高校と大学7年間の間に、数は少ないけれど、ショパンのピアノ曲を弾きました。
色々な作曲家はいますが、特にショパンのピアノ曲は沢山の人々に愛されています。
「女声合唱団風」の指揮者の言われたキャッチフレーズ
「かたることばが歌になる風になる」のように、人々の心の中に
優しい風のように吹き込んできたり、時には力強く語りかけてくれます。
5年に一度、ポーランドのワルシャワで開催されている
「ショパン国際ピアノコンクール」は、2015年に開催された後
1年3ヶ月延期され今年10月3日からワルシャワで始まりました。
ノクターンや、マズルカ、バラードから、スケルツォからなど
弾く曲の課題があり、リサイタルを開催するようなプログラムを
休憩なしに1時間近く弾き続けるピアニストの方たちの、集中力と体力に
感服しますし、審査員の方がたは、延々と聞き続けておられて
予選が進んでいくと、ドンドン優秀なピアニストさんばかりになり
選考するのはとても難しい事だろうと思います。
第一次87名から第二次に進むのは45名で
現在二次予選に受かったのは23名。内日本人は
小林愛実(こばやしあいみ)さん・1995年山口県出身。
進藤実優(しんどうみゆ)さん・2002年愛知県出身。
角野隼斗(すみのはやと)さん・1995年千葉県出身。
反田恭平(そりたきょうへい)さん・1994年札幌出身(東京育ち)
古海行子(ふるみやすこ)さん・1998年神奈川県出身の5名です。
古海行子(ふるみやすこ)さん・1998年神奈川県出身の5名です。
他の国の方で通過されたのは
地元ポーランドは6名、イタリア3名(内1人はスロベニア人)
カナダ2名(内1人は中国系の人) アメリカ2名(内ロシア/アメリカ)
スペイン1名 ロシア1名 韓国2名 中国1名で
日本人5名というのはかなり凄いことで誇らしいですね。
12歳の時にデビューされた牛田智大(うしだともはる)さんは
2011年(第12回)と2012年(第13回)で(12歳、13歳)で
「ショパン国際ピアノコンクール in ASIA コンチェルトB部門」
金賞第一位(大会部門史上最年少)を受賞されていますが
今回二次で落選されて残念なことでした。
この大会では、ピアノを選ぶことが出来て
公式に使用されるのは、スタインウェイD-274、ヤマハCFX、カワイEX
以前使われたベーゼンドルファーやベヒシュタインは使われず
イタリア製のFazioli(ファツィオリ)という最近の新しいピアノがありました。
このピアノはとてもクリアで明るい音色がします。
サイトから画像をお借りしました。
何人ものピアニストの、どの方も独自の音楽の世界を持っていて
遺憾なく披露されていてうっとりしますが、ピアノから
どれだけ美しい音色(ねいろ)を紡ぎ出すかではないかと痛感。
予選を通過された方からは、ご自分が選んだピアノで
聴く者を魅了する響き、音色を醸し出しています。
ピアノ選びはかなり重要で、色々な演奏にマルチと言われている
スタインウェイ(創業者のヘンリー・E・スタインウェイ) を選ばれる方が多く
you tubeで聴いても、一音一音のクリアな音色がホールに広がり
演奏する方の思いを代弁していて、このピアノが多くの方に好まれる所以が
よくわかります。
一般的なスタインウェイのピアノ
私などが言うのはおこがましいですが、牛田さんの一次の演奏を聴かせて頂いた時
ヤマハのピアノを使用されていて、このピアノも凄く良いピアノですが
音がクリアではなく(演奏者に寄るのか)、違いが明白と言った感じがしました。
あくまで私感です。
昔はヤマハよりピアノとしては落ちると言われていたカワイのピアノ。
SHIGER KAWAで
そして、イタリア製のFAZIOLUというピアノで弾かれた
BRUCE(XAOYU)LIUというカナダの方。
中国系ピアニストの方の音が、ものすごくクリアで軽やかで
清々しい空を飛んでいるような清涼感に包まれて、カワイのピアノ凄い!と
感服でした。
演奏が終了するとブラボー!の声が。
反田恭平(そりたきょうへい)さんは皆さんよくご存じですが、存在感が半端なくあって
音も繊細さや野太さなど自在で、マエストロという貫禄があります。
角野隼斗(すみのはやと)さんは、ショパンをイメージしたような
フワフワとしたヘアスタイルで、華奢ではないけど優しく繊細な音が印象的。
そして、何と言っても圧巻だったのは進藤実優(しんどうみゆ)さん。
19歳とは思えない堂々としたスタイルで、音がクリアで豊か。
中学卒業後はロシアに留学して研鑽を積まれてきた方です。
ご自分の世界を繰り広げてホールを席巻していました。
それぞれの画像はお借りしました。
日本人のピアニストさんたちに、ファイナルでの栄冠が輝くのを祈っています。
蛇足ですが、ショパンのバラード2番Op.38(作品38)FDur(ヘ長調)は
高校の卒業試験および大学入試で弾いた作品で
この曲を参加の多くのピアニストさんが弾いていて
かっこいいフィナーレ部分の、和音の連打音に難儀したことやらを思いだしました。
一番最初の8分の6拍子の、嵐の前の静けさみたいな静かなイントロ部分を
10代後半の年齢では表現できなかったことを
今の自分だったらこう歌うだろうなぁと思いながら
年月を経て得たものの重要さもしみじみかみしめながら
コンクール期間を楽しませてもらっています。
追記。
15日ライブ演奏の古海行子さんのthird round 演奏聴きました。凄かった!
音がきれ~い!! 会場を包み込んでいました!
ますます日本人の方々の今後の結果が期待されます。