アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

2013年インド映画製作本数&『Dhoom 3』『Bhaag Milkha Bhaag』日本公開!

2014-07-22 | インド映画

長らく待っていた雑誌が、インドからやっと届きました。これまでにも言及したことがある、南インド映画商業会議所(South Indian Film Chamber of Commerce)の機関誌「Journal of the Film Chamber」の2014年7月号です。ここに、やっと昨年の映画製作本数=検定通過本数一覧が掲載されたのです。

依頼したのは今年の3月半ば。こんなに送られてくるのが遅くなったのは、例年なら4月号に出るはずの統計が7月号に掲載となったからのようです。掲載がのびたのは、今年から統計の仕方が変更になったためのようで、これまでは毎年1月1日~12月31日に検定を通過した数の一覧が掲載されていたのが、今年は2013年4月1日~2014年3月31日の統計に変更になりました。会計年度と一致させたわけですね。

興行収入ベスト10などは1月1日~12月31日の統計になるので、これに合わせてほしかったのですが、まあしょうがない。インドのお役所の気まぐれは今に始まったことではありません。この統計自体、インド中央映画検定局のHPにはまったく載っていないのですから(てか、2011年の統計が"new"と書かれて掲載されたっきり、2年間まったく更新されていない)、インドのお役所の気まぐれ&怠惰はITがいくら発達しようと直らない、というしかありません。

さて、その統計ですが、製作本数がすごい数になっています。2桁以上の本数が製作されている言語を挙げてみましょう。

2013.4.1~2014.3.31の検定通過本数(フィルム及びデジタル製作)

テルグ語・・・・・・・・・・・・・349本 (うちフィルム製作 15本)
タミル語・・・・・・・・・・・・・・326本 (うちフィルム製作 20本)
ヒンディー語・・・・・・・・・・263本 (うちフィルム製作 11本)
マラヤーラム語・・・・・・・201本 (うちフィルム製作  1本)
カンナダ語・・・・・・・・・・・164本 (うちフィルム製作 22本)
ベンガル語・・・・・・・・・・・162本 (うちフィルム製作 38本)
マラーティー語・・・・・・・・160本 (うちフィルム製作 43本)
ボージプリー語・・・・・・・・・93本 (うちフィルム製作  6本)
グジャラーティー語・・・・・53本 (うちフィルム製作 24本)
パンジャービー語・・・・・・・48本 (うちフィルム製作  1本)
オリヤー語・・・・・・・・・・・・・37本
アッサム語・・・・・・・・・・・・・21本 (うちフィルム製作  4本)
ラージャスタニー語・・・・・14本
チャッティースガリー語・・13本
---------------------------
計40言語 総計 1,966本 (うちフィルム製作188本)

すごいですねー。ほぼ2000本という製作本数の上、もう9割以上がデジタルになっているのですね。今に、2000本超えの日も近いかも知れません。安価なソフト直結作品を約2000本製作している「ノリウッド」ことナイジェリアを抜いて、名実共に世界第1位となるのももうすぐかも。「Naverまとめ」さん、そろそろ最新データに訂正して下さいね。

そんな昨年度のNo.1ヒットは、言わずと知れたコレ! ついでに昨年の興収第6位も! なぜに第1位と第6位なのかは、下をご覧下さい。


実は本日、日活×東宝の「GOLDEN ASIA」レーベルお披露目の記者会見で、周星馳(チャウ・シンチー)監督作品『西遊記 はじまりのはじまり』(2013)の公開と共に、『チェイス!』という邦題になった『Dhoom 3(騒ぎ 3)』と、『Bhaag Milkha Bhaag(走れ、ミルカー、走れ)』の公開が発表されたのです。詳しくはこちらの公式サイトや、こちらとかこちらの記事をどうぞ。さあ、インド映画夏の陣に続いて、冬の陣もやって来ますよ!! この冬も楽しみですね~。

 


コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『ダバング 大胆不敵』脇役... | トップ | 『めぐり逢わせのお弁当』リ... »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
痛し痒し (hiropirin)
2014-07-24 01:02:31
『DHOOM3』と「Bhaag Milkha Bhaag」の公開ですが、やれ嬉やと公式サイトを見ると、上映時間が『DHOOM3』が147分、オリジナル尺162分。「Bhaag Milkha Bhaag」が153分、オリジナル尺186分と表記してますね。ミュージカルシーンを全部切ってしまったということでしょうか?
昔から東宝東和は、映画にハサミを入れて作り直す事が有名でしたが、配給会社は違いますが、今回も「ロボット」の時のように、シネコン用に切ってしまったのでしょうね。
でも「Bhaag Milkha Bhaag」の33分カットって、酷すぎませんか?
大きな会社がインド映画を配給してくれるのは嬉しいけれど、まだまだキワもの扱いなのでしょうね?

