「フル走るんだから、10キロの大会なんて楽勝でしょ?」「ふだんの練習でいつも10キロ以上走ってるんだし?」
私もかつては、そう思っていたよ。とんでもない思い違いだったんだよ。正直に言おう。参加者の少ない、10キロマラソン大会は、きつくて苦しいと。
12月初旬。一気に冷え込んだ。出店していたカサデロサTさんに、今年は抜かりなく海鮮パエリヤの予約を頼み、三線仲間のO君親子マラソンを見送り、自分もスタート地点へ。11時20分、10キロの部、号砲。スタートからいきなりダッシュで始まる。人数が少ないのでばらける。これがフルマラソンだったら、みんなのんびりゆったり走るのだが・・・
4キロ過ぎ、国道50号バイパスへ。このバイパスは歩道が狭いというか、ないに等しい。歩行者が入れるような道じゃないの。そして車道のど真ん中を走るのはテンション上がるしかないね!アップダウンもあり見晴らしが良い。最初の坂道を上っていると、私の斜め前を走っていたおじちゃんが、いきなり横向いてペッ!とつば吐いた。げぇえええええ!私の足に引っかかったじゃん!きったねーーーー!そのおじちゃん、数メートルおきにつばを吐く。何なん!?そのおじちゃんの斜め後ろは、いかん!だが、どうやら走り慣れてると見えて、速い。悔しいが抜くのは無理と考え、そっと後ろに下がる。
折り返し地点。最後尾を守る自転車スタッフが近い。あかん、気を抜いたらビリだ。だが、坂のアップダウンが何度も続く。スタート時のダッシュのまま、スピードを落とせない。苦しい。が、ふだん走れないこのバイパス!何度もついつい、ひゃっほー!と浮かれて叫んでしまいます。2度目の折り返し地点は、坂を下ったところにあり、すぐに上るようになっている。下ったときのGがかかって、いちばんキツイ。そこに応援の方々の声援が一段と力強い。うれしい。6キロ地点。ペッ!のおじちゃんに追いついた。抜く!
7キロ地点を過ぎ、バイパスからもと来た道へ。応援の元気な男の子にハイタッチ入魂してもらう。周りにランナーさんほとんどいない。もしかしてビリから2、3番目くらいなんじゃなかろうか。私的にはダッシュなんだけど、もともとスピードがない亀ランナーだからなあ。めっちゃ元気なお兄さんが、歩道を猛スピードで走りながら「がんばれ!」と応援してくれる。追いつこうとしたがあっさり離されたー!てか、エールを送りながら猛スピードで何往復もしてる!?
沿道の応援の方々の「あと1キロ!」「がんばれ!」の声援をいっせいに受ける。私ひとりで!周りにランナーさんいないんだよ!スター気分を味わうよ!
1時間04分02秒、ゴールイン。
青いゴールゲートをたったひとりでくぐったんだよ。
取り置きしてもらった海鮮パエリヤと、サービスのキムチ汁は、絶品でした。
認めます。私は、ばかです。学習しないバカです。もう二度と走るもんかと誓った地獄なフルマラソン何回目だよ!もう7回目だよ!ばかっ!なんでエントリーしちゃうんだよ!しかも、来年のおきなわマラソンもかすみがうらマラソンもすでに、どっちもフルでエントリー済みだと!バカも休み休み言え!ばーーーーかーーーー!!!
