JRグループの春ダイヤ改正、秋田県、青森県の改正概要は以下の通り。
●奥羽本線特急『つがる5号』の設定時間帯を、秋田発19時32分から秋田発15時52分に繰り上げ、新青森で東京方面の新幹線に接続させる。
●現行の『つがる5号』の運転時間帯には秋田発19時20分の快速青森行を運転する。(八郎潟までの各駅と、森岳、東能代、二ツ井、鷹ノ巣、早口、大館、碇ヶ関、大鰐温泉、弘前、川部、北常盤、浪岡、津軽新城、新青森停車)
●上記快速の設定に伴い、秋田発19時00分の普通大館行の運転を取り止め、秋田発18時29分の快速大館行を普通列車に格下げする。秋田発17時31分の快速弘前行については、大館から先を普通に変更、大館発21時21分の弘前行及び、弘前発21時18分の青森行は運転を取りやめる。
●五能線、12時台の東能代~能代間列車1往復を、定期列車から臨時列車に格下げさせる。
●花輪線下り列車の大館着を12時30分着だったのを11時46分に繰り上げ、14時52分着だったのを15時25分着に繰り下げ、17時03分着も18時12分着に繰り下げる。上りについては、大館発11時52分の列車を10時22分に繰り上げる。
●青森~新青森・津軽新城間で折返し運転する普通列車でワンマン運転を開始する。また、秋田発14時27分の羽後本荘行、羽後本荘発15時38分の秋田行でもワンマン運転を開始する。
●青森駅での津軽線から奥羽本線への接続時間を見直す。
●三戸発16時30分の普通八戸行を新設、通学需要に応えるとともに、八戸で新幹線に接続させる。また、19時台の八戸発普通盛岡行を17分繰下げて、新幹線から接続させる。
●データイムの青森発八戸行2本の時刻を繰上げ、東京行き新幹線への接続に余裕を持たせる。
●八戸発着の快速『しもきた』において、上りの一部列車が通過している下田、上北町に全列車を停車させる。また、八戸発9時33分、19時17分、野辺地発9時03分については、新たに乙供に停車させる。
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秋田県、青森県では、まず両県を結ぶ奥羽本線の午後下り優等が見直されることになった。
夜間時間帯の下り『つがる』は設定時間を大幅繰上げ、代わりに同時間帯に快速を運転することに。つまり優等列車の純増となる。新しい『つがる』の秋田発は15時52分、今回の改正で『つばさ』からの接続を受けるようになった奥羽本線普通からは20分で接続するものの、『いなほ』からは10分差で接続しないし、『こまち』からの接続も悪い。秋田発の時刻表を見ると、近い時間帯に15時20分発の弘前行が設定されている。現行スジだと停車時間を詰めれば弘前まで逃げ切れるが、どうなるかは不明だ。また、青森口でも弘前発17時45分、青森着18時23分と20分も差がないところに快速が設定されているので、これについても見直される可能性がある。なお、運用本数については、『つがる4号』が一旦入庫してから4時間後に『つがる5号』として折り返しているのを、20分ほどで折り返すだけにすればいいのだから問題ない。『つがる4号』が遅延した時に『つがる5号』にも影響が出るけど。
今回の改正で『つがる5号』は、大館を17時24分に出発、新青森で『はやぶさ』に乗り換えれば、東京には22時04分に到着し、大館から東京までの所要時間は4時間40分となる。現行ダイヤだと17時31分の花輪線でも、17時55分の高速バスみちのく号でも、東京到着は23時04分となり、5時間以上かかっている所要時間は大幅に短縮となる。なお、今回の改正では17時35分の花輪線は鹿角花輪止となるため、新幹線への乗り継ぎはできなくなる。大館能代空港からの空路の場合だと、東京駅までの所要時間は新青森経由より30分短いが、大館を16時前に出るリムジンバスに乗らなければならない。
