中華街ランチ探偵団「酔華」

中華料理店の密集する横浜中華街。最近はなかなかランチに行けないのだが、少しずつ更新していきます。

「一楽」のランチから 20年分を放出④

2022年05月04日 | 中華街(大通り)

 中華街大通りの「一楽」。今日はランチ放出の④をお送りしたい。


サンマと野菜の宮保醤炒め
 週替わりランチだったので5日間出ていた秋らしい一品。中華街でサンマを使ったランチを初めて食べたのは、上海路の「桃花」だった。その店も今はない…


豚トロ肉と柿の辛味炒め
 アスパラガス、シメジと一緒に中華風味付けで豚トロ肉が炒められているわけで、これだけなら“ありそうなメニュー”なのだが、ここに柿が加わって不思議な料理になっていた。
 火が通った柿は表面がトロッとして甘味が滲み出ている。そこにピリ辛のタレがまとわりついているため、柿を頬張ると微妙な味の変化を楽しめるわけだ。


牛肉の四川唐辛子煮込み
 見ただけで辛いであろうことがよく分かる一品。こういうのは、いきなり啜ると極めて危険だ。小皿に取って少しだけ飲みこむ。
 あの激辛麻辣麺のスープほどではないが……。ほどではないのだが、やはり四川唐辛子煮込みというだけあって、その辛さは半端じゃない。
 食べ始めて数分で、大汗が噴き出してきた。辛くて厳しいのだが、不思議とそのベースに旨みが感じられるのだ。
 だから、もう飲むの止めようと思うのだが、なぜかまたレンゲを入れてしまうほど。


ハマグリの豆鼓ソース炒め
 殻付きの貝を予想していたのだが、やっぱりそれでは食べづらいだろうということか、剥き身のハマグリが菜の花、しめじ、玉ネギと一緒に豆鼓で炒められている。春らしい一品だ。
 スプーンでかき混ぜると、玉ネギから出た甘味が豆鼓と充分に合体し、それがハマグリに絡んで実に旨くなる。
 その合間に食べる菜の花がまたいい役割を演じているのだ。
 頬っぺたが落ちる日替わりランチであった。


白魚の揚げ物 香味ソースがけ
 白魚の揚げ物。かき揚げ状態で出てくるのかと思っていたら、写真のとおり1匹ずつ揚げられていた。
 まるで誰かの指のように真っ白で美しい。そこに芥子の実のような可愛い目玉。
 食べてしまうのが可哀そうな気もするが、これはもう既に生きていないのだから躊躇せずムシャムシャと食べてしまった。
 魚自体の味はよく分からない。頭の部分に来ると、少しほろ苦い感じかな。
 ま、春の一品ということで、これはあっという間に完食。


ヤリイカのゲソフライ麻辣ソースがけ
 イカの身の部分をフライにしたのも好きだが、ゲソはもっと好き♪
 中華街の店でゲソフライを出すところなんて、ほかにあるんだろうか。
 噛みきるときのあの瞬間。コリコリしたイカの足が口の中で断裂するときのあの食感。
 身の方が偉そうだが、私は裏方のようなゲソを可愛がってやりたい。


タラバガニと豆腐の煮込み
 運ばれてきた料理を見てビックリ! すごいボリュームなのだ。
 しかも、「ご飯少な目にね」というのを忘れていたし、これを一人で食べきれるのかと、少し心配する。
 我が家で作るときは蟹カマボコを使うのだが、ここのは本物の蟹♪
 やっぱりカマボコと違って蟹は旨い!
 オイスターソースの風味がそれほどきつくないので、実に食べやすい。
 後半はご飯の上にぶっかけて「蟹豆腐丼」として食べた。


牛バラ肉入りトマト麻辣麺
 週替わりに「牛バラ肉入りトマト麻辣麺」なんていうのが出ていたので思い切って注文してみた。
 すると、女将さん曰く「昨日は二人の方が途中でギブアップしたのよ」。
 これはヤバイかなぁ…… でもトマトが入っているから、そうでもないかなぁ…… などと逡巡しつつも、結局はこれで決定!
 とりあえず一口すすってみると、意外とむせない。激辛麻辣麺だと、絶対に「ゲホッ」とするのだが、こちらはトマトで薄まっているのだろうか。
 それでも食べ進むうちに汗が噴き出してきた。
 最初は「ご飯はいりません」なんて言っていたのだが、やはり途中からライスの応援を頼まなければならなくなった。
 ときどきご飯を食べて、口内を鎮める必要があるのだ。
 それでも最後は残ったスープにご飯を投入して完食、完飲♪


赤ハタの香港家庭風蒸し物
 和風なら醤油、みりん、酒で煮るのだろうが、これは胡麻油とか紹興酒とかも使っているんだろうか。
 味付けの分析ができない私の舌では、再現をするのは難しい。
 魚の上にのっているネギ、ザーサイを一緒に食べると、なかなか美味しい。


手羽元と里芋醤油煮込み
 手羽元は箸でホロホロと崩れるほどの柔らかさ。しかもタレや旨みをタップリと吸い込んで、実にウマイ!
 もちろんシイタケも絶妙の味わいで煮込まれていた。
 里芋はホッコリ、ネットリして、これまた美味しいぞ。
 濃くなった口中を爽やかにしてくれるのが青菜。


