認知症のフロアーでは、午後4時頃から一部が落ち着かなくなります。
入居当初のYさんは『家に帰るんだけれど出口はどこかねー?』
と夕方になると決まって聞きにきました。
「Yさん!今日はもう遅いし、今日はここに泊まっていいからご飯食べてってよ」
『うん、でも今日はあまりお金が無いからな、、、』
「大丈夫!おうちの方が払ってくれてるからね。安心していいですよ」
『じゃそうするかー』なんて
半年たった今は落ち着きました。家の話はあまりしなくなりましたし、
でも部屋のベランダから外へおしっこするのが快感らしく
困ってもいますが、、でも
夕暮れ症候群は、時と共に落ち着くものだなと思います。
この仕事は気長に待つことが最大の解決策であります。
今やその方(男性)は、レクレーションのときのテーブル片付けなど必ずお手伝いしてくれます。
良かったですねー。暮らしの中にその方の役目が見つかるというのは最高の発見です。
もうお一人の女性Kさんはまだ入居2ヶ月くらい。
この方は認知症がかなり進んでから入居されました。
自分のお部屋にあるトイレが分からなくて、夜は廊下に出てトイレを探し回ります。
向かいの部屋や空いている部屋に入っては他の入居者さんのトイレで
用を足していることもあります。
夜の巡回に行ったときは部屋に姿が見えずびっくりして探すと
まだベッドパッドもなく、金属の柱が見えているベッドでたまたまあった布団を
掛けて寝ていました。背中が痛かったでしょうね。
そんなふうで、失禁事件は数知れず。
部屋のトイレを目の前に見ながらも、床に直接してしまうのは当たり前、
夜勤巡回で、ベッド前の水溜りを発見することになるのです。
拭いていると、急に起きて
『大丈夫!誰かが来て水まいてくれたんだから、そのままでいいよー』なんて
この方もまだ『帰りたい症候群』ですが、最近は次第にホームに溶け込んできました。
でも『私のバッグは?財布は?どこ?わたしはどうしたらいいの?』が続いています。
そんなこんなで、20名定員のフロアーは、あと数人で満床になります。
ユニークな皆さんに囲まれて、時間の余裕はまったくありませんが けっこう楽しくなってきました。
次回は更に活動的な方が入居し、
ますます喧しい(かまびすしい)フロアーになっていくお話。
我等は ではありますが、、、
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