『ダバング 大胆不敵』公開まで、いよいよあと1週間。昨夜の六本木は、先行マサラ上映で盛り上がったようですね。この『ダバング 大胆不敵』ですが、見直してみるといろいろ気になる点がでてきまして。その一つが、とっても豪華な脇役陣です。
公式サイトにはすでに、弟役のアルバーズ・カーン(上の写真右から2人目/実生活でも弟です)、敵役のソーヌー・スード(上の写真左から2人目)、特別出演のマラーイカー・アローラー・カーン(実生活ではアルバーズ・カーンの妻)の解説が出ているのですが、まだまだきら星のような(?)脇役がいるのです。公開に先立ち、ちょっとご紹介してみましょう。
本日はまず、麗しい女性2人から。劇中のスチールがないようなので、ありあわせの写真でごめんなさい。
ディンプル・カパーディヤー Dimple Kapadiya
チュルブル・パンデー(サルマーン・カーン)の母親ナイニー役。『ダバング 大胆不敵』は、チュルブル・パンデー警部が大暴れするアクション映画であるだけではなく、チュルブルの家族愛の物語でもあります。そのキーパーソンが母親であるナイニー。夫を亡くし、幼いチュルブルを連れてプラジャーパティ・パンデー(ヴィノード・カンナー)と再婚、次男のマカンチャンド(アルバーズ・カーン)を生む、という設定になっています。今は50歳を過ぎて老年に差しかかっていますが、昔はさぞ美人であったろうと思わせる顔の人です。美人ゆえにパンデー氏が再婚を申し出たに違いない、と想像してしまう、母ナイニーです。
その20数年前を想像していただけるのが、上の1991年に撮ったディンプル・カパーディヤーの写真。マドラス(現チェンナイ)で行われた、インド国際映画祭での写真ですが、しっかりカメラ目線ですね。
ディンプル・カパーディヤーは1957年6月8日生まれ。現在57歳です。映画デビューは1973年の『ボビー』(下写真)で、ラージ・カプールが息子リシ・カプールを大人の俳優として売り出すにあたっての相手役でした。『ボビー』は公開されるや大ヒット、ゴア出身の十代の娘ボビーを演じたディンプルは、たちまち大人気となりました。特に、ビキニ姿の15歳とは思えない発達した肢体がまぶしく、当時の若者は夢中になったものです。演技ものびのびとしていて、「フィルムフェア」誌の主演女優賞を獲得したほどで、将来が嘱望されていました。
ところが、映画が公開される直前にディンプルは、当時大人気の大物男優ラージェーシュ・カンナーと電撃結婚、あっさりと引退してしまいます。その後は、2人の娘の子育てに励み、10年以上の間映画には出演しませんでした。しかしながら、ラージェーシュ・カンナーとの関係に暗雲が立ちこめるようになり、1982年には別居。以後、離婚したという噂が流れたりしましたが、ラージェーシュ・カンナーが2012年に死去した時に彼女が喪主になったことから、30年間にわたる別居生活だったのだとわかります。
別居後の1984年、ディンプルは映画界に復帰します。復帰後の作品では、リシ・カプール、カマラハーサンと共演した『海(Saagar)』(1985)などがヒットし、また『ルダリ 悲しむもの』(1993)等芸術系の映画にも出演するなど、80・90年代は意欲的に映画出演を続けてきました。ここ10年ほどは毎年1、2本の割合で映画に出演、ゆったりと生活しているようです。
娘のうち、姉トゥインクル・カンナーは女優として活躍したあと、2001年に人気男優アクシャイ・クマールと結婚。2人の子に恵まれて幸せに暮らしています。妹リンキー・カンナーも一時女優として映画に出ていましたが、2003年の結婚後はすっかり家庭に入ってしまいました。ディンプル自身は一時、妻のあるサニー・デオルとの仲が取りざたされましたが、ラージェーシュ・カンナーと最後まで離婚しなかったことから、再婚する気はなかったのでは、と思われます。
日本で上映された作品としては、『ボビー』『ルダリ 悲しむもの』そして『チャンスをつかめ!』(2009)があります。いずれも映画祭上映ですので、『ダバング 大胆不敵』が一般公開では初となります。もうちょっと、美人に撮れている作品にしてあげたかったですねー。
マーヒー・ギル Mahi Gill
『ダバング 大胆不適』でマーヒー・ギルが扮するのは、マカンチャンドことマッキー(アルバーズ・カーン)の恋人ニルマラです。ニルマラの父親(ティーヌー・アーナンド)が教師で金持ちではないため、嫁の持参金を狙っているマッキーの父に結婚を反対されますが、相思相愛の2人はある手段をこうじて結婚の意志を貫きます。とはいえ、その結婚式もスムーズには行かないのですが....。
マーヒー・ギルも、すでに日本にお目見えしています。映画祭上映された『デーウD』(2009)、「デーウダース」の現代版のヒロイン役が彼女だったのですね。1975年12月19日にパンジャーブ州のチャンディーガルで生まれたマーヒー・ギルは、本名がリンピー・カウル・ギルとなっているところから、シク教徒ではないかと思われます。シク教徒は、男子には「シン」を、女子には「カウル」を付けることが多いのです。
2003年にパンジャービー語映画でデビューを飾り、以後、ヒンディー語映画にも出演し始めます。そして、アヌラーグ・カシャプ監督に見出されてヒロインに抜擢された『デーウD』で、その大胆な演技で一躍注目されることに。『ダバング 大胆不敵』ではどちらかというとチョイ役でしたが、その翌年の『旦那様と奥様とチンピラ(Sahib, Biwi Aur Gangster )』(2011/上写真)では若い男(ランディープ・フーダー)を誘惑する奥様役で、再び大胆な演技を披露。この映画はヒットして、続編が作られました。
続編『戻ってきた、旦那様と奥様とチンピラ(Sahibi, Biwi Aur Gangster Returns)』(2013/上写真)では、今度はイルファーン・カーン演じる中年男を相手に、またまたあんなことやこんなことをしてしまう演技を披露、夫(ジミー・シェールギル)とその想い人(ソーハー・アリー・カーン)も巻き込んだ愛憎劇を見応えのあるものにしてくれていました。演技力の備わったマーヒー・ギル、まだまだその個性を発揮してくれそうです。
こんな風にチョイ役にも豪華な俳優が使われている『ダバング 大胆不敵』。楽しみにして、来週の土曜日7月26日には劇場にかけつけて下さいね。詳しい情報は、公式サイトや公式FBでご確認下さい。