置かれた場所で咲く

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鈴木惠子先生「を」学ぶ

2023-03-30 22:08:16 | 子ども観
【鈴木惠子先生「を」学ぶ】
今までの幾多もの出会いがわたしの人生を創ってきてくれましたが、25日の出会いは間違いなく、わたしの人生観の変革を起こしてくれたと確信しています。

小学館の白石さんが企画された、鈴木惠子先生のセミナーに参加しました。

人の生き方は、その人が纏う空気と表情でわかります。 

毎日難しいこと考えている人は、額に皺が寄る。
毎日面白いことを探している人は、目尻に皺が寄る。
口角と頬は日常での発話数、口の動かし方や食事で変わってきます。
年齢を重ねるほど、生き方は空気と表情に出るのです。

鈴木先生の第一印象は、真っ直ぐな生き方をしている方。
伸びた背筋と柔らかい表情、初対面にもかかわらず自分を開きたくなる空気を纏った方でした。

でも、講座を受けてわかりました。
真っ直ぐな生き方どころではない。
どこまでも貫く方であり、厳しい方であり、恐ろしいほど言を成す方。
そして、人の心の痛みを人一倍感じ取れる方。

授業ビデオ。
詳細は語りませんが、約30年前に8ミリで撮られた映像から溢れる子どもたちの熱量に、頭を殴られるような衝撃を受けました。

鈴木先生の視線の先にあるのは、話し手でもねらいでもないのです。
「その子」が発した言葉を聞き手の子どもたちがどのように受け止めているか。
授業は「子どもがつくる」ことをとことん貫く姿がそこにありました。

そして、そのあとの講座。
わたし自身のことで恐縮ですが、今までとことん問いにこだわって授業をつくり、講座をつくってきました。
質の高い問いこそが、思考を深めて世界の見え方を変えると思っていたからです。

でも、授業ビデオを拝見したあとの講座では、今までにない体験をしました。
鈴木先生はわたしたちに、問いを投げかけることはほぼありませんでした。
先生の口から出てくるのは、6年生の1年間の子どもたちの事実だけ。
それなのに、聞けば聞くほどわたしの思考は深まり、記録するペンは全く止まりませんでした。
もちろん、逐語録ではありません。
わたしの思考が止まらないのです。

講座中に記録したノートは13ページ、そのあと書いたリフレクションは3ページ。
先生が語られた、授業や日常の中で子どもたち同士が心を紡ぐ姿はまさに、合科的な道徳教育でした。

さらに、その圧倒的な子どもの事実の中に出てくる鈴木先生と、エピソードに基づいた鈴木先生のお考え、そして質疑中の質問に答えてくださる鈴木先生。
全てにおいて見える、恐ろしいほどの一貫性。
これほどまでぶれない方がいるのだという衝撃に震えました。

わたしがこの講座で学んだのは、枝葉のスキルでも方法論でも学級づくりでもありません。
純粋に目の前の子どもたちの幸せを願い
子どもたちのもっている力の大きさに敬意を表し
そんな子どもたちのすべてを最大限に引き出そうとする
「鈴木惠子」先生という人、そのものでした。

もちろん今まで、そのときできる最大限をやってきたけれど、それでも自分の子どもたちへの向き合い方に対する問いは残りました。
わたしが今まで使っていた「覚悟」「理解」という言葉と、鈴木先生から見えた「覚悟」「理解」、その言葉の背景の厚みには、天と地ほどの違いがありました。

同時に
WBCで大谷選手が語った「憧れてしまったら超えられない」。
7つの習慣でコビ―が語る「全てのものは2度つくられる」。
これらの言葉を思い出しました。

鈴木惠子先生、そして同じ会場でお会いした、繋がりある素晴らしい先生方。
全ての出会い
同じ場で学びを深められたこと
心から感謝しております。

そして
わたしは必ず、あの日描いた子どもたちの姿を、自分の目の前の子どもたちの姿として実現させます。

子どもの「好き」と「こだわり」に好意を寄せる

2023-03-26 14:02:39 | 子ども観
伝説の教師、鈴木惠子先生のセミナーに参加させていただきました。
そのときの所感はまた改めて書きます。
鈴木先生のセミナーを受けた翌日、Facebookで川上先生のこのような記事を見つけました。

”子どもの「好き」と「こだわり」に好意を寄せる”

1月から受け持っている特支の子たち。
あぁ、そうだなぁ。
納得。
と思えるところがたくさん。
備忘録。

「発達につまずきのある子どもと関わる際に行き詰まりを感じたら、まずはその子が好きな人や好きなことについて理解し、それを共有することから始めてみてください。」

「そのきっかけや理由を知り、理解を示すことが大切です。」
「なぜなら、人は自身のこだわりや好意を寄せてくれる人に対しては心を開きやすくなるものだからです。」
「子どもたちとの豊かな関わりは、そこから始まります。」

