アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

サイモン・ヤムの写真集

2011-05-16 | 香港映画

任達華(サイモン・ヤム)の写真集が、段ボールから出てきました。こんな写真集です。

 

ファンの方でも見たことがないのでは、と思います。でも、この写真ならどの映画のものか、すぐわかりますよね。そう、周潤發(チョウ・ユンファ)と共演した『フル・コンタクト』 (1992)でのヤムさんです。

表紙に書かれているのはタイ語で、タイで出版されたものです。本の中には、英語タイトルらしき「THE SONG OF PICTURE: SIMON」という文字も見えます。『フル・コンタクト』はタイのバンコクでロケが行われたのですが、そのタイでの撮影の合間に撮られた写真のようです。

『フル・コンタクト』はちょっと奇妙なテイストの映画でした。監督は林嶺東(リンゴ・ラム)。リンゴ・ラム映画特有のヴァイオレンスはもちろんあるのですが、それに加えてミョーに過激な性表現(”劣情を刺激する”というヤツですね)があるのです。チョウ・ユンファと恋人役の柏安〔女尼〕(アン・ブリッジウォーター)がベタベタとキスしたり、強盗団仲間のお姐さんが色情狂かと思うような振る舞いに及んだり。そして極めつけはヤムさん。強盗団のリーダーだというのに、いつもホストみたいな服を着ているのです! 

まっ昼間のバンコクでその服はないでしょう、と言いたくなる、前立てにフリルがてんこ盛りの紫のシャツとか、黒のスケスケスリーブのブラウスとか、はてはニシキヘビ模様のジャケットに、下には皮のタンクトップというか、キャミソールというか、腹巻きというか....を着けていたり。ジャケットがはだけると×首がしっかり見えるんですよ。誰でしょう、こんなヤーらしい衣裳をデザインしたのは。

この写真集も、そんなヤムさんをしっかりとキャッチしています。つーか、そういう趣味のある男性読者に買わせるための写真集のようです。最後の方には、私がウゲゲ~となったシーンがしっかりと数コマ入っています。フィリピンではバロットと呼ぶ、孵化寸前の卵を呑むヤムさんのシーンです。バロットはゆでてあるらしいのですが、この映画では生のままだったような....。見た時は何が悲しゅうてこんな役せなあかんねん、と思いましたが、結構あの頃は”イッちゃってる”役が多かったですね、ヤムさん。

でも最近は、『歳月神偸』  (2009)の靴職人のお父ちゃんとか、『葉問』 (2008)の工場主とか、いい人の役が多くなって安心して見ていられます。そんなヤムさんの最近の作品の中で赤丸オススメなのが、「機動部隊」シリーズ。『機動部隊:人性』『~:絶路』『~:警例』 (いずれも2008)と『~:同袍』 (2009)なんですが、ヤムさんが光るのが『~:同袍』 。少々カッコ悪いところもしっかりと見せて、いい味出してます。「機動部隊」シリーズは『PTU』 (2003)の続編みたいなものなのですが、もっと人間くさくて、時にはウェットで人情味たっぷり。『~:絶路』も力作です。

 

ところで私が「ヤムさん」と呼んでいるのは、広東語の「任生(ヤムサン)」と引っかけてです。姓+「生」で「Mr.~」となり、呼びかけにも使えます。「陳生(チャンサン)、どこに行くの?」とか、「周生(チャウサン)、お久しぶり~」とか、便利に使えます。一度でいいから、「任生、見到〔イ尓〕好高興」(ヤムさん、お目にかかれて嬉しいですぅぅぅ)とか言ってみたいです.....(その前に気絶してるかも)。

 

 


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「世界で一番素晴らしい場所」 | トップ | 2010年インド映画製作本数 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
バロット (よしだ まさし)
2011-05-16 13:10:53
『フル・コンタクト』とは懐かしい作品ですね。
あの頃のサイモン・ヤム、変な役が本当に多かったです。
でも、『フル・コンタクト』のあのファッション、ホストであっても着ないでしょう(笑)

で、フィリピンのバロットですが、ゆでてあるとはいっても、いわゆるゆで卵みたいにはならずに、カラをやぶるとゆであがったヒヨコちゃんが「こんにちわ」と顔を出してきます。
僕も食べたことがあるのですが、けっこうコリコリとしていて、みかけさえ我慢すればなかなかいける味です。
みかけを我慢できるかどうかは、まったく別問題ですけど(^^;
返信する
よしだ様 (cinetama)
2011-05-16 19:36:10
コメントありがとうごさいます。

バロット、召し上がったことがあるんですか?! 想像するだに、ヒヨコちゃんのできかけの羽やたたまれた足が喉にひっかかりそうで....。
実はこの写真集の裏表紙には、手羽肉のようなものの上にいる2羽のヒヨコの写真が。『フル・コンタクト』にこんなシーン、ありましたっけね? この写真集を作った人も、ヤムさんのエロさと共に、バロット呑み下しシーンが印象に残ったようです。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

香港映画」カテゴリの最新記事