真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

『強権と不安の超大国・ロシア―旧ソ連諸国から見た「光と影」』(廣瀬陽子さん2008年)

2011-02-10 | 読書-現代社会
光文社新書
強権と不安の超大国・ロシア―旧ソ連諸国から見た「光と影」
廣瀬 陽子【著】
光文社 (2008/02/20 出版)

プロローグ―旧ソ連からロシアが見える
1章 反ロシア精神、旧ソ連ノスタルジーの噴出
2章 「未承認国家」という名の火薬庫―ロシアと旧ソ連の係争地
3章 ロシアのKGB的体質
4章 知られざる親日国家群
5章 日本はロシア、旧ソ連諸国とどうつきあうべきか
エピローグ―強いロシアとプーチンのゆくえ
参考資料集

先日読んだ同じ著者の同じ年発行の『コーカサス 国際関係の十字路』に比べてはるかに読みやすいのはなぜだろう。
コーカサス…で予備知識を得ていたからか、本書のほうがご自身の体当たり体験の数々がルポ的にも記載されているからか。
ジャーナリストだとかいって旅行中の色々な体験だけでも十分本になると思えるのだが、それは研究の合間のちょっとしたエピソードにすぎない・・・。

さらりと。
うーん、涼しい顔して只者ではない感・・・。

SYNODOS JOURNAL
廣瀬陽子|旧ソ連地域研究

「旧ソ連」レポートは命がけ~『強権と不安の超大国・ロシア』
廣瀬陽子著(評:荻野進介)

辛口コラムさん
カフカスの南に蟠踞するイスラム系民族の情念と愛郷精神、キリスト教系との対立。
ロシアへの怨念とイスラム・スーフィズムに、果てしなく興味を惹かれた


廣瀬陽子『強権と不安の超大国・ロシア』 宮崎正弘 | 杜父魚文庫ブログ
手に汗握る旅行のなかの危険。ミステリアスな人々。女性の単身旅行では、物騒で、治安のわるい地域ゆえ、学究専門家でなければ、とても観察に赴く気力も起きない場所ばかりで、その知的で冒険的な観察行にまずは乾杯

名越 健郎さん2009年2月23日
石油資源を持ち、地政学的要衝にあって注目を集めるアゼルバイジャンの知られざる歴史、民族、政治、経済の実態を多角的に紹介。大学の上質な講義を聞いた感じだった。

ちなみに、名越さんといえば、『ジョークで読む国際政治』(名越健郎2008年)の著者でもあり、ロシア語遣いとして著者の大先輩にあたる…。

著者は1970年代(1972年8月11日)生まれだそうなので、「ザ・ピーナッツ」(1975年引退)は知らず、アゼルバイジャン人に教えてもらったというのが愉快。
こんど来る時にCDを持ってきてくれと頼まれ、「だれ?それ」みたいな?
(4章)

2005年にはこんな本も書かれているらしい。
お堅い編と新書の普及版(本書)に役割分担したものか?
廣瀬陽子『旧ソ連地域と紛争──石油・民族・テロをめぐる地政学』(慶應義塾大学出版会、2005年)

役人の賄賂要求といえば、南面堂も東南アジア某大国の、独立の父ら(複数名)の名を冠した空港のイミグレーションで賄賂を求められたことを思い出す。
隙ありと見られたことが悔しくて、断固拒否したんだが(もし払ったら領収書出せるのか?用紙を見せてみろよ!とか何とか言ってごねて断念させた)、実は危なかったかも。
1980年代のことだが。

それと、ソ連=ロシアという感覚が日本の人々の間で強くて…というのは実感。
一例として、「大鵬親方のお父さんはロシア人」というのがある。

じつはそれは不正解で、ウクライナ人が正解。
ところが、
ソ連の人だったのです(これは正解)
⇒ソ連はなくなってロシアになった(これ間違い)
⇒だからロシア人
というステップだと思われるのだが、どすこいそうではない。

<別件>
そうだったのか。
秋野さんの記念事業はもう終わりました、と。
まあ、そのおかげで在外研究した著者のような方々が活躍されることで、十分に名は残ったと考えるべき?

国連大学秋野豊記念事業

秋野豊氏追悼ページ

南面堂はね、秋野さんと直接お話ししたことがあるというのがミーハー的じまん(かな書き)で。
「ハグリッドのイメージかも」(大型バイクでどどどっと・・・なんだもん)と思ったので、ハリポタは本が出て映画がまだという時期だったか・・。

<内容の紹介は既存の要領よくまとめられているブログへのリンクで済ます。読んでどんなことに思考が飛んだか、連想・妄想…のメモが、毎度のことながら当店の…>

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