本日で、第37回東京国際映画祭も最終日となりました。夕方からはクロージング・セレモニーが行われたので、ライブ配信でそれを見ていたのですが、嬉しいことに審査員のジョニー・トー(杜琪峯)監督はしょっぱなに、「広東語で話します」と宣言して、すべて広東語でスピーチ。くっきりはっきりした広東語が聞けて、本当に幸せでした。審査委員長のトニー・レオン(梁朝偉)も、最初は英語でのスピーチでしたが、あとの方では広東語で講評を語ってくれました。これも、広東語の通訳周家サム先生がいて下さったお陰です。周先生は普通話の通訳もおできになるので、本日はお一人で中国映画の受賞監督たちのスピーチにも対応しておられました。辛苦晒(ホントは口偏)周老師! 下は、映画祭期間中にシネスイッチ銀座前で撮ったトニー・レオンです。「そこは通路だから立たないで下さい!」とTIFFスタッフに注意されながら、小さくなって(笑)撮ったもので、六本木時代と違って銀座&日比谷のロケーションの不便さは、各所で身にしみました。
実は今朝、映画祭ニュースで「審査員記者会見はキャンセルとなりました」という情報が流れたものですから、「何かあったのか??」と心配したのですが、どの審査員のかたも至極ご機嫌で、とってもステキな授賞式となりました。最初にYouTubeの配信アドレスを付けておきますので、そちらからまずどうぞ。その後に受賞一覧を付けておきます。
クロージングセレモニー|Closing Ceremony 第37回東京国際映画祭
第37回東京国際映画祭主要部門受賞作一覧
コンペティション部門
東京グランプリ/東京都知事賞: 『敵』
©1998 筒井康隆/新潮社 ©2023 TEKINOMIKATA
2023年/日本/モノクロ/108分
監督:吉田大八
出演:長塚京三、瀧内公美、黒沢あすか
審査委員特別賞: 『アディオス・アミーゴ』
2024年/コロンビア/スペイン語/118分/原題:Adios Al Amigo
監督:イバン・D・ガオナ
出演:ウィリントン・ゴルディジョ・ドゥアルテ、クリスティアン・エルナンデス
最優秀監督賞: 吉田大八 『敵』
最優秀女優賞: アナマリア・ヴァルトロメイ 『トラフィック』
2024 © MINDSET PRODUCTIONS – LUNANIME – LES FILMS DU FLEUVE – BASTIDE FILMS – FILMGATE FILMS – FILM I VÄST – AVANPOST MEDIA – MOBRA FILMS.
2024年/ルーマニア/ルーマニア語、オランダ語、英語/119分/原題:Reostat
監督:テオドラ・アナ・ミハイ
出演:アナマリア・ヴァルトロメイ、イオヌツ・ニクラエ
最優秀男優賞: 長塚京三 『敵』
©1998 筒井康隆/新潮社 ©2023 TEKINOMIKATA
最優秀芸術貢献賞: 『わが友アンドレ』
ドン・ズージェン監督
2024年/中国/中国語/110分/原題:
監督:ドン・ズージェン [董子健]
出演:リウ・ハオラン、ドン・ズージェン、チー・シンカイ
©Huace Pictures & Nineteen Pictures
観客賞: 『小さな私』
ヤン・リーナー監督
2024年/中国/131分/原題:
監督:ヤン・リーナー [杨荔钠]
主演:イー・ヤンチェンシー、ダイアナ・リン、ジャン・チンチン
アジアの未来部門
作品賞 『昼のアポロン 夜のアテネ』
エミネ・ユルドゥルム監督
2024年/トルコ/トルコ語/112分/原題:
監督:エミネ・ユルドゥルム
出演:エズギ・チェリキ、バルシュ・ギョネネン、セレン・ウチェル
💐 💐 💐 💐 💐 💐 💐
受賞された皆様、おめでとうございます。受賞スピーチで唯一ビデオ参加となった最優秀女優賞のアナマリア・ヴァルトロメイ (『トラフィック』)は、ビデオレターの中で、審査委員長のトニー・レオンに対する愛、つまり彼の作品と彼の演技に対する愛を延々と語り、この場に居させてあげたかった、と思わせられたステキな女優さんでした。様々な出会いを運んでくれる東京国際映画祭、来年もまた、いい作品を運んできて下さいね。