インド映画の次なる公開作がなかなか聞こえてこないのですが、3月の2つの映画祭でインド映画が上映されることになりました。その①は、3月16日(土)からの渋谷ユーロスペース開催を皮切りに、名古屋シネマテーク(3月30日~)、神戸・元町映画館(4月27日~)と3都市で開催される<イスラーム映画祭4>。その②は、3月8日(金)から開催される<第14回大阪アジアン映画祭>で、本日ラインアップが発表されました。どちらもヒンディー語のメインストリーム作品ではありませんが、面白そうなインド映画です。まずは、<イスラーム映画祭4>の概要とラインアップからどうぞ。
<イスラーム映画祭4> 公式FB
3月16日(土)~3月22日(金) 東京・ユーロスペース
3月30日(土)~4月5日(金) 名古屋シネマテーク
4月27日(土)~5月3日(金) 神戸・元町映画館
【上映作品】(ストーリーは公式プレスより)
[メイン・プログラム~フォーカス・オン・イエメン~]
『わたしはヌジューム、10歳で離婚した』
2014年/イエメン/アラビア語/99分/原題:I Am Nojoom, Age 10 and Divorced
監督:ハディージャ・アル=サラーミー
幼くして結婚したヌジュームは、ある朝家を飛び出して裁判所へ駆け込み、離婚したいと訴える。驚く判事を前に彼女は、歳のかけ離れた夫の暴力に耐える日々と、自分が嫁に出されるまでの経緯を語り始めるのだった…。
『イエメン:子どもたちと戦争』
2018年/フランス/52分/原題:Yemen: Kids and War
監督:ハディージャ・アル=サラーミー
11歳のアフメド、8歳のリマ、9歳のユースフは、内戦下のイエメンに生きる人々の声を集め始める。彼らは負傷したり、親を失った子どもたちの他、画家やラッパー、SNSの人気モデルにもインタビューしてゆく…。
『気乗りのしない革命家』
2012年/イギリス/70分/原題:The Reluctant Revolutionary
監督:ショーン・マカリスター
アラブの春”を取材すべくイエメンに入った作者は、現地の観光ガイド、カイスと出会う。ビジネスに支障をきたし、反政府デモに懐疑的なカイスだったが、デモ隊に発砲する政府の姿や死傷者を見て考えを変えてゆく…。
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『その手を離さないで』
2017年/ボスニア・ヘルツェゴビナ、トルコ/原題:Bırakma Beni/英題:Never Leave Me
監督:アイダ・ベギッチ
シリアからトルコに逃れたものの、最愛の母も失い、シャンルウルファの孤児施設に引き取られたイーサ。彼はそこで同じ境遇のアフマドとモアタズに出会う。3人は各自の目的のため、街でティッシュ配りを始めるが…。
『ナイジェリアのスーダンさん』
2018年/インド/マラヤーラム語/122分/原題:Sudani fron Nigeria
監督:ザカリヤ
地元サッカーチームのマネジャーを務めるマジード。ナイジェリアから招聘した選手サミュエルの活躍で彼のチームは快勝するが、ある日サミュエルは怪我を負ってしまい、マジードは自宅で彼の世話をすることになる…。
※「ナイジェリア出身なのにスーダン人と思われるサッカー選手と、所属チームのマネージャーとの友情を描くヒューマン・コメディ」とのことで、アフリカの西部(ナイジェリア)も東部(スーダン)も区別がついていないケーララのインド人ムスリムコミュニティとアフリカ人青年の交流を描く作品のようです。主演は泥棒役で『チャーリー』(2015)に出演していたソウビン・シャヒール。余談ながら、ナイジェリアは「製作される映画の本数が世界一」ということでも知られており、年間2000本の作品が生まれるというここの映画界は「ノリウッド」と呼ばれています。でも、ほとんどの作品がVCDやDVDリリースなので、公開作として作られるインドとは違う、というわけで、私は頑固に「インド映画こそが製作本数世界一」を貫いています(^^)。そんなエピソードが、本作の中にも出てくれば面白いのですが...。
『イクロ2 わたしの宇宙(そら)』
2018年/インドネシア/100分/原題:Iqro My Universe
監督:イクバル・アルファジリ
”イクロ”とは、アラビア語起源の“読め”という命令形の動詞で、インドネシアではアラビア語でクルアーンを朗誦する練習方法を指す。祖父のもとでクルアーンを学んだアキラは、イスラームの誇りを胸に欧州へ旅立つ…。
『僕たちのキックオフ』
2008年/イラク、クルディスタン、日本/81分/原題:Kick Off
監督:シャウキャット・アミン・コルキ
イラク北部の都市キルクーク。家を失ったクルド人たちは、スタジアムの中で暮らしていた。ヒリンに淡い恋心を抱くクルド人青年のアスーは、地雷で片足を失った弟のため、民族対抗の少年サッカー大会を計画するが…。
『二番目の妻』
2012年/オーストリア/89分/原題:Kuma
監督:ウムト・ダー
トルコから欧州に移り住んで半世紀。クルド人一家の女主ファトマは、故郷の伝統を守りながら、夫や子どもたちとともにウィーンで暮らしていた。そんな彼女の息子のもとへ、東トルコの村からアイシェが嫁いでくる…。
『幸せのアレンジ』
2007年/アメリカ/92分/原題:Arranged
監督:ダイアン・クレスポ、ステファン・シェイファー
N.Y.のブルックリン。同じ学校の新任教師として出会った、ユダヤ教徒のラヘルとムスリマのナシーラは、ある授業をきっかけに友人関係になる。そして2人には、“お見合い結婚”を控えているという共通点があった…。
『西ベイルート』
1998年/フランス、ノルウェー、レバノン、ベルギー/105分/原題:West Beyrouth/英題:West Beirut
監督:ジアド・ドゥエイリ
1975年。西ベイルート(ムスリム地区)に住むターレクは、東ベイルート(キリスト教徒地区)のフランス学校に通っていた。しかし内戦が始まり、両地区が遮断される。初めは戦争に昂揚感を覚えるターレクだったが…
『判決、ふたつの希望』
2017年/レバノン/113分/原題:Qadiyya Raqm 23/英題:The Insult
監督:ジアド・ドゥエイリ
ある日パレスチナ人のヤーセルとレバノン人のトニーが、住宅の補修をめぐって諍いを起こす。トニーの放った“侮蔑”は2人の対立を決定的にし、法廷に持ち込まれた決着はやがて国を巻き込む大騒乱へと発展してゆく…。
※昨年日本でも公開され大ヒットした作品。公式サイトはこちら。
『乳牛たちのインティファーダ』
2014年/カナダ、パレスチナ、フランス/75分/原題:The Wanted 18
監督:アメール・ショマリ、ポール・コーワン
パレスチナのある町の人々が、それまでイスラエルから買うしかなかった牛乳を独自に生産しようと、18頭の乳牛を“合法的”に手に入れる。しかし、イスラエル当局は牛を“国家の脅威”と見なし、その摘発に乗り出す…。
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インド映画『ナイジェリアのスーダンさん』の予告編を付けておきます。楽しそうな映画ですので、ぜひお運び下さい。
Sudani From Nigeria Official Trailer | Zakariya | Soubin Shahir | Samuel Abiola Robinson