アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

インドの映画賞2011年版

2011-03-05 | インド映画

先日ハリウッドのアカデミー賞も発表になりましたが、インドにもいくつかの映画賞があります。そのうちの主な映画賞の結果を見てみましょう。どの映画賞も部門が相当な数にのぼるので、作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、そしてあれば新人賞を挙げておきます。いつもですと映画のタイトルを太字にするのですが、今回はサボりました(笑)。お許しを。

インドの映画賞のうち、注目度が高いのは次の5つの賞です。

1.国家映画賞(National Film Awards)
  インドで映画やテレビを統括しているお役所は情報放送省(Ministry of Information and Broadcasting)ですが、その傘下にある映画祭事務局(Directorate of Film Festivals/略称DFF)が毎年発表する映画賞です。1953年から始まり、昨年ですでに57回を数えています。作品賞、監督賞、主演男・女優賞、各技術部門賞のほか、ポピュラー作品賞や、各言語の最優秀作品賞なども発表されます。また国家の映画賞らしい、「国民統合貢献ナルギス・ダット賞」なんていう部門もあります。
 今年はまだ発表されていないので、昨年度の結果の一部を載せておきます。DFFのサイトは
こちら。何せインドのお役所なので、フットワークがチョー悪いです。というわけで、昨年の結果をまとめたWikiのサイトも付けておきます。

   作品賞:『心を渡る船長』 (マラヤーラム語/原題:Kutty Shrank)
    ~シャージ・N・カルン監督作で主演はマムーティ。様々な顔を持つ男の話です。シンガポールで昨年8月に見たんですが、字幕がなかったのでいまいちよくわからず...。

<シンガポールのレックス劇場で撮影したポスター>

   ポピュラー作品賞:『3バカに乾杯!』 (ヒンディー語/原題:3 idiots)
   監督賞:リトボルノ・ゴーシュ(『永遠なるもの』(ベンガル語/原題:Abohoman))
   主演男優賞:アミターブ・バッチャン(『パパ』 (ヒンディー語/原題:Paa))
   主演女優賞:オノンナ・チャテルジー(『永遠なるもの』)
   助演男優賞:ファールーク・シェイク(『ラホール』 (ヒンディー語/原題:Lahore))
   助演女優賞:アルンダティ・ラーオ(『パパ』)


2.「フィルムフェア」誌賞(Filmfare Awards)
インドで一番ポピュラーな英語の隔週刊映画雑誌「フィルムフェア」が主宰する映画賞。すでに56回を数える老舗です。一般の受賞部門以外に、評論家賞というアートハウス的な観点のセクションも設けられています。ボリウッド映画を対象にした賞のほか、南インド映画対象の賞もあり、いずれも華やかな授賞式が行われます。今年1月末に発表された、ボリウッド映画の受賞結果は次の通り。さらに詳細な結果はこちらの
HPで。

   作品賞:『肝っ玉男』 (原題:Dabangg)
   監督賞:カラン・ジョーハル(『マイ・ネーム・イズ・ハーン』)
   主演男優賞:シャー・ルク・カーン(『マイ・ネーム・イズ・ハーン』)
   主演女優賞:カージョル(『マイ・ネーム・イズ・ハーン』)
   助演男優賞:ローニト・ローイ(『飛翔』 (原題:Udaan))
   助演女優賞:カリーナー・カプール(『我らは家族』 (原題:We Are Family))
   新人男優賞:ランヴィール・シン(『花婿行列が賑やかに』 (原題:Band Baaja Baaraat))
   新人女優賞:ソーナークシー・シンハー(『肝っ玉男』)
   新人監督賞:マニーシュ・シャルマー(『花婿行列が賑やかに』)
   批評家賞作品賞:『飛翔』 (原題:Udaan)
   批評家賞主演男優賞:リシ・カプール(『2×2=4』 (原題:Do Dooni Chaar))
   批評家賞主演女優賞:ヴィディヤー・バーラン(『恋した男』 (原題:Ishqiya))

<新人男優賞ランヴィール・シンを表紙にした「フィルムフェア」誌>

授賞式のアトラクションで、シャー・ルク・カーンとマードゥリー・ディークシトが踊るシーンはこちら。このほかにもたくさんの映像がYouTubeにアップされています。お時間のある方は次々どうぞ。