この夏、暑すぎてまったく走れなかった。9月になってからもやる気なく、10月の松島ハーフマラソンも走らなかった。山にも登らなかった。10月も末になってから、ようやく10キロ走、17キロ走、23キロ走、30キロ走、と少しずつ距離を増やした。とりあえず本当に最低限の練習メニューはなんとかぎりぎりこなした。夏に走らなかった分、体重も2キロ増やしてしまった。フルマラソンの一週間前から酒断ち、なんとか1キロは戻した。
そして、つくばマラソン当日。いつもどおり、職場の駐車場へ7時過ぎに到着。気温3度、寒い。おトイレを済ませ、会場へ。去年は、会場内のトイレにバッグを忘れるという大失態。今年は忘れ物なし。余裕だ。だけど、会場についても誰も知ってる人に会わなくて寂しい。いつもは誰かに会うのに。荷物を預けて、またトイレを済ませたら(朝はトイレが近いの)、もうスタート時間。第五ウェーブ、9時20分、号砲。今日は気温が上がる予報のはすだが、まだ寒い。最初のランナーたちが脱ぎ捨てたカッパをもらおうか、真剣に悩んだ。でも、大人数の真ん中を走れば、なんとか寒さを凌げそう。大学構内を流れのまま走り、平塚線に入ると、給水所の準備をしているボランティアさんの中にM夫妻発見!今年も会えてうれしいな!やっとテンション上がり、そのまま坂を上ってくだり、西大通りへ。あきらかに練習不足のうえ、体重増加で体が重い。完走が望める状態じゃないけれど長距離走の練習、と思って、走れるところまで走る所存でございます。とかなんとか、だらだら頭の中で思ってたら、いつのまにか14キロまで走ってた。左ひざ、痛みが出てるからそろそろストレッチしましょ。ランニングタイツがずれてたので、ひっぱって直しましょ。そして、さあ、走りましょ。
ウェルネスパークを過ぎ、南へ戻る。淡々と走る。気温が上がってきて、暑い。長袖インナーとTシャツでちょうどよい。スタート地点のカッパ、もらって来なくて良かった(;'∀')20キロ地点あたり、芝生の畑。応援の方々?スタッフの方々?寝転がってる!今日は小春日和だもんなぁ。てか、うらやましーい!
後ろから、M高史さんが、走ってきて、「ナイスラン!」と声かけてくれた!淡々とだらだらと走ったり歩ったりだけど、モチベーションアップ!ガマの油のバルーン仮装をした人発見。写真に撮らしてもらった。
25~27キロ地点。去年はこの辺で嫌になってたなぁ。今年は練習不足だからLSDと割り切ってのんびり淡々と歩きも交えて走ってるせいか、それほどまだ辛くないみたい。ふと我に返って冷静に考えてみると、ウェルネスパークからジョイフル山新までだよ?すごい距離なんだよ?TXの高架下をくぐり、研究学園駅方面へ。沿道の方が甘酒をごちそうしてくれた。
30キロ地点。応援の方が、「あと12、3キロ!がんばれー!」と叫んでる。ランナーたち、いっせいに噴き出す。あ、あのよぉ、12、3キロって結構な距離だよぉ?思わず突っ込む。でも、フルマラソンの3分の2が終わったということだ。残りは3分の1だ。
ここまで来たら、もうリタイヤする気はない。34キロ地点。おしるこをごちそうになった。35キロ地点、関門時間も余裕がある。西大通りにふたたび戻ってきた。時々、ふくらはぎにピキっと何かが走る。痛みはないけど、つる前兆かもしれない。ストレッチをこまめに入れる。36キロ地点を過ぎ、西大通りから筑波大学へ通じる平塚線へ。沿道の声援が「がんばれー」から「お帰りなさい!」に代わる。うれしい。そして、お腹空いた。給食にパンが出るって言ってたけど、見てないよ?きゅうりとみかんとブルーベリーとバナナ、食べたけど、お腹空いた。沿道の応援の方がバナナとチョコをいっぱいくれた。ありがとうございます!給水ボランティアしているM夫妻の応援とメープル飴をもらい(これ旨い!)、筑波大学へ。沿道の方々の声援が、いっせいに、「おかえりなさーい!」
大学構内の折り返し地点が、地味ぃーーーーーーーに長い。41キロ地点。坂の手前にロッキーのテーマが。ロッキーおじさん!!!よし!がんばるぞ!坂を上るぞ!上って下ると、職場の同僚のSさんが待っててくれた!10キロの部を走ったとのこと。
スタート地点を通り過ぎ、角を曲がってゴールが目に入る。グラウンドに入り、黄色と白のラインのゴールゲートのアーチが青空にくっきり浮かび上がり、ぐんぐんと迫ってくる。長かったけど、今回LSDのつもりだったからさぁ、別にさぁ、完走なんてさぁ、タイムなんてさぁ、気にしてなかったんだからね!、、、、ぐすっぐすっ、、ぐうええぇぇぇえええええええーーーーー
5時間45分33秒、ゴールイン。
46歳女子、ギャン泣きでゴールしたのであります。