真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

『民主党代議士の作られ方』は、Election Campaigning DPJ Style かな

2010-03-10 | 読書-現代社会
新潮新書
『民主党代議士の作られ方』
出井 康博【著】
新潮社
(2010/01/20 出版)

この連載のことは知っていたのだが、
衆院選「候補者A」かく闘わんとす
是非毎回読もうという気にはならなかった。

理由1:タイトルに違和感
(同時進行で実名を出すわけにはいかないと理解するものの)候補者AやBでは迫力に欠け、毎回読もうという気にならなかった。

理由2:「闘わんとす」が気に入らなかった。
「これから闘う」という意味でしょ。

「敵艦隊見ユトノ警報ニ接シ聯合艦隊ハ直チニ出動、コレヲ撃滅セントス。本日天気晴朗ナレドモ浪高シ」にもみられるように、「これからやろうとする」でしょう。
連載の内容は、まさに闘いの様子そのものではないか。

「何々せんとす」を辞書でどう引けばよいかというと:むとす

という訳で、時々ちらりと読むだけだったのだが、本になったのを読んでみて、その良さが分かった。

カーティス大先生の古典的名著に迫る?
21世紀の「民主党代議士の誕生(エレクションキャンペイニング 民主党スタイル)」だわな。
「作られ方」というタイトルからは、黒幕がいてそのヒトの指示で作られるのかと思ったら、そんなことはなかった。

オザワ氏に近い候補者?(特に注力する候補)の場合は、秘書が送り込まれて密着指導したようなので、まさに「作られた」といった按配なのかもしれないが、候補者AやBはそんなことはなかったようだな。

『代議士の誕生』(1971年ジェラルド・L.カーティス)の観察対象は、1967年の選挙か…。
古典的名著~日本語を流暢に話す外国人が有利である(かもしれない)こと

秋刀魚の季節に秋刀魚がタイトルになった本を~『政治と秋刀魚――日本と暮らして45年』

新潮新書『松下政経塾とは何か』2004年
の続編とも言えそうかな。

候補者A、同Bは、ともに政経塾出身者だし。
9期生と23期生か。

しかし、両方とも当選したとは、すごいな。
「落選しました」では、本にしても売れないだろうから。

候補者A:市村 浩一郎(いちむら こういちろう、1964年7月16日 - )
候補者B:神山 洋介 (かみやま ようすけ、1975年5月24日 - )

2期目と新人の扱いの差なども興味深い?
だれか、Bももっと詳しく書いてやったらどうなんだ・・・。

空中戦、地上戦というのが興味深かった。
空中戦だけでは当選できない。地上戦は大切。
候補者Bが家族や年配の支持者の支援を得て、コツコツと地上戦を展開する様子が生き生きと描かれている。

第25話 非世襲議員の地盤作り
"空中戦と地上戦:概して民主党の若手候補は、街頭に立って名前や顔を売る「空中戦」は得意でも、個別に支援者を開拓する「地上戦」は苦手とされている。だが、Bは人手と時間をかけて地上戦を挑んできた。"

親から「借金」したが、使い果たしてしまった由。
もらう(贈与)わけには行かないという常識があり、借り入れたのだろう。
浮世離れしたハトのケースとは違うわな(苦笑)。

最終回 鳩山内閣を生んだ選挙の「5つの要らない」
外国研究者の観察と違い、しっかり提言していて流石。

出井氏関連:きみは「日本から来た救世主(メシア)」中根中を知っていたか

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