アジア映画巡礼

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タイ映画2連チャン<ヌン>『アタック・ナンバーハーフ・デラックス』

2016-04-12 | 東南アジア映画

タイ映画ファンの皆様、お待たせしました~。お待ちになったかいがありましたよ、タイ映画が2本続けて公開されます。まず、『アタック・ナンバーハーフ・デラックス』が4月30日(土)から、そして『すれ違いのダイアリーズ』が5月14日(土)からの公開です。どちらも2014年の作品で、ジャンルも違えば作品のカラーも違うものの、2本ともタイ映画の楽しさを思う存分満喫させてくれる作品です。というわけで、まずは『アタック・ナンバーハーフ・デラックス』からご紹介。行ってみよう! ヌン・ソーン・サーム(1・2・3)!


『アタック・ナンバーハーフ・デラックス』 公式サイト 
2014年/タイ/タイ語/111分/原題:สตรีเหล็ก ตบโลกแตก 

 監督:ポット・パセート
 主演:ラッタプーン・トーコンサップ、ウォラチャイ・シリコンスワン、スダーラット・ブットプロム、パランユー・ロジャナワティタムカン、パドゥン・ソンセーン 

 配給:アクセスエー、シネマハイブリッドジャパン
 配給協力:ニチホランド
 宣伝:村井卓実/長村亜紀

4月30日(土)シネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次アタックロードショー

 

(c) 2015 Phranakorn Film

お話は現在から始まります。冒頭、主人公たちが見ているのは、タイVS.日本の女子バレーの試合。ところが、みんなは試合そっちのけで、シワが目立ってきたなどと大騒ぎ。リーダーのムイ(ラッタプーン・トーコンサップ)にシワ取り注射を勧めるのは同性愛者のトム(バッダナイ・セートスワン)、注射は任せてとばかり注射器を握りしめるのは個性的すぎるメガネのノイナー(パドゥン・ソンセーン)....。みんなは10年前、ムイがチームのみんなを引っ張って、全国大会への出場を目指していた頃のことを思い出します。

1996年、ムイの元にビー監督(スダーラット・ブットプロム)から電話が入りました。バレーボール・チーム「サトリー・レック/鋼鉄の淑女」を再結成することにした、というものでした。その頃ムイは高校の体育教師として男子バレーボール・チームのコーチもしていました。ビー監督はムイと共に、かつての教え子でおかっぱ頭のジュン(ウォラチャイ・シリコンスワン)とかわい子ちゃんのダオ(キティパット・サマンタラクンチャイ)にも、チームメートを集めるよう依頼します。(下の写真右から、ムイ、ジュン、ダオです)

(c) 2015 Phranakorn Film

こうして、市場で野菜運びをしているお騒がせおネエのカントーク(パランユー・ロジャナワティタムカン)、中華系の薬屋の一人息子で、祖母と母の期待を一心に背負ったトム、ニューハーフ・ショーで中国美人に扮して大人気のパーン(ウォンサパット・タンニヨム)、性格美人コンテストに出たものの1位を逃したマッチョ美人のヌ(チャイワット・トンセーン)、チンピラたちに襲われてその道に目覚めてしまったノイナー、そして唯一ストレートだったチャート(アルサマン・ジッタシリ)らが集まってきます。こうしてランパーン県代表チームが結成され、猛特訓が始まります。チェンマイ・チームとの戦いでは、相手チームのレギュラーの1人がダオにメロメロになるハプニングも起きて、新生サトリー・レックは順当に勝ち進んでいくのですが....。

(c) 2015 Phranakorn Film

とにかく、けたたましくて賑やか。キャラ立ち度も以前の作品『アタック・ナンバーハーフ』(2000)と『アタック・ナンバーハーフ2全員集合!』(2002)を遥かに超えて、迫力倍増となっています。その原因の1つが、マッチョボディのイケメンたちがニューハーフの主人公たちを演じていることで、特にムイ、ヌ、カントーク(下の写真を見て下さい!)の3人は、その迫力にスクリーンがビリビリと裂けそうなぐらいです。また、ダオは本当にかわいいし、ノイナーは常軌を逸していると言っていいぐらいぶっ飛んでいるし、と、1人1人が個性的で見ていて飽きません。いや、飽きている隙も与えてもらえないほど、観客に向かって濃~いキャラが弾丸のように降り注ぐ、とでも言えばいいでしょうか。

(c) 2015 Phranakorn Film

迫力倍増と言えば、今回の『アタック・ナンバーハーフ・デラックス』では、バレーボールの試合がとても見応えのあるものに変化しています。前作の、どちらかと言うとマンガチックなプレーは影を潜め、「バーン!」という音が体育館内にこだまするような、ガチの試合シーンが続きます。昔、大学の授業で『アタック・ナンバーハーフ』を見てレポートを書いた学生が、「大変面白かったが、自分は中・高とバレー部だったので、あの試合シーンだけは納得できなかった」といろいろダメ出しをしてきたことがありましたが、今度の『アタック・ナンバーハーフ・デラックス』なら、彼も文句は言わないのではと思います。

(c) 2015 Phranakorn Film

そのほか、ポット・パセート監督はなかなか細かいところにも凝る人のようで、ジュンとダオが暮らす部屋はじめ、室内シーンのインテリアがどこもオシャレ。タイ映画のポスターがさりげなく飾ってあったり(『早春譜』だったような気が...1995年の大ヒット映画『Lohk Thang bai hai naai khon diao(あなたにすべてを)』、英語題名『Romantic Blue』でした。配給会社の方に教えてもらいました!)、かわいい水玉ふとんが登場したりと、そのあたりもチェックをするのが楽しい作品でした。なお、サトリー・レックの皆さんの顔と名前を憶えていくと、映画がもっと楽しくなること請け合いです。下の予告編や、公式サイトのキャスト一覧でぜひ予習をしてからお出かけ下さいね。

三ツ矢雄二ナレーション 映画『アタック・ナンバーハーフ・デラックス』予告編



 


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