アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

NHKアジア・フィルム・フェスティバルの予習

2011-10-05 | インド映画

NHKエンタープライズの方が、第12回NHKアジア・フィルム・フェスティバルの案内とチラシを送ってきて下さいました。今年のチラシはデザインがちょっとしゃれてます。

 

「剣」「花」「風」「草」というキーワードが写真に入っているのが見えるでしょうか? ヒロインたちのやわらかな表情もステキです。とはいえ、1人だけコワい顔をしているヒロインが....。

インド映画『秘剣ウルミ』のヒロイン、ジェネリア・デソウザ(”デスーザ”という表記の方が好きなんですが、ここはNHKアジア・フィルム・フェスティバルに敬意を表してこちらを)です。インド版のポスターも、シリアス顔ですねー。ポスターは真ん中がプリトヴィーラージ、その右がジェネリア・デソウザ、そしてプリトヴィーラージの左側がプラブ・デーヴァです。

今日は皆さんにプリトヴィーラージとジェネリア・デソウザの顔を覚えていただくために、少しだけ事前学習をサービス。

まず、プリトヴィーラージですが、主たる活躍の場はマラヤーラム語映画界であるものの、タミル語映画にも時々出ています。そんな中で私が唯一見たことがあるのが『言葉』 (2007/原題:Mozhi)。これは2組のカップルの話で、中心になるのは音楽家のカールティク(プリトヴィーラージ)と聴覚障害者で言葉も話せないアルチュナ(ジョーティカー)の2人。ジョーティカーは『チャンドラムキ』 (2005)にも出演していたので、皆さんご存じですよね。タミル語映画界の人気男優スーリヤの奥さんでもあります。

障害者でありながら、とても明るくて前向きなアルチュナに惹かれ、カールティクは彼女とつきあい始めます。手話も熱心に習ってアルチュナと不自由なく話せるようになるカールティクですが、やはりいろんな行き違いが出てきて....というメインのお話に、カールティクの相棒(プラカーシュ・ラージ)とアルチュナの親友である若い未亡人との恋がからみます。もちろん最後はハッピーエンドですが、そこに到るまでにたっぷり目頭が熱くなる、感動のラブストーリーです。最初見た時はプリトヴィーラージが結構おっさんに見えたのですが(ファンの方、ごめんなさい!)、あらためて映像を見直してみるとなるほどカッコイイです。えー、今調べてみたら、1982年10月16日生まれと言うことなので、もうすぐ29歳ですね。

カールティクがアルチュナとつきあい始めるシーンと、2人の仲のいいシーンを付けておきましょう。じっくりとプリトヴィーラージの顔を見て、憶えて下さいね。しかしプリトヴィーラージ、額の生え際がちょっと後退しとらんかね、キミ。少し心配です....。

ジェネリア・デソウザの方は、何と言っても2008年にヒットした『君は知っているのやら...知らないのやら』 (原題:Jaane Tu...Ya Jaane Na)のヒロイン役がピカ一。あと、『チャンスにダンス』 (2010/原題:Chance Pe Dance)でシャーヒド・カプールと共演したりしていましたが、やはり魅力的なのはエキセントリックな女子大生アディティを演じた『君は-』になります。

この物語は、とても仲のいいジャイ(イムラーン・カーン)とアディティ(ジェネリア・デソウザ)の関係が、回りはカップルとみなしているのに本人たちは同性の親友のつもりでいることから、だんだん変な方向に行ってしまう、というお話です。少女漫画にありがちなプロットなんですが、ほぼボリウッドでは無名の俳優というフレッシュな顔ぶれで演じられたのと、素人くさい作りになっているのが初々しくてよかったのか、興行収入ベスト10の第6位という大ヒットになりました。どんな感じなのか、「時々アディティは」というで見てみて下さい。帽子を被っているのが、ジェネリアです。

