アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

大阪アジアン映画祭にヴィクラムがぁぁぁ!!!

2012-03-02 | インド映画

大阪アジアン映画祭で上映される『神さまがくれた娘』の字幕、やっと第1関門をクリアしました。ようやく字幕の形になったのです。

これから仮ミックスと呼ばれる、映画画面に仮に字幕を入れ込んだ素材を作ってもらい、さらにチェックすることになります。今回はタミル語がご専門のF先生に監修をお願いし、その上手な日本語にも助けられました。そして、字幕制作を担当するアテネフランセ文化センターの担当者が、これまた丁寧かつ厳しいチェックを入れて下さる予定なので、映画祭の時はバッチリの字幕になっているはずです。

乞うご期待....とはいえ、こちらの心がわしづかみにされるのは、むしろ字幕のない部分なんですね。字幕が完成するまでは、何度も何度も画面を見てチェックするのですが、最後の裁判所シーンはそのたびに大泣きしてました。娘ニラー役のベイビー・サラ、もう犯罪的にカワイイです! 大阪アジアン映画祭の公式サイトに、彼女の写真がアップされていますのでどうぞ。下の写真に写っている、アマラ・ポール(左)やアヌシュカ(右)といった、美しいお姉さん俳優たちもタジタジです。

今回、画面のクレジットでは監督の名前が「Vijay/ヴィジャイ」としか入っていず、映画祭公式サイトでは「A.L.ヴィジャイ」のため、どうするべきかと悩んだのですが、その確認で映画祭のサイトを見直していたらとんでもないニュースを発見。このページに、下のようなゲスト情報があったのです。

3月15日(木)15:40 ABCホール
★A.L.ヴィジャイ監督、ヴィクラムさん(主演)舞台挨拶(予定)

ぬわにぃぃぃ、ヴィクラムがゲストで来るとな?! ホンマかいな、の世界ですが、ホンマやったら、こら、えらいこっちゃがな。インド映画ファンの皆さん、大阪に行って損はないですよ~。だって、生ヴィクラムが拝めるんですからね。3月18日(日)10:15からのシネ・ヌーヴォでの上映は挨拶なしのようなので、1日だけのために来日してくれるんですね。久々に、大物インド映画スターの来日です。お仕事なんか休んで、ABCホールへ行こう!

私がヴィクラムを初めて見たのは、記憶では『偉大なる父』 (2004/原題:Pithamagan)なんですが、今回調べたら『セートゥ』 (1999/原題:Sethu)の方がもっと古い作品であることが判明。『セートゥ』もチェンナイの映画館で見ているので、そっちが先だったのかも。ガキ大将的大学生が、好きな女の子に暴力的な方法でしか告白できず、それが元で自分を追い込むことになる『セートゥ』(上)と、遺体焼き場で育った野獣のような青年が、仲間を持つ楽しさに目覚めたと思ったら、権力によってそれが崩壊させられていくという『偉大なる父』(下)は、どちらもパワフルで、すごい破壊力を持った作品でした。

特に『偉大なる父』は相手役がスーリヤなので、とんでもない緊張感が画面にみなぎる作品になっています。ヴィクラムの役はあまりしゃべらないのですが、それを補うかのようにチンピラ詐欺師のスーリヤがしゃべり、ものすごくいいコンビ。見た時から日本で上映したいと思いつつ、主人公の背景がそれを許さないだろうなあ、というため息も。インド版『おくりびと』ならまだしも、もっと直裁的な表現で死を扱っているので、日本人観客にはショックが強すぎると思うのです。

ヴィクラムは刑事とか普通の人の役(笑)もやっているのですが、なぜか精神的に問題のある役が多くて、上記2本の他、『見知らぬ人』 (2005/原題:Anniyan)(上)でも三重人格者を演じています。かつて袋井由布子さんが「旅行人」No.150(2006年冬号)の「南インド映画の現在」の中で、”心の闇を投影するタミル語映画”に関して興味深い論考を書いておられました。興味がある方は読んでみて下さいね。 

旅行人 2006年冬号ディープ・サウス・インディア
クリエーター情報なし
旅行人

今回の『神さまがくれた娘』のヴィクラムの役も、とってもチャレンジングな役です。劇中1カ所、主人公のクリシュナがするおとぎ話の中でだけ、ヴィクラムはカッコイイ王様になったり、スーパーマンになったりと素顔(?)を見せます。そのギャップがまたいいんですが、映画祭で上映終了後(多分。上映前かも)登壇するヴィクラムと劇中主人公のギャップをこの目で見られるなんて、その日の観客は本当に果報者ですねー。2010年の東京国際映画祭で『ラーヴァン』 (2010)を上映した時も、来てくれればよかったのに、グスン。

ヴィクラムの素顔を予習したい人は、こちらの画像ページをどうぞ。人柄を予習したい人(笑)は、むんむんさんのサイトをどうぞ。大阪に見にいらっしゃる皆様、楽しんで来て下さいね。私はその頃、インドにいる予定です。

 


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2 コメント

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ヴィクラム、楽しみです! (むんむん)
2012-03-03 21:37:04
たいへんな字幕作業、ありがとうございます。
東京から観に行くことにしたので、日本語字幕つきのヴィクラムも、生ヴィクラムもめちゃくちゃ楽しみにしています!
現在、サイトのトップページもヴィクラムにしています♪

A.L.ヴィジャイ監督は、ニュースでも表記がヴィジャイだったり、A.L.ヴィジャイだったりして紛らわしいですね。
「ヴィクラム、ヴィジャイとタッグ!」みたいな見出しを見て、うわー、ヴィジャイと共演か、すごいー!と興奮して記事を見たら、A.L.ヴィジャイ監督のことで、あーDeiva Thirumagalの監督さんだったのね、とか(笑)

PS:Pithamaganは、「偉大なる父(=神)の息子」というような意味だったと思います。「神さまがくれた娘」と何か相通じるものがありますね。映画の雰囲気は全く違いますが。
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むんむん様 (cinetama)
2012-03-04 12:48:52
コメント、ありがとうごさいました。サイトも勝手にリンクさせていただいてすみません。

監督名に関してのご教示もありがとうごさいました。大阪アジアン映画祭の公式サイトでも、最初監督名に「A.L.ヴィジャイ(確認中)」と出ていましたので、どうしたのかな~、と思っていたら、こういうことだったのね、と思った次第です。

上映にもいらっしゃるんですね。いいな~。「おうっぽれ~!」のポーズ、またなさるんですか? 会場の盛り上がりぶり、むんむんさんのサイトで拝見できるのを楽しみにしています。

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