春です。

喫茶店で新聞が全部読めないので特急電車の中で新聞を広げることができるので500円の特急券はもったいないが、このときが主婦と仕事の切り替えの時間、この時間を大切にしている。しかし今日は違った。新聞は適当に早々と読み新聞はカバンの中にしまった。
そして春を探したいので車窓から流れていく景色を見た。
京都府相楽郡の新祝園(しんほうそえの)過ぎたあたりから庭に咲く木々に梅そしてショッキングピンクの桃の花、さらに真っ白い花は雪柳なのだろうか。狛田(こまだ)を通り新田辺までいく景色は昔から住んでおられる集落なのか、大きな作りの家、田舎の作りの建物が見える。その建物の中や間から木々に春の花が見えた。もし昔のように窓があく車両だったらたぶん匂いも伝わってきただろう。
電車に乗ってくる若い女子、春の装いに衣替えとおもいきや、いっぱいなにか洋服につけている。チャラチャラ---と首から幾重にも。そしてカバンも金色の金具がてっぱいついている。はいているブーツにも金具がいっぱいついている。
見ているだけで重いファッションでしんどくなってきた。なにもそんなにジャラジャラつけなくても黄緑色のセータにジーンズ、そのうえジーンズのジャケットがあればジャッケトのボタンも金具、これで充分におしやれなのに。
そしてある女の子は家にあるボタンを全部ひっぱりだしてきてつけたのだろうか。ジーンズのカバンの前にいろんな種類のボタンがひしめきあってつけてある。
もうそれを見ると気持がわるくなって吐き気がでそうになった。なんでもつければいいのと違う。春です。ボタンを控えめにつけているほうがセンスがよくてそのカバンをもっている若いあなたが春です。
けれどまだ大きく胸のあいたシャツブラウスは早い。もう少し胸をみせないようにしたほうが神秘的でセクシーに見えるとおもうのだけど---。見せないほうがその白のレースのついた綿ブラウスを着るあなたが春です。このことに着がついて服はシンプルにしんぷるに---。
車窓から見る梅や桃の花に春があった。
電車の中の女性の服も春を意識しているがなんか落ち着かない。目障りの衣装に春はどこ----と電車の中で探していた。