イムラーン・カーンはこれ1作でスターの仲間入りをしましたが、彼はアーミル・カーンの甥なので、まあほっといてもスター街道を進むでしょう。アーミルの初期の映画に子役で出ているそうです。今度チェックしてみなくちゃ。一方ジェネリア・デソウザは、この映画でイムラーン・カーン以上にしっかりとみんなに顔を憶えてもらいました。う~ん、まだ顔がよくわからない、という方には、歌のシーンをもう一つ付けておきます。

ただ、今度の『秘剣ウルミ』では雰囲気ががらっと変わっているみたいなので、この事前学習も役に立たないかも。女優さんは化けますね~。彼女、1987年8月7日生まれなので、今24歳です。

もう一つ、『秘剣ウルミ』で事前学習しておきたいのが、「ウルミ」について。こちらのウィキをぜひ覗いておいて下さい。ムチのように長くて、しなる剣なんですねー。「水滸伝」に出てくる武器とは違うのかな? 実際の動きを見たい方は、この映像がお役に立ちます。でも、ネタばれ気味なので、映画を先入観なくご覧になりたい方は、映画のあとで見て下さいまし。

NHKアジア・フィルム・フェスティバルは10月15日(土)~19日(水)で、全作品が毎日上映されます。時間は変わるので、映画祭の公式サイトで確認してから、NHKみんなの広場ふれあいホールにお出かけ下さいね。それでは、六本木の前に渋谷でお会いしましょう!

 

 


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4 コメント

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監督が… (がむら)
2011-10-17 20:43:51
アッパス監督の来日が中止になっちゃったらしいですね、ああ悲しい。

ウルミって『アショカ』でシャールクが使ってるのもウルミですよね? カッコイイから好きです!
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がむら様 (cinetama)
2011-10-18 00:13:51
そうなんですよー、今日見に行ったら「アッバース・キアロスタミ監督は体調不良のため来日中止となりました」と張り紙が出ていました。替わりに、黒沢清監督がいらしていろいろなさるようです。東京芸大とのタイアップ企画みたいで、それで東京芸大の教授でもある黒沢監督がピンチヒッターになったようです。

今日はタイ映画とイラン映画を見てきたのですが、イラン映画『花嫁と角砂糖』がす~ごくよかったです。一大エンタテインメントでした。まだご覧になってなかったらぜひ。

『アショカ王』の中でシャー・ルク・カーン扮するアショカがウルミを使ってましたっけ? がむらさん、記憶力がいいですねー。
あ、そうだ、『花嫁と角砂糖』の中に、名前だけですが「シャーロク」(シャールクのペルシャ語読み)という人が出てきて、ちょっとニヤついてしまいました。ヒロインは「パサンド」ちゃんと言うのですよ。ヒンディー語でよく使う「パサンド(好きな)」がペルシャ語語源だったんだ~、と、これまたお勉強になった映画でした。
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「花嫁と角砂糖」 (りからん)
2011-10-18 21:15:10
よかったですよね~、この映画
黄色っぽいトーンといい、豊かな色彩といい、登場人物の会話や表情、本当に魅せられましたイランの結婚式などの風習も、日本と変わらないところ・違うところとあってとても面白かったです。
土曜の上映後の監督Q&Aによると、イランの砂漠の中にあるなんとかという古い街を設定して撮ったそうですが、あの家はセットなんだそうでちょっとビックリです。
一般公開か、DVD出ないかな~と今から期待してます
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りからん様 (cinetama)
2011-10-19 00:14:30
やっぱり~。「花嫁と角砂糖」、愛すべき作品ですよね。NHKなので、BSで来年あたり放映されると思いますが、一般公開になってもいい作品ですね。後半はちょっとアレですが、ラストも余韻と希望があって、元気がもらえる映画だと思いますし。

Q&Aのお話も教えて下さってありがとうございました。えー、セットなんですか!? 確かに、あれだけの大人数を入れ込んで撮るので、本物の家では無理だったかも。家の外の通りもひょっとしてセットなのかしら...。もう一度見て確かめたいです。
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