3.「スターダスト」誌賞(Stardust Awards)
ゴシップ誌と呼ぶと失礼かも知れませんが、スターなどセレブの話題が中心の月刊映画雑誌「スターダスト」誌が主宰する映画賞です。「スターダスト」は英語版だけでなくヒンディー語版も出ていて、賞のノミネーションが発表される号は私の一番愛する号となります。なぜなら、たくさんの映画人の名前がヒンディー語表記で見られるため、カタカナ表記する時に助かるから。今年は、2月号がノミネーション発表号でした。

 

ただ、「スターダスト」誌賞はだんだんと大盤振る舞いになってきて、今年は部門があれこれ増え、ややこしいことこの上なし。というわけで、適当にピックアップしました。詳細な結果を知りたい方はこちらの報道で。画像もいっぱい付いています。

   作品賞:『肝っ玉男』
   監督賞:カラン・ジョーハル(『マイ・ネーム・イズ・ハーン』)
   主演男優賞:サルマーン・カーン(『肝っ玉男』)
      同   :アクシャイ・クマール(『満員』 (原題:Housefull)&『30人殺しのカーン』 (原題:Tees Maar Khan))
   主演女優賞:カージョル(『マイ・ネーム・イズ・ハーン』)
   助演男優賞:アルジュン・ラームパール(『政治』 (原題:Raajneeti)&『満員』)
   助演女優賞:プラーチー・デーサーイー(『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ムンバイ』 (原題:Once Upon A Time in Mumbai))
   新人男優賞:ランヴィール・シン(『花婿行列が賑やかに』 (原題:Band Baaja Baaraat))
   新人女優賞:ソーナークシー・シンハー(『肝っ玉男』)
   新人監督賞:アビナウ・カシャプ(『肝っ玉男』)


4.「スター・スクリーン」賞(Star Screen Awards)
週刊の映画雑誌というか映画新聞というか、老舗の「スクリーン」誌が主宰する映画賞。これも部門が多いので、適当に選びました。詳細な結果を知りたい方は、こちらの
HPへ。画像、映像も見られます。

   作品賞:『飛翔』
   監督賞:ヴィクラマーディティヤ・モートワーニー(『飛翔』)
   主演男優賞:サルマーン・カーン(『肝っ玉男』)
   主演女優賞:ヴィディヤー・バーラン(『恋する男』)
   助演男優賞:アルシャド・ワールシー(『恋する男』)
   助演女優賞:シェールナーズ・パテール(『願い』 (原題:Guzaarish))
   新人男優賞:ランヴィール・シン(『花婿行列が賑やかに』)
   新人女優賞:ソーナークシー・シンハー(『肝っ玉男』)


5.「ズィー・シネ(マ)」賞
衛星テレビ局Zee TVが主宰する賞。詳細はこちらの
HPで。

   審査員賞作品賞:『飛翔』
   審査員賞監督賞:ヴィクラマーディティヤ・モートワーニー(『飛翔』)
   審査員賞主演男優賞:リティク・ローシャン(『願い』)
   審査員賞主演女優賞:アイシュワリヤー・ラーイ・バッチャン(『願い』)
   大衆賞作品賞:『肝っ玉男』
   大衆賞監督賞:カラン・ジョーハル(『マイ・ネーム・イズ・ハーン』)
   大衆賞主演男優賞:シャー・ルク・カーン(『マイ・ネーム・イズ・ハーン』)
   大衆賞主演女優賞:ヴィディヤー・バーラン(『恋する男』)
   助演男優賞:アルジュン・ラームパール(『政治』)
   助演女優賞:プラーチー・デーサーイー(『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ムンバイ』
   新人監督賞:アビナウ・カシャプ(『肝っ玉男』)
   新人男優賞:ランヴィール・シン(『花婿行列が賑やかに』)
   新人女優賞:ソーナークシー・シンハー(『肝っ玉男』)

新人賞は圧倒的にランヴィール・シンとソーナークシー・シンハーですね。さて、このお二人がこれからどんな活躍をするか、見守りましょう。

映像は「フィルムフェア」誌賞しか付けませんでしたが、YouTubeで映画賞の名前+「2011」で検索すると、いっぱい映像が出てきます。それは、これらの映画賞が衛星放送のどこかの局で必ずオンエアされるから。残念ながら英語字幕が付いていないため、MCのトークなどは理解しにくいかと思いますが、次々と写るスターの顔を見ているだけでも目の正月です。ぜひお楽しみ下さい。

このほかにも、インド全国の映画界でいろんな賞が設けられています。インドの人はホントにお祭りが大好きなんですね~。


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