先日こちらで<IMW2021パート2>をご案内しましたが、以前IMWで上映された作品2本がDVD化されて発売されます。発売されるのは、ヒンディー語映画『ムンナー・マイケル』(2017)とマラヤーラム語映画『ジャパン・ロボット』(2019)の2本です。発売日は9月10日(月)の予定ですので、両作品のデータと、プレスリリースに掲載されたストーリー紹介をまずどうぞ。
『ムンナー・マイケル』
2017年/インド/ヒンディー語/140分/原題:Munna Michael
監督:サッビール・カーン
脚本:ヴィンミー・ダッター
出演:タイガー・シュロフ、ナワーズッディーン・シッディーキー、ニディ・アグルワール、ローニト・ロイ、パンカジ・トリパーティー
初回上映:インディアンムービーウィーク2019ヒンディー映画セレクション(2019年10月開催)
製作・販売:Space Box
特典:特製ポストカード2枚付き
©Next Gen Films, @Eros Worldwide
1995年、ムンバイ。マイケル・ジャクソンをリスペクトする映画のバックダンサーは、路上で泣いていた赤子を拾う。月日が経ち、その子はダンスが得意な青年に成長。「ムンナー・マイケル」と名乗り、クラブでのダンスバトルで稼いでいた。ムンナーはニューデリーのクラブでのトラブルをきっかけに、ギャングのボス、マヘンドラに出会う。マヘンドラは思いを寄せるダンサーのドリーに気に入られたいと、ムンナーをコーチに迎えダンスの訓練を始めるが…。タイガー・シュロフがたぐいまれなる身体能力で挑んだ、マイケル・ジャクソンへのトリビュート。
『ジャパン・ロボット』
2019年/インド/マラヤーラム語/139分/原題:Android Kunjappan Version 5.25
監督・脚本:ラティーシュ・バーラクリシュナン・ポドゥヴァール
出演:サウビン・シャーヒル、スラージ・ヴェニャーラムード、ケネディ・ジルド、サイジュ・クルップ、マーラ・パールヴァティ
初回上映:インディアンムービーウィーク2020にて上映(2020年9月)
製作・販売:Space Box
特典:特製ポストカード2枚付き
©Moonshot Entertainments ©Saina Video Vision
ロシア経由でインド南部ケーララ州の片田舎にやってきた日本製ロボット、クンニャッパン。便利な機械を拒む老人の凝り固まった心は、お手伝いロボットの登場によって徐々に和らぎ、同時にロシアに働きに出かけた一人息子との関係にも変化が兆す。クンニャッパンは、生活の支えとなり、隣人と和解させ、蘇った恋心を後押ししたが…。着ぐるみ感満載のロボット、中国風BGMと共に登場する「日系」ヒロイン、個性的な村人たちなど、風変わりな要素を散りばめた脱力系コメディーに見せかけて、現代社会への鋭い皮肉を随所に散りばめたSF寓話。
[DVD販売サイト インディアンムービーオンライン]
株式会社Space Boxと株式会社シネブリッジが共同で立ち上げた、インド映画のビデオ・オン・デマンド(VOD)サービスです。Space Box配給の一部作品をオンライン配信するほか、DVDや書籍などをオンライン販売しています。ご連絡はこちらへ。
実は私、『ムンナー・マイケル』をIMW2019で見逃していまして、今回DVDで見られるのがとても楽しみです。「ムンナー」はご承知のように男の子を呼ぶ時に使う「坊や」みたいな意味の言葉なのですが(女の子だと「ムンニー」になります)、まさに赤ん坊時代から物語が始まるのですね。役どころは、主役のムンナー・マイケルはもちろんタイガー・シュロフ(成長後)ですが、赤ん坊を拾う育ての父親役がローニト・ロイで、マイケル・ジャクソンをリスペクトするバックダンサー――って、ローニト・ロイ、踊れるのか!? こんな心配をした人が多かったようで、誰かさんがこっそり証拠映像をYouTubeにアップしてくれていました。違法アップロードはいけませんが、なるほど~、こうなるのか。赤ちゃんが名演技してますが、監督サッビール・カーンの腕の見せ所でしょうかね。赤ちゃんからタイガー・シュロフになるまで、かわいいムンナーたちが出て来て達者な踊りを見せてくれます。
