アジア映画巡礼

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2015年夏の「みんぱく映画会」はインド映画特集

2015-06-17 | インド映画

インド映画ファンの方は皆さんすでにご存じだと思いますが、7月と8月に大阪の国立民族学博物館(民博=みんぱく)でインド映画が4本上映されます。上映作品は『ファンドリー』『カーンチワラム サリーを織る人』『Mr.&Mrs.アイヤル』そして『DDLJ 勇者は花嫁を奪う』の4本。遅くなりましたが、上映予定と作品のデータをまとめてみました。なお、人名表記はサイトにアップされているものを使っています。

各上映に共通する情報を書いておきます。 

■会場:国立民族学博物館 講堂
■開場:いずれも30分前
■定員:450名(先着順)
■入場条件:要展示鑑賞券(一般 420円)/映画鑑賞は無料
■主催:国立民族学博物館
■公式サイトはこちら。いずれも日本語字幕付きの上映です。

『ファンドリー』

Nagraj Manjule Film Poster Fandry.jpg

(2013/マラーティー語/103分/原題:Fandry)

 監督:ナグラージ・マンジュレ
 主演:ソムナート・アウガデ、サンジャイ・チョウドリ、チャーヤー・カダム、スーラジ・パワル、キショール・カダム 

■日時:2015年7月20日(月・祝)午後1:30~
■司会:杉本良男(民博教授)
■解説:松尾瑞穂(民博准教授)

Fandry | Marathi Movie | Official Trailer (HD Quality)

※監督のナグラージ・マンジュレ(ナーグラージ・マンジュレー)は1978年生まれ。これが監督デビュー作で、本作によりインド国家映画賞(Natinoal Film Award)の最優秀新人監督賞を受賞しています。また、主人公のジャビャーを演じたソムナート・アウガデ(ソームナート・アウガデー)も最優秀子役賞を受賞。なお、民博のサイトに「不可蝕民」という言葉が使われているのですが、これは「被差別カースト」とか「ダリト(抑圧された人)」とかの方が適切では、と思います。


『カーンチワラム サリーを織る人』

Kanchivaramfilm.jpg

(2008/タミル語/117分/原題:Kanchivaram)

 監督:プリヤダルシャン
 主演:プラカーシュ・ラージ、シュリヤ・レッディ 

■日時:2015年7月25日(土)午後1:30~
■司会:杉本良男(民博教授)
■解説:杉本星子(京都文教大教授)

Tamil Movie Kanchivaram Trailer  

※プリヤダルシャン監督の名前は、知っている方も多いはず。ケーララ州の出身で、1984年にマラヤーラム語映画でデビュー、以後、マラヤーラム語映画とヒンディー語映画を中心に、約70本の作品を撮っている監督です。ヒンディー語映画界で人気監督と目されるようになったのが、日本版DVDも出ている『ヴィラサット~愛と宿命の決断~』(1997)以降で、「ヴィラサット」、正しくは「ヴィラーサト」は「遺産相続」という意味です。『カーンチワラム』はヒンディー語映画製作の合間を縫って撮られたタミル語映画で、インド国家映画賞最優秀作品賞と主演男優賞に輝いています。『ミルカ』(2013)にも軍の教官役で出演したプラカーシュ・ラージの素晴らしい演技をお見逃しなく。


『Mr. & Mrs.アイヤル』

MrMrsIyerPoster.jpg

 

(2002/ベンガル語・タミル語・英語/123分/原題:Mr. & Mrs. Iyer)

 監督:アパルナ・セン
 主演:ラーフル・ボース、コンコナ・セン・シャルマー 

■日時:2015年8月2日(日)午後1:30~
■司会/解説:杉本良男(民博教授)

※アジアフォーカス・福岡国際映画祭で上映された作品。ヒンドゥー教徒とイスラーム教徒の対立が激化していた時を舞台に、タミル・ブラフマンのアイヤル夫妻となってそれを逃れる主人公たちを描きます。アパルナ・セン(セーン)監督は、サタジット・レイ作品などで女優として活躍したあと、1981年に『チョウランギー通り36番地』で監督に転進。本作の他、『パロミタ』(2000)なども日本で映画祭上映されています。コンコナ・セン・シャルマー(コーンクナー・セーン・シャルマー)はアパルナ・センの娘で、主としてヒンディー語映画界で活躍しています。アート系作品への出演が多いラーフル・ボースのほか、高名な文学者ビーシュム・サーハニーも出演。


DDLJ 勇者は花嫁を奪う』

Dilwale Dulhania Le Jayenge poster.jpg

(1995/ヒンディー語/189分/原題:Dilwale Dulhania Le Jayenge)
 監督:アディティヤ・チョープラ
 主演:シャー・ルク・カーン、カージョル、アムリーシュ・プリー、ファリーダー・ジャラール、アヌパム・ケール

■日時:2015年8月8日(土)午後1:00~(上映開始が30分早くなっています。ご注意下さい)
■司会:杉本良男(民博教授)
■解説:三尾稔(民博准教授)

Dilwale Dulhania Le Jayenge - NEW Trailer

説明の必要のない、インド映画の名作、恋愛映画の王道的作品です。約20年という時を経て、日本で再び蘇ります。1999年に一度公開された時は、『シャー・ルク・カーンのDDLJラブゲット大作戦』というアニメも真っ青の題名を付けられ、長らくこの公開題名を書かなくてはいけない拷問(?)に耐えてきた我々ですが、今度からは『DDLJ 勇者は花嫁を奪う』と書くことができます。めでたい! 予告編をもう1本付けておきましょう。

Dilwale Dulhania Le Jayenge - Trailer with English Subtitles

※インドでは2000年前後、ボリウッド作品に長い長いタイトルを付けるのが流行、ヒンディー語の単語の頭文字を取った短縮形が使われるようになりました。というわけで、この作品は「ディルワーレー・ドゥルハニヤー・レー・ジャーエーンゲー」の代わりに『DDLJ』と呼ばれることが多いのです。では、次のタイトルの作品は? 『KANK』『K3G』『K2H2』....みんなシャー・ルク・カーンの主演作で、カラン・ジョーハル監督作品です。そのカラン・ジョーハル監督、本作ではシャー・ルク・カーン演じるラージの友人役で出演しています。ちょっとニブそうなメガネ男子がそれ。監督のアディティヤ・チョープラ(アーディティヤ・チョープラー)の仲間だったことからの出演みたいですが、そんな所もお楽しみ下さい。

なお、映画をご覧になる時は、民博のリニューアルされたインド展示にもぜひ足をお運び下さい。私も9月には大阪に行くので、民博まで行ってこようと思っています。皆さんは一足先に、映画と展示をお楽しみ下さいね。




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