今日は、マレーシア映画の女性監督ヤスミン・アフマドが亡くなった命日にあたります。ヤスミン・アフマドは1958年1月7日にマレーシアのジョホール州にある村に生まれ、CM監督、劇映画監督、そして女優としても活躍した人です。劇映画はもちろんCMでも多くの優れた作品を発表し、バリバリ仕事をしていたのですが、2009年7月23日仕事のミーティング中に脳溢血の発作を起こして倒れ、病院に運ばれてました。そして治療の甲斐なく、7月25日に亡くなったものです。51歳でした。(下は2006年の来日時©cinetama)
日本では、2005年の東京国際映画祭(TIFF)で『細い目(Sepet)』(2004)がアジア映画賞を受賞したのをきっかけに、翌2006年のTIFFでは『細い目』に加えて『ラブン(Rabun)』(2003)、『グブラ(Gubra)』(2005)、そして『ムクシン(Mukhsin)』(2006)が上映され、また出演作『Rain Dogs』(2006)も上映されて、ヤスミンは『Rain Dog』のホー・ユーハン監督や作曲・主演のピート・テオ、さらには『ムクシン』の二人の子役たちと一緒に初来日を果たします。これを契機に一挙にヤスミン・アフマド・ブームが巻き起こり、多くのファンが誕生したのでした。それからいくらもたたないうちの訃報は、日本中のヤスミン作品ファンに大きなショックを与えたのですが、そのファンの皆さんは、今年の6月18日に、ヤスミン作品のほとんど全部に出演している女優アディバ・ヌールの訃報に接し、またショックを受けたのではないかと思います。享年51、奇しくもヤスミンと同じ年でした。(下写真は2017年来日時©cinetama)
そのアディバ・ヌールを偲んで、ヤスミン作品を数多く配給してきたムヴィオラが、追悼上映のプログラムを組んでくれました。少し前にいただいたお知らせを、そのまま貼っておきます。
(招き猫ポーズをしてみせるアディバさん。猫好きでした)
ヤスミン・アフマド監督作品で知られる女優・歌手 アディバ・ヌールさんの逝去を悼み、全国の映画館にて追悼上映が決定
2022年6月18日。ヤスミン・アフマド監督の『タレンタイム〜優しい歌』の“アディバ先生”、『細い目』の“ヤムさん”でおなじみのマレーシアの女優・歌手のアディバ・ヌールさんが51歳の若さでお亡くなりになりました。
アディバ・ヌールさん(1970.9.3-2022.6.18)はマレーシアの国民的シンガーで90年代半ばからショウビズ界で活躍。日本では、ヤスミン・アフマド監督の『細い目』(04)、『グブラ』(05)、『ムクシン』(06)、『タレンタイム〜優しい歌』(09)に出演していることで知られています。2017年『タレンタイム』の公開時にプロモーションのため来日し、ヤスミンの思い出を語るとともに、その美しく優しい歌声を聞かせてくれました。
そしてこの度、東京のシアター・イメージフォーラムほか全国20の映画館(7/11現在)でアディバさんの追悼上映を行うことが決定しました。上映作品は、ヤスミン・アフマドの代表作『タレンタイム~優しい歌』『細い目』の2作品。一部映画館では、『ムクシン』(4Kデジタル修復版)も特別上映します。
映画ファンにも映画館の方にも愛されたヤスミン監督、そしてアディバさん。今はただアディバさんが、天国でヤスミン監督と楽しく語らっていることを祈るばかりです。
<アディバ・ヌールさん追悼上映 ”アディバ先生、ありがとう”>
◆東京会場:シアター・イメージフォーラム(渋谷/公式サイト)
◆上映作品:『タレンタイム~優しい歌 』、『細い目』、特別上映『ムクシン』【4Kデジタル修復版】
◆日程:7月30日(土)~8月26日(金)連日10:30〜
※そのほか上映劇場はこちらからどうぞ。なお、京都・出町座は7月29日(金)からと、一番早い上映になります。
※各上映館で上映作品・上映期間などが異なります。各映画館公式サイトにてご確認ください。
◆全国共通2回券2,600円(税込)7/9より発売!
◆来場者限定プレゼント(先着)「アディバさんポストカード」
上は、来日時に歌ってくれたアディバさんです。ぜひ映画を見ながら、アディバさんとヤスミン・アフマド監督を偲んで下さいね。それから、チラシが手に入らない、と嘆いていたら、配給会社ムヴィオラさんがチラシ両面の画像を送ってきて下さいました。ありがとうございます! ここに貼り付けておきますので、ご参照下さい。