昨日の続きです。『海星女孩』のゲストお2人に続き、『謎絲』組と『我親愛的父親』組が数人ずつ登壇しました。7割ぐらいの入りの会場から大きな拍手が起きていたので、結構関係者の方がいらしているみたいでした。
まずは『謎絲』組の、左から郝芳蔵監督と助演の女優と主演女優です。郝芳蔵監督の名前は、日本名にすると男性名になってしまいますが、アラフォーの元気のいいお姉さん、という感じの人でした。映画祭公式サイトの経歴を見ると、江口洋介が主演した『シルク』(2006)や、2010年の『モンガに散る』等の助監督を務めた人、とのことで、実力と経験を兼ね備えた人のようです。今回は23分の短編でしたが、モノクロで撮られた映像が実に印象的で美しく、しっかりした骨格の映画になっていました。映画を印象的にしているのは、主演女優に負うところも大きく、あとでいろいろ調べてみたら、この人何と、『モンガに散る』でアザのある若い娼婦役をやった柯佳[女燕](クー・ジャーヤン)でした。あの頃に比べて、一層臈長けた美しさが出て来ていますね。目が惹きつけられて、何枚も写真を撮ってしまいました。
もう1人の、ヒロインの幼馴染みを演じた女優は、クー・ジャーヤンとは違う暖かみのある顔で、画面にはそれほど出てこなかったのですが、感じのいい人でした。
55分と結構長い作品である『我親愛的父親』組は、洪伯豪監督と父親を演じた俳優(この人、どこかで見た顔なんですが...)、そして老人福祉施設の職員を演じた女優の登壇でした。
主人公役の男優がいなかったのは残念で、いわば認知症啓蒙映画といった作品であるにもかかわらず、父役の俳優と共に上手な演技で感動を与えてくれたのでした。ですが、啓蒙映画のせいか、母親の急死後父親にあれもこれも症状が出てくる、という描写はちょっと盛り込みすぎで、かえって誤解を招くのでは、とも思われました。
さて、Q&Aが終わると30分後には『Raees(ライース)』の上映だわ、と思ってホールから外に出てみたら、何と結構人がいます。驚いたことに午後9時からの上映だというのに(終了は11時23分!)、会場はほぼ満席でした。こんなにインド映画ファンがいるとは、とびっくりした次第ですが、南アジア系の人は皆無で、みんな地元の人のようでした。中に1人2人、インド風のロングスカートを穿いていたり、上着をはおっている人がいましたが、日本のようにクルターやサルワール・カミーズ姿の人は見当たりません。台北のインド映画ファンは、まさしく映画だけのファンなのでしょうか。
Shah Rukh Khan In & As Raees | Trailer | Releasing 25 Jan
予告編を付けておきます。これをチョー大画面で見られたのですから、もうすごい幸せでした。字幕は英語が元々ついていて、その下に中国語の投影字幕が出ます。みんな結構字幕で笑っていて、笑いが聞こえなかったのは、『Mr.インディア』のシュリーデーヴィーなど俳優に言及したもののところだけ。ああいうのは名前を入れてもわかりませんよね。総じて反応は日本人観客よりもヴィヴィッドな感じで、一緒に見られてラッキーでした。というわけで、私の金馬国際影展は、あと1本で終わりです。