真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

アメリカ副大統領 権力への階段 ケイト・アンダーセン・ブラウワー 著 2021/08/30

2022-02-22 | 読書-歴史
アメリカ副大統領 - 白水社
著者のKate Andersen Brower女史は、ホワイトハウス、ファーストレディ、副大統領、元大統領たちといった流れで、現職大統領本人の周辺に焦点を当ててベストセラーを連発してきたという。
目の付け所がいいんでない?
First in Line: Presidents, Vice Presidents, and the Pursuit of Power

Bethesda author Kate Andersen Brower talks about her books, career in journalism

The Residence: Inside the Private World of the White House (2015)
First Women: The Grace & Power of America's Modern First Ladies (2017)
First in Line: Presidents, Vice presidents, and the Pursuit of Power (2018) ←本書
Team of Five: The Presidents Club in the Age of Trump (2020)

インド、パキスタンを専門とする方が訳者なのね。

南面堂は、米副大統領を扱った雑誌記事なども何篇か読んで同僚たちに紹介するなどしたことがあったので、本書に取り上げられた各副大統領のエピソードにも、「あ、それ読んだっけ」というものがちらほらあったのよ。

1980年大統領選で、レーガンがフォードを副大統領候補にとかなりこだわって口説こうとしたが、不完全燃焼だった大統領時代を思って、もう一度大統領をと考えていたフォードが乗り気でなく、色々と「共同大統領制」といえるほどの権限を求めて調子に乗ったが・・・という件は、承知していなかった
最終的にフォードに見切りをつけたレーガンがブッシュ候補(予備選で戦った)に切り替えた。
まあフォードの場合、大統領就任の経緯自体が特殊だった訳で、大統領選に出てもいないで(下院少数党院内総務から)ニクソンのご指名で欠員補充されたからねぇ。

1952年のニクソン(副大統領候補)のチェッカーズ演説
アイゼンハワーは副大統領候補を差し替えようと思っており、テレビ会見を見て自分を支持するならはっきりそう表明して欲しいと懇願するニクソンに、「3,4日待って影響を見極めたい」とのらりくらり。
挙句、放送当日に人を介して「テレビ会見の終わりに辞表提出を表明して欲しい」と幹部スタッフの総意として伝えた件も、承知していなかった。
そんなにひどい目に遭っていたのかディックw
被害妄想をこじらせるようになったのも無理もないね。

1952年アメリカ合衆国大統領選挙
「その後アイゼンハワーの選対本部はこの記事が大統領選挙に与える影響を憂慮し、選対本部の一部はニクソンを副大統領候補から降ろすことや、議員辞職をさせることまでを画策しはじめた」とは書いてあるね。

ニクソンの側近ドイツ人(ドイツ系人)コンビ
ジョン・アーリックマン - Wikipedia(John Daniel Ehrlichman、1925年3月20日 - 1999年2月14日)
ハリー・ロビンズ・ハルデマン - Wikipedia(Harry Robbins “Bob” Haldeman, 1926年10月27日 - 1993年11月12日)
の表記だが、日本の新聞ではジョン・アーリックマンとH・R・ハルデマンと書かれていたと記憶する。
(FENで聞いていた)ABCニュースなどでは、ジョン・アーリックマンとH・R・ホールドマンと呼んでいた。
p200ではエーリッヒマンと表記している~先祖がドイツでそう呼ばれ、名乗っていたかもしれないが、アメリカではアーリックマンになっていたと思う。

オバマ政権でエボラ・ツァー(エボラ出血熱対応チーム総括)に任命されたバイデンの側近(副大統領首席補佐官)Ron Klain - Wikipediaが頻出。
オバマ政権時代のことを著者に色々と語ったことがわかる。
最近は活躍されているのかな?
首席補佐官なんかがあまり脚光を浴びるのは必ずしも正常な状態ではない(トランプ政権では政権内の数少ないまともなオトナのひとりとして期待されて目立った例もあった)。
本人が目立たずにしっかり仕切っているいる状態が正常なのだろうね、実は。

オバマの"SHOOT. ME. NOW"のメモ
2007年、オバマ上院議員(外交委員会初出席)が上院のバイデン外交委員長の長広舌に呆れて側近に「わたしを写してくれ。今すぐに」というメモを渡したというエピソードが崩壊されている(p305)。
写してくれではなくて、撃ってくれなのだよね、これは。
バイデンは話が無駄に長くてたまらんということを著す有名なエピソードであって、shootには写真を写す意味の場合もあるが、銃で撃ってひと思いに
「・・シテ、コロシテ」なのだった、この場合はね。
WATCH: Obama's Note To Aide During Biden Speech: "SHOOT. ME. NOW."

えーと、どれが誰だっけ?はここ(断片しか映っていない人物も「黒髪の一部が映っているだけの人物」などとw)
Killing of Osama bin Laden - Wikipedia

ペンス前副大統領(徹底的にトランプの忠犬としてご活躍も、最後に良識を示した?)が浪人時代にラジオの番組を持っていた件、こんな感じ。
Mike Pence Radio Show May 23, 1997

2021年1月6日に、もしペンスが議事堂乱入暴徒に捕まっていたら、本当に絞首台にぶら下げられていたかもしれないので、トランプの呪縛から逃れて正気を取り戻していることが望まれるわね。
正気でない人も少なくないけど。

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