アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

目撃!中国インディペンデント・ドキュメンタリー第12回:胡傑監督『グラーグの書(格拉古之書)』

2019-02-07 | 中国語圏映画

専修大学の土屋先生から、お知らせをいただきました。胡傑監督のドキュメンタリー映画の上映です。いただいたお知らせを、そのまま貼り付けておきます。

■  ■  ■  ■  ■  ■  ■  ■  ■  ■  ■  ■  ■ 

目撃!中国インディペンデント・ドキュメンタリー第12回
胡傑監督『グラーグの書(格拉古之書)』上映と討論のお知らせ

上映:胡傑監督『グラーグの書(格拉古之書)』(2013年、38分)日本語字幕
日時:2019年2月16日(土)午後3時~ 
   上映後に討論と翰光さんによる現地報告
場所:専修大学神田校舎(神保町)301教室    
   参加無料・申込み不要
主催:視覚文化研究会(専修大学社会科学研究所グループ研究)
   時代映像研究会、「中国60年代と世界」研究会
問い合わせ:専修大学土屋昌明研究室 tuwuchangming@yahoo.co.jp

このドキュメンタリーは、1957年に中国でおこなわれた反右派運動で政治的な批判を受け、農村や工場などで労働を通して自己改造をするよう強制される施設(労働改造所)におくりこまれた張先痴と、出所後に彼と結婚した楊文婷に取材しています。
反右派運動では、公式発表で55万人が人権蹂躙の被害者となりました。張先痴は、強制労働に従事させられた経験を驚くべき記憶力で本に書いたのです(『格拉古軼事』『格拉古実録』『格拉古夢魘』)。人身束縛の収容所における極限的な人間性を描いた文学として読むこともでき、ソ連のグラーグの生活を描いたソルジェニツインにたとえられています。
張先痴に感銘をうけたインディペンデントの映像作家たちがドキュメンタリーやドラマに表現してきました。その先駆けが本映画です。日本では本研究会が2017年に張先痴・楊文婷両氏を招いたときに1回上映しましたが、他では見られません。張先痴の経験とこの時代の重要性を鋭くとらえようとする監督の姿勢にも感銘をうけます。

ところで、いま中国では、非政府系のキリスト教会がつぎつぎと抑圧されています。昨12月9日に四川省成都にある秋雨教会が大規模な弾圧を受け、牧師および100人以上の関係者・信徒が拘留されました。張先痴はその信徒の一人で、幸い拘留はされませんでしたが、深夜に社区の人員らによる警告を受けました。張先痴さんは85歳で、視力を失いかけており、この深夜の警告のあと体調を崩し、現在、入院中です。討論では、こうしたキリスト教会に対する弾圧についても話し合いたいと思います。

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 恭喜發財! すごい映画『イ... | トップ | インド映画が上映される2つ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

中国語圏映画」カテゴリの最新記事