ついこの間、大スクリーンでカールティの熱いアクションを堪能したばかりのタミル語映画『囚人ディリ』(2019)。公開時のチラシにあったキャッチコピーは、一部にちょっと残念なところがあり、もっと盛ってもいいのにな、と思ったことを思い出します。
残念に思っていたのは「信心深い!」というコピーで、某シネコンの大画面で『囚人ディリ』を見ながら、確かに主人公のディリは突然お祈りを始めたりすることから「信心深い」は当たってるんだけど、こういう「死線上の危機を暴走突破!!」的主人公にはもっと強い言葉の方がいいなー、とあらためて思いました。いやいやホント、この映画のアクションはまさにハンパないのです。主人公ディリが立ち向かうアクションシーンだけでも山場がいくつもあって手に汗握らされますが、さらには老警官と若者たちが奮闘する籠城アクションもありで、ラストシーンの静けさを味わう頃には体がぐったりしてしまうほど。さて、ソフトのカバーも「信心深い!」かな、と思ってアマゾンのパックから取り出したら...。ということで映画のデータと共に、ソフト・カバー表裏のヴィジュアルもどうぞ。
『囚人ディリ』 公式サイト
2019年/インド/タミル語/145分/原題:Kaithi
監督:ローケーシュ・カナガラージ
主演:カールティ、ナレーン、ジョージ・マリヤーン、アルジュン・ダース
提供:SPACEBOX
発売元:フルモテルモ
販売元:ハピネット・メディアマーケティング
価格:DVD 4,290円(税込)/Blu-ray 5,280円(税込)
おっ、ちょっとキャッチコピーが変わりましたね。「暴走」に「フルスロットル」、あのアクションにピッタリかも。それとこの映画、脚本が非常にうまいです。ツッコミどころもいくつかあるのですが、静と動の使い分けが計算されていて、激しいアクションの合間にセンチメンタルな親子の情愛を適宜挿入したり、潜入警官&潜入ギャングをからませたり(『インファナル・アフェア』見てますね)と、脚本も共同で担当したローケーシュ・カナガラージ監督の腕が冴えます。ソフトでじっくりご覧になれば、そのあたりのよさがよくわかっていただけると思いますが、この後にヴィジャイ主演の大ヒット作『マスター 先生が来る!』(2021)が続くカナガラージ監督作品、正直言うと『囚人ディリ』の方が映画としては面白いかも知れません。ところで、今回も嬉しい「SPACE BOX仕様」でポストカードが2枚入っているのですが、その1枚はもちろん主演のカールティ、そしてもう1枚(↓)は何と! 悪役のアンブを演じたアルジュン・ダースなんですね。
アルジュン・ダースは声がそれはそれは渋くてセクシーで、その深みのある声は一度聞いたら忘れられないぐらいなのですが、脇役のポスカが特典に付くなんて異例ですね。アルジュン・ダースはローケーシュ・カナガラージ監督もお気に入りのようで、『マスター 先生が来る!』にも出ていましたし、6月3日にインド公開が予定されている同監督の新作『Vikram(ヴィクラム)』にも出演しています。ただ、この映画はカマルハーサン主演なので、この大スターに遠慮して、監督の演出の冴えが曇るのでは、とちょっと危惧しています。いっそ、アルジュン・ダース主演で1本撮ってくれるといいんですが。そんなアルジュン・ダースの声(!)が最初に出てくる予告編を付けておきます。そうそう、アマゾン沼の販売サイトはこちらです。
『囚人ディリ』Blu-ray&DVD4/6発売!
それから、インディアン・ムービー・ウィーク(IMW)で上映されたヒンディー語映画『心のままに』(2019)も、7月6日にソフト発売予定です。
『心のままに』
©️Colour Yellow Productions, ©️Phantom Films
2019年/ヒンディー語/156分/原題:Manmarziyaan/मनमर्जियां
監督:アヌラーグ・カシャップ
出演:タープシー・パンヌー、アビシェーク・バッチャン、ヴィッキー・コウシャル
音楽:アミト・トリヴェーディー
配給:SPACEBOX
IMWの紹介サイトはこちらです。アマゾン沼では現在予約受付中です。
実はもう1本、ご紹介したい作品があったのですが、明日に繰り延べます。というわけで「つづく」でした。