スケソウ鱈と高菜のスープ煮込み
 ちょっと変わったランチが出ていた。スケソウ鱈と高菜のスープ煮込みだ。たぶん初登場だろうね。
 スケソウ鱈はホコホコの食感。そこにシャキシャキしたモヤシと旨みのある高菜が絡んでくる。
 これは具よりもスープが絶妙に旨い。
 結局、最後まで飲み干してしまった。 


牡蠣入り酸辣湯麺
 中華街ランチでは、いろいろな料理に牡蠣が投入されているが、酸辣湯麺に入れられているを見るのは初めてかな。


 麺をかき混ぜるとこんな感じ。中から大量の牡蠣が浮かび上がってきた。
 小ぶりだがプックリしている。スープ、麺と一緒に牡蠣を頬張ると、なかなか美味しいのだが…
 最近は歳のせいか、辛さに対する耐性が弱くなってきたようで、かなり厳しい…(涙)
 食べ終わった頃には、かなりの大汗 


播磨灘産カキ、ピータン、花ニラの強火炒め
 牡蠣は小ぶりだがたくさん入っていた。濃い味わいで、そこにさらに濃厚なピータンが加わっている。
 くどくなりがちな口中を中和させてくれるのが小ネギだ。タレの調合は不明だが実に美味しかった♪
  こういうのは自宅で真似のできない料理だね。


カジカの姿揚げ甘酢ソース
 むかしの中華街宴会では「鯉の丸揚げ甘酢ソース」なんていうのが定番料理で、これが出てくると参加している皆が「お~ッ」と感激の声をあげたものだが、近年はこれをほとんど見かけなくなった。
 私は鯉という魚がそれほど好きではなかったので、これが出されてもぜんぜん胸がときめかなかったけどね。
 でも、他の魚がこういう方法で調理されると、なぜか涎が……
 カジカというのはカサゴの仲間らしい。カサゴは「一楽」や「獅門酒楼」でたまに登場するんだけど、カジカは初めてじゃないかな。


 野菜が魚の姿を隠しているので、それらを除けてみた。
 背中から開いて揚げているのね。
 一口食べてみると、やはりカサゴのような食感。
 全体のボリュームに対する身の割合が少ないのも似ている。
 でも、これは骨も含めて頭からすべで食べられるんだ。
 美味しい甘酢あんが絡んで、コロモが少しふやけた感じがなかなかいい。
 頭も、骨も、シッポも、まるで煎餅のようにバリバリと齧ってランチを終了。


有頭ボタンエビの唐辛子炒め
 注文したときの予想では、おおきなエビが2尾かな…と思っていたのだが、運ばれてきたのを見ると小型のものがたくさん入っていた。
 ボタンエビのオレンジ色、豆の緑色、そして唐辛子の赤色が美しい。
 ほかに南瓜、セロリ、キノコも加えられて、絶妙のタレで炒められていた。
 このキノコは何だろう。シイタケでないことは分かる。ナラタケに似ていなくもないが、別のものだろうね。
 このキノコが実にウマイ♪


骨付きチキンの蜜汁焼き
 なんだかオシャレで洋風な感じもするメイン。
 蜂蜜で甘いタレを作っているようなので、オネエサンが『ご飯のオカズにあうのかな』なんて仰っていたけど、これはオカズとして充分なもの。
 思ったほど甘くはないのだ。
 ご覧のようにお客さんのことを考えてぶつ切りにしてあるが、私としては一本のままで出された方が良かったかも。
 右端に骨が出ているので、そこを持って豪快に齧ってみたかった。
 でも、手がベタベタになるか……
 付け合せのサラダと交互に食べて完食。
 最後は骨までしゃぶってしまった。


よだれ鶏
 この日、注文したのは日替わりメニューにあった「よだれ鶏」。
 中国語では「口水鶏」と書くのかな。
 「よだれ」だなんてちょっとアレだけど、四川省でよく食べられている料理。
 それは「よだれが出る」ほど美味しいという意味で名付けられたそうだ。
 辛そうな赤黒いタレ。その中にいろいろなスパイスが入っているのかな。

 cookpadでレシピを見ると…

 タレ(4人分)
 ★にんにく(おろす) 1片
 ★ショウガ(おろす) 1片
 ★しょうゆ大さじ2
 ★ごま油大さじ1
 ★豆板醤小さじ1
 ★ラー油小さじ1
 ★砂糖大さじ1
 ★お酢大さじ2
 ★オイスターソース大さじ1
 ★すりゴマ大さじ1
 ★ネギ(みじん切り) 10センチ位
 ★花椒少々

 となっている。
 
 なんか、いろいろ入っているんだね。
 そのタレに浸っている鶏肉がうまそ~ (ヨダレ) そしてトッピングされたパクチー♪
 ピーナッツの食感と味がよく合っているなぁ。
 鶏肉を食べていくと、さらに下から茄子も出てきた。
 最後はタレまみれになった鶏肉をご飯の上にのせてパクパクといただく。
 酒の肴にしてもいいけど、こりゃあご飯のオカズにピッタリだわ。
 美味しかったぁ♪

 (つづく)


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