面。
主人公がめちゃめちゃ美人の女性の司令部要員ジュリー某と恋に落ち、結婚を決意する状況に進む。
が、かわいそうなことに女性(お腹には子が・・・)は事故で溺死してしまう、という悲劇。
艦の改装のためニューヨークに滞在中の主人公は、その知らせを友人からの手紙で知り「オフェリア」を思う。
主人公が愛した美女が溺死!といえば、これなんですねえ:
Ophelia
1851–2, Sir John Everett Millais
まだつづく