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〜かたることばが歌になる風になる〜

小林愛実さんのコンサート行ってきました

地元で開かれた「小林愛実オールショパン ピアノ・リサイタル」を聴いてきました。
1500席が完売の2時開演(1時半開場)のコンサート。
私は1時過ぎにホールに到着しましたが、既に入場が始まっていました。



生徒さんの章子さんが、チケット再販売の時にゲットしてくれた席は3階。
舞台を見下ろす、ピアノを正面に見るど真ん中の席でした。

プログラム前半は、昨年の「ショパン国際ピアノコンクール」で夜中に聴いた
前奏曲24曲全曲でした。昨年の10月に書いた感想のブログ記事を要約すると
1曲1曲のテンポ、リズム、強弱が際立ち、独自の解釈とニュアンスが完璧。
一種神がかったような凄みがあり、近寄りがたいような雰囲気を醸している。
少し「くぐもっている(ソフト)」という(悪い意味ではなく)音色は
独特な色を感じる。
というようなことを書いています。

今回は、コンクールの時のような凄みはなく、非常に脱力していて
軽やかで柔らかい音、優しい雰囲気の演奏だと思いました。
20分ほどの休憩後、後半は4つのスケルツォです。
1番は、私にとって思い出の曲の一つ。
高校入学してすぐの頃、クラスメイトが練習していて
心にググっと入ってきた曲で弾きたい!と思ったスケルツォです。

ポーランドが、ロシア帝国の統治下に置かれていた1830年ごろ
ポーランドの市民による武装蜂起「11月蜂起」が勃発し
その後「ポーランド陥落」の知らせを聞き
有名な「革命」のエチュードとも重なる、衝撃の叫びのような和音で始まり
嵐のような速いパッセージが押し寄せ
ショパンの怒りや苦しみ、悔しさを表現しています。
まるで、ロシア侵攻でウクライナの国民の気持ちとも重なるようです。

このyou tubeは、2010年の小林愛実さん15歳の時の演奏です。
12年経った今回の演奏は、手の内に入った小慣れた感じでした。

そして、この時、以前友人から聞いたことはありましたが
私としては初めての事態を経験したのです。
演奏の途中で、気づいた人がいたか、私だけ感じた違和感だったのか。
微かなカン!ガン!キン!なのか、形容しがたい硬い衝撃音?
ホールのどこかで、演奏中に誰かが何かを落とした音が
ピアノの音と重なったのか、ほんの一瞬で、それも微かな違和感。
さほど気にもせず、小林さんのスケルツォ1番は終わりました。

スケルツォ4曲終わってからの拍手がマナー。
次に有名な2番が始まるな、と客席は次の曲との間、静寂の間。
すると小林さんが立ち上がり、少し微笑みながら舞台袖に引っ込まれ
客席は「何があった?」というような、戸惑いの雰囲気の中
「弦が切れたので時間を頂きます」というアナウンス。
やっぱりそうだったのかと。

以前、後輩のピアニストさんの演奏会で、もっと派手に弦が切れる音がして
中断を余儀なくされて、ピアニストさんが怒っていたという話を
聞いたことがありました。

調律師さんが10分ほど修理にかかった後、演奏は再開されましたが
中断せざるをえなかったことで
小林さんの気持ちを萎えさせたことは間違いないと想像します。
全曲終わったころには
とてもお疲れのように感じましたが、拍手が鳴りやまず
幻想即興曲とワルツの演奏。
もっと聴きたいという観客の拍手は鳴りやまず
どうぞこれで終わらせて下さいというように
深々とお辞儀を何度もされて、疲れ切った様子で演奏会は終わりました。
ほんとにお気の毒なアクシデントだったと思います。

活動を終了した「女声合唱団風」のこと、「コーラス花座」のこと、韓国ドラマ、中国ドラマなど色々。

コメント一覧

chorus-kaze
追記
こちらこそ今月もよろしくお願いします。
お若くして亡くなられた方の演奏。
再演実現して、ほんとに貴重な記録が残ったのですね。
chorus-kaze
oyajisannさま
おはようございます。
いつも応援をありがとうございます。
私は若い頃打鍵力がありすぎて、よく弦を切っていました。

昔と比べて、ピアノ自体も、鍵盤の軽さや音色がドンドン変化していて
昔のような、指をしっかり上げて、音が立つようにという弾き方はしません。
ピアノの右端の弦が張り詰めている辺りはキレやすい箇所で
強いタッチではないのに突然切れたりします。
今回の断線は、右側一番高いF(ファ)だったようです。

10分という短い時間に修理された調律師さんの技術は凄いです。
調律師さんが退出される時、聴衆からの称賛と感謝の気持ちの
拍手が起こりました。

以前反田さんと佐渡裕さんの公演で、確か軽い紛争が起こっていた時期で
公演が一旦中止で、翌日再演となったお話をされましたが
この時は前日とは違った意味での高揚感だったと。
1日置いてというとは違う、その場の10分のほどというのは、、、。
アーティストのモチベーションが大さがりですね〜💦
oyajisann
おはようございます。
演奏会・ライブが中断って気持ち萎えるでしょうね。
クラシックではありませんが・・・。
声の調子が悪くて1時間ぐらいやって本人より中止再公演になった事あります。
再公演の打ち合わせで中断、その間バックコーラスの方が歌披露で若くして亡くなった方なので貴重でした。
数か月後振り返公演もちろん鑑賞。
今週もよろしくお願いします。
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