現行の『つがる』の時間帯には快速が設定されることになる。普通列車を吸収するような形となる秋田~八郎潟間、弘前~青森間では停車駅が大幅に増えるのものの、7分遅くなるだけだ。秋田着19時06分の『こまち27号』からの接続時間は26分から14分に短縮、タッチ差で19時00発の大館行に乗り継ぎが出来ず、追分行は20時02分、大館行は20時25分までないことを考えると、首都圏や仙台から八郎潟までの特急通過駅への利便性は大幅に向上する。また、東能代、鷹ノ巣方面へは到着時間が早くなるだけでなく、特急料金が不要になる。18きっぷ視点で考えてみると、盛岡まで東北本線を利用し、盛岡発18時03分の花輪線に乗り換え、大館でこの快速に乗り継げば、青森には現行より39分早い22時13分に着くことができる。タクシーを利用せずとも、青森発23時30分の青函フェリーに間に合うだろう。
ところで、この夜間の『つがる』のスジ、2010年改正までは『いなほ』として新潟~青森まで運転、青森では夜行急行『はまなす』に接続していた。さらに遡ると、2001年改正までは『白鳥』として大阪~青森まで運転されていた。昭和末期に特急『白鳥』から青函連絡船への乗り継ぎがなくなったわけが、平成末期にはその名残の夜の特急青森行の歴史に終止符を打ち、快速から北海道新幹線への乗り継ぎとなる。
『つがる』格下げの快速が運転される代わりに、秋田~大館間、大館~弘前間、弘前~青森間で普通列車が1本ずつ削減される。大館~弘前間では下り最終普通列車が大館発21時21分から大館発19時10分へと2時間以上の繰り上がることに。大館発20時55分の快速に乗って、碇ヶ関で普通大館行で折り返せば、そんな不便にはならないけど、ギリギリだな。大館~弘前間だけでも各駅停車にしても所要時間は5分も変わらないわけだが、乗降客がほとんどいないということなのだろう。
12時台の五能線チョン行は同じ時台に別の列車が設定されているからな。奥羽本線秋田方面との接続があるのは上り方向だけだし。秋田駅西口~能代駅前間はバスが競合してるけど、一日6往復と本数が少ないのが難点なんだよな。秋田の中心街へ行くには優位だけど。
花輪線の秋田口は減便はなかったものの、設定時間帯を大幅に見直すことに。下りの11時46分大館止は普通秋田行に、上りの大館発10時22分は、青森発9時台『つがる』から接続を受けることになった。
青森~津軽新城間列車のワンマン化は今更という感じ、停車駅3駅全てが有人駅だからな。津軽線から奥羽本線への乗り継ぎ見直しは、リリースに新青森着時刻の表記があることから、津軽線から新幹線への乗り継ぎ利便性向上の方がメインではないかと。ただ、新青森での奥羽本線から津軽線からの乗り継ぎ時間が42分、29分と悪いのだけど。三厩発12時37分は青森での乗り継ぎは良くなるが、津軽二股で40分接続の新幹線に乗り換えた方が東京に1時間早く着く。
青い森鉄道は、まず八戸での新幹線接続の見直し。通学需要で新設した列車を新幹線上下ともに接続させて、三戸から東京、函館方面の利便性を向上させる一石二鳥となった。現行ダイヤだと三戸発16時48分があるけど、列車を新設するくらい混んでいるのだろうか。夜19時台についても、函館・東京方面から三戸への利便性が向上、といっても東京から三戸へは現行の二戸経由より数分速くなるだけだ。
快速『しもきた』については、八戸発9時33分と19時17分が乙供に停車、八戸着9時48分が乙供と下田に停車、19時57分が上北町と下田に停車するようになる。快速『しもきたは』普通列車が近接して設定されているから停車駅を絞っていると思ったのだけど。上北自動車道が今年度中に天間林まで延伸されるから、東北町からの本数を増やすということで利用者を逃さないということだろうな。首都圏へは七戸十和田駅でパークアンドライドという手もあるけど、八戸に出た方が本数が多いし。
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