©Next Gen Films, @Eros Worldwide
あと、今回の見どころは、ローニト・ロイだけでなくナワーズッディーン・シッディーキーも踊る! というところで、これまた目も当てられないダンスぶりではないかと心配です。下のような画像を見ると、ますます心配になりますね。これがギャングのボス、マヘンドラだというのですから、結構トホホです。ムンナー・マイケルに笑われてますよ~。
©Next Gen Films, @Eros Worldwide
それと、ギャング登場となれば、当然アクション・シーンもあるわけで、タイガー・シュロフの華麗なるアクションの数々も見られるようです。えーい、面倒くさいので、インド版の予告編を付けておきます。これを見ると、未見の方は絶対!手に入れたくなると思いますよ。DVDのお値段がプレスリリースには載っていないのですが、4,290円(税込)だとこちらのサイトにはありましたので、9月分のお小遣いをセーブしてぜひお求め下さい。では、目もくらむような『ムンナー・マイケル』予告編をどうぞ!!!!!
Munna Michael Official Trailer | Watch Full Movie On Eros Now
もう1本の『ジャパン・ロボット』は、こちらはもう愛しくなるような作品で、南インドのケーララ州にある田舎町が舞台です。同じくケーララ州で作られた『ジャッリカットゥ 牛の怒り』(2019)とは違って、村人はみんな穏やかな人ばかり...でもなくて、ゴシップ好きの皆さんが、サウビン・シャーヒル演じる息子と、その頑固な父親役スラージ・ヴェニャーラムードの確執+ハイテクロボット「クンニャッパン」の騒動に一枚噛んで、見せ場を次々作ってくれます。サウビン・シャーヒルは私の大好きな作品『Kumbalangi Nights(クンバランギの夜)』(2019)や『ナイジェリアのスーダンさん』(2018)などに出て、いつも達者な演技を見せてくれる役者さんで、これに老け役に挑戦したスラージ・ヴェニャーラムードの名演技、さらには発泡スチロールで作ったのかと思うようなクンニャッパンの人形振りならぬ機械振りが見応え十分です。おまけに、妙ちきりんな日系娘の登場や、モスクワ編の異世界観など、映画好きには応えられないぶっ飛んだ映画になっています。
©Moonshot Entertainments ©Saina Video Vision
でも、その底にあるのは親子の情愛や、異世界のアンドロイドとも心を通わせることができるケーララ人の柔軟な精神で、これが見る人の心を打ちます。そんなわけでインドでも人気の作品となり、2020年以降リメイクが続々と続いています。最近発見したのはタミル語版のリメイクなんですが、何と!『ムトゥ 踊るマハラジャ』(1995)の監督K.S.ラヴィクマールが父親役を演じている『Koogle Kuttapa』。「Koogle」は「グーグル」のことですね。こちらのロボットの方はちょっとペッパー君に似ています――というか、一休さん^^に似てますね。『ジャパン・ロボット』の予告編と共に、タミル語版リメイク『Koogle Kuttapa』の予告編もサービスしておきます。なお、ヒンディー語版リメイクも考えられているそうで、父親役はアニル・カプールが候補に挙がっているとか。どうなるのか、注目していましょう。
Android Kunjappan Version 5.25 | Official Trailer | Soubin Shahir | Ratheesh Balakrishnan Poduval
Koogle Kuttapa Teaser - KS Ravikumar | Ghibran | Yogi Babu | Tharshan | Losliya | Sabari - Saravanan
こちらのDVDも4,290円(税込)。お申し込みは同じくこちらのサイトです。ぜひ、クンニャッパンの活躍を楽しんで下さいね。