もしかして、東和がインド映画を手がけるのは、インド初のカラー映画の「アーン」以来60年ぶりではないでしょうか? 数年前フィルムセンターで観ましたけど、あれもオリジナルを半分くらいにカットしたものでしたが、半世紀以上経っても、ハサミを入れたがるのはどうにかならんのでしょうか?
とにかく配給会社は、映画のオリジナルを尊重してもらいたいものです。
返信する
hiropirin様 (cinetama)
2014-07-24 22:49:32
コメント、ありがとうございました。

「オリジナル版ではなくカット版!」ということからのお怒りはわかるのですが、私は特に最近、オリジナルというかインド公開用の長尺版が必ずしも名作ならず、と思うようになりました。当然作品ごとで違ってきますが、映画祭ヴァージョンの方がいい作品もあります。

そう思うようになったのは、タミル語映画『神さまがくれた娘』の公開前に間違ってインドで上映された長尺版が届き、字幕修正作業をする時にそれと日本公開版とを見比べたからです。日本公開版、つまり映画祭ヴァージョンが、A.L.ヴィジャイ監督によっていかに注意深くカットされたか、ということがよくわかりました。
太秦の社長が「映画祭ヴァージョンでの公開を」と判断なさったのですが、それは正解だったと思っています。

今回の日活の2本は、おっしゃる通り東宝系のシネコンでの上映ということから、短いヴァージョンが選択されたのだと思います。
今、劇場を確保するのは非常に難しく、オリジナルの尺にこだわればそれを受けて入れてくれる劇場でしか公開できない、ということになります。このあたりが今回は、「大手シネコン上映でより多くの観客に届くことを優先」という判断になったのでしょう。

でも、そのために日本で勝手にカットしたのなら問題ですが、例えば『Bhaag Milkha Bhaag』日本公開版は、ラケーシュ・オムプラカーシュ・メーラ監督と、夫人である編集担当のP.S.バーラティーさんがカットした国際版だそうです。
私はたまたまこの国際版も見る機会に恵まれたのですが、「33分カットって、酷すぎませんか?」というご質問に対しては、「いいえ、よりわかりやすく、テーマがさらにはっきりして、感動を呼ぶ作品になっています」と自信を持ってお勧めできます。
国際版は、最初の方の兵舎で歌い踊るシーンがないことはわかったものの、あとはどこがカットされているのかわからないくらい細かくつまんでありました。
シンガポールで見た時よりもわかりやすかった、というのが見終わっての印象で、細心の注意を払って、ダイジェスト版ではなく新しい作品として作り直された、という感じでした。

できれば、お怒りはしばらく取っておいていただいて、公開ヴァージョンをご覧になった上でご判断いただければ、と思います。その時点で、「やっぱりオリジナル長尺版の方が格段に素晴らしい!」であれば、またコメントをぜひお寄せ下さいね。12月まで、お待ちしています。

あと、最後に書いて下さっていた『アーン』ですが(こんな古いインド映画まで見てらっしゃるとは!)、あれは東和(当時)と付き合いがあったイギリスの配給会社London Filmがイギリスで上映して好評を博し、日本でもどうかという話が東和に来て輸入されたのだそうです(1985年川喜多財団A氏のお話による)。もともと16ミリだったものをロンドンで35ミリにアップしたそうで、その時イギリスでカットしたり、前後を入れ替えたりという編集がなされたものと思われます。
ということで、『アーン』を東和がカットした、というのは誤解ではないでしょうか。

以上、長くなってすみません~。
返信する
hiropirin様 (cinetama)
2014-07-27 19:42:10
前のコメントの補足です。

そう言えば、と思い出したことがあるのですが、日活の方は、オリジナル・ヴァージョンも視野に入れた上での今回の短縮版の公開、ということを言っておられたように思います。
ですので、『ロボット』の時のように、短縮版の公開→好評ならオリジナル版の公開、あるいは、公開は無理でもソフト化の時にオリジナル版を、というような計画があるのかも知れません。
確かに、記者会見や公式サイトでオリジナル版の上映時間をわざわざ出している、ということは、そういう含みを持たせているのかも、と思うようになりました。他の作品なら、いつもネグられている情報ですから。
というわけで、日活の名誉(?)のためにひと言補足を。でも、皆さんすでに気づいてらして、蛇足だったかも知れませんね.....。スミマセン。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

インド映画」カテゴリの最新記事