これまで、これほどショパンの作品ばかりの、色々なピアニストの方の演奏を
聴き比べるなどと言うことはなかったので
日頃気になっているピアノの音色(ねいろ)について考えさせられ
大いに耳の鍛錬をさせて頂きました。
コンクールの審査基準が色々取り沙汰されていたりしますし
また沢山の最高級のピアニストさんたちの演奏では
結局、審査員の好みということにもなるのかと思います。
さて、6位のJJ.JUN LI BUIさんから
優勝されたBRUCE (XIASOLYU)LIU さんたちWinnersの方々の
全員がFAZIOLIのピアノでという演奏です。
これまでにも書きましたが、このピアノはイタリア製で
非常に明るい音色で開放的な空間が広がります。
スタインウェイとは違い、表現が適切ではないかも知れませんが
私には開けっぴろげな感じがします。好みは色々かと思いますが
このピアノでご自分の良さを表現できるかは
とても難しいだろうと思いました。
審査員の先生がた。
受賞者の方々。
小林愛美さん。
反田恭平さん。
反田恭平さんは、予選での挑戦では、ダイナミックな箇所も細心の注意をしながら
スタインウェイのピアノで、きめ細やかで自由な歌いまわしの
ショパンの音楽の世界に引き込む演奏をされました。
また、小林愛美さんは、3次の時のプレリュードで聴いた
静寂とパワフルな世界を作り上げられていましたが
Winnersの演奏では、お二人の音が時々、少し爆発的な音に聞こえたのは
このピアノの音質だからでしょうか。
やはりスタインウェイはマルチで、個人的にはこちらの方が
私の好みだなぁと再確認しました。
しかし、優勝者だけ最後、ピアノ協奏曲第1番の演奏で
BRUCE (XIASOLYU)LIU(ブルース・リウ)さんの音を聴いて
この方が優勝されたことに納得出来た気がします。
同じピアノなので、ピアニストさんの音色の違いが如実にわかります。
ブルースさんは、FAZIOLIのピアノに精通しているからでしょうか
バランス良く硬軟を使い分け、しかも最初から私がこの方に感じた
キラキラとした宝石のような音色の響きでホールの空間を包み込み
他のピアニストの方の、少し豪快で開放的な音とは違う
24歳という若さもありながら、音量(音質)の加減が絶妙のダイナミックさもあり
早くから経歴を摘まれているキャリアも感じました。
この方はカナダ生まれで
リチャード・レイモンドとダン・タイ・ソン(ベトナム出身・1980年の優勝者)に
師事しています。
以上私の独断と偏見で恐縮ですが、Winnersの演奏での感想です。
少しずつ秋めいて、清澄な空気になってきたこの時期に
貴重で素敵な音楽空間を共有させて頂いて
まだもう少し
私もピアノを弾き続けていたいなと思った至福の時間でした。
さて、また今、2005年に観て涙腺崩壊だった韓国ドラマ「復活」を
プライムビデオで観ています。
あの当時も、最低でも5回以上は繰り返し観ましたが
今回やっぱり「乙女」な私は、オム・テウンとハン・ジミンの
血の繋がっていない兄妹の、サスペンスラブロマンスドラマに涙しています。
また私のドラマ鑑賞の日常に戻りました。