「子どもたち一人一人の「好き」が理解できたら、次はそれぞれの「安心」のつくりかたにも興味をもってみましょう。大抵は、その子がこだわっていることの中に安心のヒントが隠されています。」

好きと安心の理解。
好きへの理解は今まで意識してたけど、安心への理解は意識が薄かったなぁ。
こだわりから安心を見つける。
感情が波打つところを波打たないように押さえるのではなく、穏やかに過ごせる場所を探す。

やっぱり特別支援学級は個別最適な学びの最先端です。
川上先生、いつもたくさんの学びをありがとうございます。

ふわっとした教育

2023-03-23 22:06:22 | あたし的教育論
昨日は書籍2冊を一気読みした。
ふわっとした言葉で綴られる、でも心動かされる言葉たちと、子どもたちの姿。
教育は子どもたちの姿で確かに語られるべき。
でも、なぜ子どもたちがこんなに動くのか、ちょっと見えないかった。

著者の方はとても魅力的だと思うんだけど、教育についてどこまで精通しているのか、正直まだ見えない。
言葉で操っているようにも見える。
(悪口ではありません笑)

ふわっとした言葉ではなく、子どもの事実、子ども自身の学びで教育を語りたい。
そんな人になれるよう、日々之努力也。

学級づくりを構想する

2023-03-22 21:28:03 | 道徳科
学級づくりの本を読んでいます。

学級づくりについては、昔から様々な書籍が出ているし、様々な手法が語られています。
でも、形にとらわれるのではなく、底に流れる思想を見ること、手立ての目的を見極めること、自らの目的を自らに問うことだと思っています。

子どもたちを、自分の自己実現のための道具にしてはいないだろうか。

どのような学級集団をつくりたいのか。
なぜ、そのような集団をつくりたいのか。
ここを明確にしなければ、技に溺れ一貫性が失われ、子どもたちとの関係や子どもたち同士の関係にも歪みが生じると思っています。

渡辺道治先生の学級づくりの特徴は保護者参加型。
保護者からの感謝の手紙、教育に対する本気さが子どもたちにも伝わり、通信を通しての交流が保護者の間でもよい影響を生み、それが教師にとっても活力となる。

道徳のタイプは、生活創造型。
ほかの先生方の経営についても、目的を分析してみよう。

そしてもう一度、自らの目的意識を整理したいと思った夜でした。

古書から受けたカウンター攻撃

2023-03-20 22:54:05 | 古書を読む
明日の読書会で使う「初等教育原理」を読んでいるのだが
結構衝撃的なことが記されていた。

「個性的思考を把握する3つの着眼点」

① 論理の追究のなかで見える盲点をみる
 それがその人の急所である。
 例えば、急に怒り出す人→そこは突いてほしくないから怒りが湧いてくる

② ピンチに陥ったとき、その人がどう振る舞うかを見る
 発問によって中心概念を示したり揺さぶったりすることで個性的思考が見えてくる

③ 言動を手がかりに、概念や経験を探る
 幼児期の経験などは、その子の個性的思考をつくる核となっていることが多いので、言動から概念や経験を探ることができる
 こちらの受け止め方と子どもたちの言動、作文、質問に対する答えを統合して見る。その見方が全てだとは思わずに、②とも統合して見る。

これ、子どもに限らず普段人と接するときの3つの着眼点だと思った。

①が痛すぎる。
年齢を重ねるほど、弱点の把握には痛みを伴うことが多いし、逃げたくなる。
でも、そこを明らかにすることで、意識して鍛えることで、人はその人自身を輝かせることができるんだって、そんな事実を突きつけられた。

わたしは、大人と話すときに若干の緊張を伴ってしまう。
(自分も大人なのに笑)
場をつくる、話をつくる、空気をつくることに苦手意識がある。

どもる、発想が滞る、言葉が、具体的な名詞が出てこない。

ただ、少しずつ少しずつ、それらは改善している気がする。
無意識ではなく、意識化することで鍛えられるなら
痛みを伴うとしても、その言葉に耳を傾けて
自分を鍛えていきたい。

③は、日常でよくやっていること。
その人を「今」で見るのではなく、時間軸でみる。
理解できない人ほど、過去に何か悲しい出来事や経験があったのかもしれないと探る。
「人」に人として寄り添うこと。
これは、道徳の教材における読みでも同じだと考えている。

続けよう、これからも。

この書籍との出会いに感謝。
重松鷹泰先生に、心から感謝。